ハワイ州のDepartment of Land and Natural Resources(土地天然資源局)が州最大の小型船港の新計画を発表しました。英語だとsmall boat harborですので、「小さなボート」の港なのか、小さな「ボート港」なのか分かりませんが、前者です。この港は、アラワイ運河河口にあり、港自体はまだしも、その周りが再有効利用されておらず、州は10年以上、開発を検討してきました。今回発表された計画では、特に小型船とは直接関係ない部分で、大きな変化があります。
「私たちは協力し合って、このひときわ優れた地域を、ワイキキとその入り口だけではなく、州の宝物としてみるべきです。」(シャロン・モリワキ州上院議員)
この124ページの計画書は、University of Hawaii Community Design Center(ハワイ大学コミュニティー・デザイン・センター)の手を借りて作成されました。度重なる公開会合やフォーカスグループを経て、5年の歳月をかけて多様なコンセプトを生み出したのです。
ハワイ・プリンス・ホテルの近くに、プロメナードや地面より高い位置に遊歩道が設けられます。駐車場のサーフセンターには、サーフボードやカヌー用のロッカーができます。現在の港長室周辺の駐車場は、いくつかの集会場所を備えた公園に様変わりです。
「グリーンで、歩きやすく、いろいろなことに利用できるし、プロメナードもあって、皆さん本当に港を楽しめます。」(シャロン・モリワキ州上院議員)
歩きやすい(walkable)と言う言葉は、ぴんと来ないかもしれませんが、最近よく使われる言葉です。米国は車社会ですが、「歩いて楽しめる、徒歩で行ける」などの意味です。米国でも、ESGの一環として、車を使わないで徒歩や自転車で生活できる空間を増やそうという動きが強くなっています。今ある駐車場は、いつもいっぱいですので、ワイキキの駐車場がさらに減ることになり、不便ですが、それは覚悟の上です。
最も待ち望まれていた変化は、アラワイ運河橋の隣の空き地です。2009年にディベロッパーがウェディング・チャペルと店舗を建設する予定でしたが、その会社は倒産してしまいました。
「候補者は少なかったのですが、フォローして、いくつかのディベロッパーと会って、どうしたら提案をまとめやすくなるか、検討しました。」(ハワイ州船舶海洋レクリエーション課長、エド・アンダーウッド)
州は、現在、この土地に、新しい低層の教育コミュニティー・センターを建てたいと考えています。これらのアイデアのデザイン・オプションが二つあり、総工費は$2.5~3.6億です。
「ディベロッパーがお金を出して、施設の収益を創出する潜在力と商業運営から投資を回収するのです。」(ハワイ州船舶海洋レクリエーション課長、エド・アンダーウッド)
この計画はまだ州の土地委員会の承認を受けていませんが、その後、ディベロッパーに見積依頼(request for proposal)をして、これを実現させてくれる開発業者を見つけることになります。
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