テキサスの物件にご注意:某不動産会社の怪しいビジネス  

銀行員が勧めるテキサス投資

日本の方から、大銀行の銀行員に日本の某不動産会社がテキサス州で売っている物件を勧められたのだけど、どう思いますかという問い合わせがあり、さっそく調べてあげました。2件あり、二つとも去年売りに出されたもので、売れなかったのか売らなかったのかはわかりませんが、現在は売りに出ていませんでした。

物件の一つは、もらった資料には$347,000と書いてありますが、米国の不動産サイトの評価額は平均して31万ドル程度。去年の6月に$283,000で売りに出されましたが、すぐに売るのを止めました。その後、某不動産会社が管理して賃貸されています。最後の売買は97年ですので、某不動産会社が購入したわけではないようです。

もう一つの物件は、資料には$253,000とありますが、不動産サイトの評価額は平均21万ドルです。去年8月に22万ドルで売りに出されましたが、売れなかったようで、3か月後に売るのを止めました。その後同じように某不動産会社が管理して賃貸しています。

安く買い、日本人に高く売りつける

値段が高すぎるということだけでも問題ですが、多分、この業者はまず日本で買主を見つけてから物件を購入し、日本人に高く売りつけているのではないかと思われます。これらの物件の不動産エージェントが誰であるかも書いてありませんし、某不動産会社の不動産ライセンス番号もありません。安く売って、高く売りつけるだけなら、自分で購入して自分で売るわけですから、仲介ではありませんので、ライセンスも必要ないでしょう。購入後、管理もしてくれますが、手数料は相場よりかなり高そうです。

相談に来られた方は、銀行も誰でも知っている大きな銀行ですし、不動産会社もかなり有名な会社ですので、信頼しきっていたわけですが、こういうことが日本では違法ではないと聞いて、驚いていらっしゃいました。

 似て異なる、ジローズの透明性の高いサービス

これに一見似てはいるものの、実は全く違うビジネスを始めたのが、米国有数の不動産サイトであるジローズです。以前、別の不動産サイトが、不動産エージェントを安く雇って仲介業を始めたが、安く仕事をしてくれるエージェントにはあまり優秀な人はいないので、うまく行かないだろうということを、事例をあげてブログに書いたことがありますが、ジローズのモデルは全く違います。

オーナーが自分の家を売りたいと思い、ジローズに連絡します。ジローズは、実際に物件を見て、AIよりも正確で正当な評価額を出し、仲介するのではなく、その物件を掃除も改修もしないでそのまま購入するオファーを出します。オーナーは、その値段で売ってもいいし、断って従来のエージェントに頼んでも構いませんが、その場合は少しきれいにしないとなかなか売れないでしょう。ジローズに売る場合は、自分が売りたい日を指定することができますので、引っ越さなければいけない日が決まっている、あるいは次の物件購入とタイミングと合わせるためには、とても便利です。

ジローズは、壊れているものは直しますが、それ以外は、塗装や、せいぜいフローリングを新しくするくらいで、大した改装はせずに売ります。購入する方は、ジローズがいついくらで買ったか、記録を見ることができます。つまり、家を売るためにかかる手間全てをジローズがやってくれて、ジローズの儲けはその手間賃なのです。売主はそれを理解したうえで売り、買主はジローズがいくら儲けるかを明確に知ったうえで購入し、ジロースはネットを使って薄利多売するというわけです。安い物件を探して購入して高く売るという、米国でフリッピングと呼ばれるビジネスとは異なり、家を売ることに伴うストレスを、正当で透明性のある代価で代行してくれるサービスです。

このモデルは、仲介業者と競合しません。ジローズの物件の売買は、エージェントが仲介して、通常の売買と同じようにコミッションをもらうことができます。なかなか売れない物件があると、売主と相談してジローズにオファーを出してもらい、いつまでにそれ以上の値段で売れなければジローズに売るという、バックアップのプランを立てることもできます。

現在、ロサンジェルスのような一次市場から、ツーソン(アリゾナ州)などのような三次市場まで、全部で20の市場でこれを始めており、2019年の第三四半期の購入物件数は全国で2,300戸、売却物件数は1,200ほどです。まだまだ規模は小さいですが、全国に広がるのは時間の問題でしょう。今のところ、市場占有率は、一番高いところでも9%だそうです。

日本の不動産情報の欠如 

つくづく思うことですが、日本と米国のこの違いは何なのでしょうか。それは情報です。米国では、某不動産会社のようなビジネス・モデルは、情報がすぐに手に入りますので、成り立ちません。不動産取引の透明度ランキングをグーグルすると、日本は、市場が世界3番目の大きさであるにもかかわらず、2014年の調査ではチェコとハンガリーに次いで26位。最近は改善しているようですが、まだまだ高いとは言えず、透明性の高いJリートがなければ、もっと低いのではないかと思われます。

テキサスの物件の調査を依頼してきた方は、無料でほんの数分でこれだけの情報が分かるということに感心しておられました。だからこそ、米国では安心して投資でき、リスクが低い分、物件価値も高いわけです。日本では、情報がありませんから、自分が騙されているのかどうかさえ分かりません。誰か、ジローズのビジネス・モデルを日本で始めたいという方、あるいはジローズでなくても、日本の情報の欠如をどうにかしたいと思っている方がいらっしゃったら、ご連絡ください。そのような人の輪を広げていきたいと思っていますし、もし私にできることがございましたら、協力させていただきます。

3月24日ごろ ハワイでMLS勉強会を開きます

繁忙期ではありますが、327日にIREM全米不動産管理協会)ハワイ支部ゴルフ・トーナメントがあり、日本からいらっしゃる方もおられますので、その少し前、24日前後に、MLS(マルチ・リスティング・サービス)や、エスクローと権原保険に関する勉強会をハワイでしようと思っていますので、ご興味のある方はご連絡ください。

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