今日は、2022年2月のホノルル・ボード・オブ・リアルターズの住宅市場統計を解説します。この統計は、毎月紹介しているわけではなく、大きなニュースがあるときのみブログを書いているのですが、ここのところ3カ月連続です。21年12月は戸建在庫過去最低、22年1月はコンド中央価格過去最高、今月は戸建て中央値が過去最高です。
22年2月の戸建ての中央値は、先月のタイ記録$1,050,000を7.1%も上回る$112.5万で、新記録です。去年の同月に比べて22.6%の上昇で、年累計でも21.1%の上昇です。
1か月で7.1%の上昇と言うのは、1年で倍以上になるペースですので、これが続くことはあり得ません。3月は少し下がるでしょう。2月に売れた物件の約半分は去年成約したものですので、金利が上がる前の駆け込み需要があったのかもしれません。インフレの時は金や不動産のような有形資産が値上がりしますので、それも少しは手伝っているかもしれません。サンプル数が241しかありませんので、一か月の統計より、年累計を見た方が、トレンドが正確につかめるでしょう。
$90万以下の物件の取引数は、去年に比べて半分以下です。55.2%が売出価格より高く売れていますが、その多くは$80~100万の物件です。この価格帯が需要過多なので、高いオファーをしなければ買えないということでしょう。
地域別では、ハワイカイ地域に売り物件が増えており、前年比で150%増ですが、サンプル数が少ないので、一月見ただけではトレンドとは言えないでしょう。
コンドの中央値は$49.7万で、先月の新記録$51には及びませんでした。取引数は、486件で、15カ月連続で前年比を上回っています。
中央値で売れた物件
それではいつものようにちょうど中央値で売れた物件をご紹介しましょう。今月の戸建ては、中央値の112.5万ドルで売れた物件が1戸あります。カネオヘの北の方のワイヘエと言う地域で、山の景色がとてもきれいなところです。この地域全体をウィンドワードと呼びますが、風上と言う意味です。海から吹き付けてくる風が山にあたり、冷えてにわか雨が降ることが多く、雨が降っている間、山にいくつものも滝ができます。
この物件は、$125万で売りに出ましたが、$12.5万安く売れました。田舎ですし、外装が良くないのがその理由かもしれません。契約までに、珍しく1カ月半もかかっています。現在の平均は13日です。
実は、この物件は台所が2つあり、違法です。建築許可がない限り、戸建てには台所は一つしか作れません。キッチネットとか、ウェットバーと呼ばれる小さな台所であれば合法です。しかし、面積が狭くても、冷蔵庫とオーブンが揃っていると、台所とみなされますので、通常、売るときには小さい方の台所の電気製品を台所の外に出して、キッチネットにします。そうしないと、台所が二つあるとみなされ、通常、鑑定さえしてくれません。
売主は、鑑定したときにはそうしたかもしれませんが、写真には台所が2つあります。小さな台所の写真には、違法であるにもかかわらず、「テナントの台所」とわざわざ説明してあります。家を2つに区切り、両方に台所を作ることは違法で、もちろんその一つを貸すことも違法なのです。あまり厳しく取り締まりはしていないので、このように堂々と宣伝していることも、時々見かけます。
しかし、通報されると取り調べを受けますし、まじめな管理会社は、違法な貸し方をしている物件の管理はしてくれません。このような物件のほとんどは、オーナーの自主管理です。私は、二戸一物件や2棟物件など、2~4戸として貸せる物件のデータベースを管理していますが、それらはすべて合法で、数は20~30しかありません。
コンドは、486件売れましたので、中央値は、高い方から数えて243番目と244番目の物件の平均売買価格になります。2つの売値が同じである場合もあれば、異なる場合もあり、その場合、実際に中央値で売れた物件はないということになります。と言うわけで、今月は、残念ながらちょうど中央値で売れた物件はありませんでした。
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