Youtubeで不動産コラムをながら聴き

AirB&Bの2021年第4四半期売上$15億で過去最高:理由はリモートワーク

 オミクロンで日本の旅行業界は大変でしたが、逆に米国ではAirB&Bを利用したステイケーションが増えて、売上はコロナ前よりも増えました。今日は、インマンの複数の記事より、バケーションレンタル市場を解説し、ハワイに与える影響についても考察したいと思います。

 $15億と言う売り上げは、過去最高だった第3四半期より38%も上昇し、パンデミック以前の売上を越えました。前年比では80%増で、年間純利益は過去最高の$5,500万。年間の総売上は$60億、EBITDA(金利・税金・償却前利益)は$16億、宿泊料金総額は$470億です。

AirB&B2021年第4四半期株主報告書

ライバルのVrboも好調

 エクスペディアも、AirB&Bと競合するVrboが好調で、デルタ株が猛威を振るっていた2021年第3四半期、予想を上回る$3.76億の純利益。第3四半期のEBITDAは、2019年の第3四半期とほぼ同じでした。1株当たりの利益は、予想の$1.64を大きく上回る$2.26。売り上げは前年比で97%増の$29.6億で、これも予想の$27.7億を上回りました。EBITDAは$8.55億で、前年比188%増です。

Vrboでエクスペディア・グループが第3四半期の期待を上回る
インマン(2021年11月4日)

なぜか

 AirB&Bのブライアン・チェスキーCEOによると、「AirB&Bに住む人」が増えたとのこと。コロナで都会を離れる人が増えただけでなく、コロナ後もリモートワークを認める会社が続出していますので、物価が安く、バケーションと仕事が両立する場所に住みたい人が増えているのです。しかし、AirB&Bが伸びた理由はそれだけではありません。

 成長のもう一つの理由は、損害保険と、損害賠償保険を提供し始めたことです。訴訟大国米国で、損害賠償保険は必ず必要なものですが、逆に宿泊者が家や家具に損害を与えるのではないかと心配して、AirB&Bを利用しない大家も多いとか。そのリスクを保険で緩和して、ホストをリクルートしたのが成功したのです。

 もう一つの理由は、空きがなくて予約が取れない顧客に、空いている時期や地域を提案する機能をサイトに設けたことです。

ハワイは?

 パンデミック前、日本人向けのステイケーションの広告をハワイで見たことがあります。日本人観光客は、3泊5日くらいの方が多いですが、1週間ゆっくりして、仕事もしてくださいと言う内容でした。その時は、たった1週間のハワイ旅行で、誰が仕事なんかするものかと思いました。

 その後、ホノルルの短期バケーションレンタル規制が厳しく施行されるようになり、一部のリゾート地域以外、最低1か月借りなければならなくなりました。さらに、ブランジアーディ新市長は、さらに規制を厳しくして、現在、90日にする法案が審議中です。

 日本のリモートワークは、米国ほど広がってはいませんが、できる方なら、1週間以上滞在なさる方もいらっしゃるかもしれません。長く滞在する場合は、高いホテルではなく、AirB&Bなどを利用する方が増えるでしょう。90日と言う期間は、ちょうどビザなしで米国に滞在できる期間です。また、学生ビザを取らずに英会話学校に入学する方も、90日までならビザなしで留学できます。

 日本人の場合、社長さんかフリーランサーでもない限り、90日もハワイで仕事をしながら過ごすことは難しいでしょう。しかし、アメリカ人にとっては、「AirB&Bに住む」人もいるくらいですので、その需要はハワイにもあるかもしれません。

この記事を動画でチェック

AirB&Bの2021年第4四半期売上$15億で過去最高:理由はリモートワーク
元サイトで動画を視聴: YouTube.