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ハワイに留学するなら賃貸は損!購入のメリットを解説

 

今日は、子供さんをハワイに長期留学させ、不動産を買って住まわせるとどれだけ得かを、例を使って解説します。また、その場合、固定資産税を下げるために忘れてはならない点を説明します。とはいうものの、税金は、不動産エージェントの専門ではありませんので、必ず公認会計士や弁護士に聞いて確認してください。いつ、どのように法律が変わるかもしれませんし、私、あるいは私の情報源が間違っているかもしれません。米国では、専門外のことについて話すときは、必ずこの但し書きが必要です。

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ハワイでのホームステイの相場

ハワイはコロナも落ち着いてきて、来学期からは教室での授業が再開する予定です。そこで、子供たちをハワイに留学させたいと考えていらっしゃる親御さんは、多いと思います。短期の英会話留学であれば話は別ですが、大学に行かせたいという方には、是非便利な場所に不動産を購入することをお勧めします。

私の知り合いがホームステイのビジネスをしていますので、聞いてみたのですが、現在の相場は月$1,300だそうです。ずいぶん高いと思われる方が多いでしょうが、通常、家の空いている部屋を貸してもらうだけでも千ドルくらいします。朝夕の食事も入れて$1,300ですので、納得できる金額かなと思います。

例えば、私のコンドでもホームステイをしたことがありますが、この2LDKを貸すとすると、家賃は$2,400ほどです。私のユニットは、二つのベッドルームがほぼ同じ大きさですので、一つを貸す場合、部屋代だけで半分の$1,200と言うことになります。それに電気代などの公共料金を足せば、それだけで$1,300くらいになります。大学の寮も、食事が毎日3回出るわけではないし、調理もできませんので、外食することを考えると、大して変わらないようです。

5年かけて卒業する場合、賃貸か購入かどちらが得か

これだけの家賃を捨ててしまうのはもったいない。大学を卒業する目的で来る留学生は、最初の1年くらいは英語の勉強をしますので、卒業に5年くらいはかかるでしょう。地元の学生でも5年かける人は多いです。どうせ高い家賃を払うのであれば、買った方がいいとよく聞きますが、実際にどうなのか検証してみましょう。

例を挙げて話した方が分かりやすいと思いますので、ハワイ大学から半径800m(0.5マイル)以内の土地付きコンドを検索しました。半径1.6キロ(1マイル)でも良ければ、23のコンドに、全部で38戸の売り物件がありますが、半径1.6キロは、道のりにすると2キロ以上あると思いますし、歩くのは大変です。800メートル以内にある売り物件は、3カ所しかなく、3LDKと2LDKとワンルームです。

3LDKの物件は、家賃が低く見積もっても$1,800、ネット予想では$2,100のコンドで、ルームメイトを二人見つけて二部屋貸せば$1,200~1,400の収入があり、家賃の消費税、共益費、固定資産税、保険などの経費を引いても、十分にお釣りが来ますが、管理会社に頼まない限り、留学していきなり大家さんになるもの大変ですので、今日はワンルームを例に挙げてみましょう。

ワンルームを購入した場合にかかる毎月の経費

ワンルームの物件は、ユニバーシティー・ヴィラというコンドで、3物件の中で唯一の中層ビルです。外から自分の部屋に直接入ることはできず、いったんビル内に入って、廊下から部屋に入るようになっていて、セキュリティーを通らないとビルに入れません。特に女子大生にとっては安心です。現在売りに出ている物件は、36平米で、$325,000です。共益費は月$517で高いですが、オール電化で、電気と上下水道代が含まれています。駐車場は1台分で、必要なければ月$150くらいで貸せると思います。

固定資産税は月$150と書いてありますが、これは間違いだと思われます。固定資産税は、評価額千ドルにつき年$3.50ですが、評価額が$245,200ですので、245.2×3.5÷12=$71.52のはずですし、このコンドの他の物件を見ても、その程度です。それ以外に、保険料が必要ですが、コンドの保険は安いので、経費は全部で$600ほどでしょう。

$517(共益費)+$72(固定資産税)+?保険料=約$600

購入した場合と賃貸した場合を比べる:差額のキャッシュフロー

このユニットは現在月$1,400で貸されています。前述したように、2~3LDKの安いアパートをルームメイトと一緒に安く借りることはできますが、一人抜けるとその分は残った人が払わなければなりません。安いところで構わないという方はいいですが、安全なワンルームに住まわせたいという方にとっては、本来なら$1,400払うべき部屋に$600で住めるということですので、$800の得です。

出ていくべきお金を減らすことができたわけですので、それを利益と考えると、年間$9,600の利益となり、キャップレート(純利益÷物件価値)は2.95%になります。騙されたような気がするかもしれませんが、難しい言葉でこれをdifferential cashflow(差額のキャッシュフロー)と呼び、$325,000投資することによって得する額です。仮に駐車場を貸せれば、年$11,400の利益となり、3.51%です。差額のキャッシュフローについては、キャピタルゲインの説明をしてから、後でまとめて詳しく解説します。

キャピタルゲイン(売却益)はいくらか

これを5年間所有すると、キャピタルゲインが発生するでしょう。この物件のワンルームの2000年の中央値は$72,000でした。20年は$255,000です。ちょっと話がずれますが、この物件が$325,000というのは、かなり高いということがわかります。今、空前の売り手市場で、5月の統計によると、コンドは前年比で14%も値上がりしましたが、この物件は去年の中央値と比べて27%も高いので、せいぜい$29万くらいが妥当ではないかと思います。ちなみに過去最高は$255,000です。もし$29万で買えれば、キャップレートは3.31%と言うことになります。

話を元に戻しますが、20年で$72,000が$255,000に上がったということは、年平均6.53%の上昇率だということです。これは、かなり高いですが、ハワイ大学に近いだけでなく、便利な場所であることがその原因ではないかと思います。このままの率で上がるとすると、5年後に売るときには$445,850で売れるということになります。

ホノルル・ボード・オブ・リアルターズの統計によると、1980年代から見て、オアフ市場は年4.9%上昇しているそうです。ローンなしで物件を購入した場合、内部収益率(総合利回り)は、大体キャップレート+物件価値の上昇率ですので、この物件の過去20年の実績に基づくと、約10%と言うことになり、悪くありません。

賃貸か購入かの現実的な予測

今現在この物件を借りるとすれば月$1,400払わなければならないということと、購入したら月$600の経費が掛かるということは、ほぼ確定ですが、今いくらで買えるかと将来いくらで売れるかは推測です。もう少し現実に近い数で検討してみましょう。購入は費用込みで$29万、価格の上昇はオアフ島全体の過去の履歴と同じ4.9%で、コミッションなどの諸費用を引いて$34万だったとします。

以下のグラフは、オレンジが賃貸した場合のキャッシュフローで、グレーが購入です。賃貸の場合、毎年$1,400×12=$16,800が出て行きます。購入した場合は、初年度は$290,000の初期投資があり、その後毎年$7,200の経費($600×12=$7,200)が出て行きますが、最終年は、売却益が$34万ありますので、経費と差し引きして$332,800($340,000-$7,200)です。

 

 

このグラフを見てご理解いただきたいのは、通常の投資であれば0がベースラインになり、それより上は利益、下は損失ですが、賃貸するか購入するかを比べるときは、ちょっと違います。つまり、家賃の年$16,800は、否が応でも出て行くお金ですので、それがベースラインになり、それより上なら得、下なら損になるのです。ですので、購入オプションは、0をベースラインにして内部収益率を計算すると、0.9%にしかなりませんが、-$16,800をベースラインにする、つまり毎年$16,800の損をするという選択肢と比べると、内部収益率は6.35%になるのです。

 

ちょっと難しい概念ですので、分かりやすい例を挙げて説明しましょう。Aさんがホノルルのホームレスを見てかわいそうだと思い、この物件を買って5年間住まわせてあげて、5年後に売れば、得をするか損をするか、知りたいとします。上記の試算によると、0.9%の内部収益率がありますので、ほんの少しですが得になります。

では、Aさんの娘さんがハワイ大学に留学するとして、どうせ毎年家賃を$16,800払わなければならないが、その代わりにこの物件を買った場合、賃貸する場合と比べてどれだけ得かと言う問の答が6.35%なのです。違いは、ホームレスは住まわせてあげなくてもいいですが、娘さんは家賃を払ってどこかに住まわせてあげなければならないということです。

 

固定資産税のマイホーム控除を受ける方法

話はここでは終わりません。この物件は現在貸しているので、固定資産税のマイホーム控除がありません。先述したように、固定資産税$150という記載は間違っていると思われますが、所有者が住めば、75歳未満の場合、$10万の控除があります。つまり、評価額が$245,200ですので、課税対象は$145,200となり、固定資産税は年間$858から$508に減って、$350の節税になります。と言うことは、キャップレートは2.95%ではなく、3.06%です。

ここで大切なのは、そこに実際に住む人を所有者の一人にしなければならないということです。ですので、所有する割合は少なくて構いませんので、実際に住む人を所有者の一人にすることを忘れないようにしてください。また、売却時のキャピタルゲインも、そこを主たる住居としている所有者一人につき$250,000の控除がありますが、住んでいらっしゃる子供さんが所有者でなければ、これも使えません。

固定資産節税の節税の影響力

$350くらい大したことはないとお思いの方も多いでしょう。しかし、評価額が$百万以上の物件は、$百万までが千ドルにつき$4.50で、$百万以上は$10.50になりますので、かなりの額になります。$110万以上の物件なら、年$1,050の節税ができます。

それでも大したことはないとお思いの方のために、もう一つ行きます。ハワイ大学に歩いて行ける距離ではないですが、トランプ、リッツ・カールトン、イリカイなどのコンドホテルを購入し、子供に住まわせ、親のハワイ旅行にも使いたいという場合はどうでしょう。ワンルームに親子が泊まるのは大変ですが、コンドホテルの2LDKはけた違いに高いので、1LDKで我慢することにしましょう。

現在売りに出ているトランプタワーの1LDKで最も安いユニットは$949,000、評価額は$965,900、固定資産税は月$1,119です。こんなに高いのは、ホテルなので、$千あたりの固定資産税が$13.90もするからなのです。用途を住居に変える申請をし、しかもお子さんを所有者の一人にすれば、月$253になり、年間で$10,395の節税です。これなら、ご満足頂けるでしょうか。

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今日は、子供さんをハワイに長期留学させ、不動産を買って住まわせる場合、どれだけ得かを実例を使って解説しました。このチャンネルではハワイでのオープンハウスの様子や、アメリカ・ハワイの不動産マーケットの情報をお届けしています。アメリカの不動産に興味のある方、ハワイで不動産を持ちたい方は是非チャンネル登録をお願いします。

子供さんをハワイに留学させるなら賃貸と購入どちらがお得?:固定資産税節税案も
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