Youtubeで不動産コラムをながら聴き

3年ぶりのIREM(全米不動産管理協会)グローバルサミット

 私は、2002年からIREMの秋季コンフェレンスで毎年通訳をしてきました。IREMジャパンが出席しなかったのは、2001年、911で皆さん旅行を控えたときと、2020~2021年のパンデミックのみです。2020年は、バーシャルで開催されましたが、時差の関係もあり、日本人出席者は少なく、21年はラスベガスで開催されましたが、日本からの参加者はいませんでした。

 世界中のメンバーと3年ぶりにお会いしたのですが、3年も会ってないと、やはり皆さん老けていて、ちょっと悲しくなります。そう言う私も他人ごとではありません。今回、登録会場でプロの写真家が無料でプロフィール写真を撮ってくれました。私のFBやLineの写真はもう6年前のものですので、今回、新しい写真に変えようと思っています。

 日本からは、私も入れて17名が参加しました。IREMとは長いお付き合いですが、IREMジャパン創設当初の方は、一人も来られませんでした。IREMジャパンがこれだけ成長している一つの理由は、若い指導者に早くバトンタッチできたからではないかと思います。権力者がいつまでも居座っているような団体はダメですね。私もそろそろ通訳の後継者を探さなければなりませんが、その前にAIに仕事を取られてしまうかもしれません。

 会場は、テキサス州ダラスのヒルトン・アナトール。これがバカでかいホテルで、ホテル内を歩くだけでいい運動になりました。アジア、特にインドの美術品が至る所に展示されており、ちょっとした美術館のような感じです。

物件ツアー

 サミットの目玉は、海外参加者向けの物件ツアー。以前は、米国内の会員も参加できたのですが、あまりにも人数が多いと、現場で物件の説明をすることが困難であるばかりか、入居者やテナントも大迷惑。最近は海外会員のみで、大型バス1台分です。

 今回の物件はヴィレッジ・ダラスと言う総合開発です。何と120万平米の土地に7,200戸のアパートがあり、ホテルやレストラン、小売店なども完備。開発した会社が、4件の工芸品店以外、すべて自社で経営しており、ホテルやレストランなどの従業員もディベロッパーの社員で、全部で600人。こんな巨大物件がダラスのダウンタウンからわずか10キロほどの場所にあるのですから、驚きです。ワンルームから3LDKまで、さまざまな間取りで、お家賃は$1,200~6,000。

ジャパン・フォラム

 今年から、ジャパン・フォラムが始まりました。IREMには海外支部がいくつもありますが、一つの国に複数の支部ができると、IREMカントリーになります。IREMカントリーになると、グローバル・サミットでその国のためのフォラムが設けられるのですが、本来ならもっと早く始まるはずでした。パンデミックで日本が参加できなかったせいもあり、今年初めて開催されたわけです。

 IREMジャパンの要請で、AMO(Accredited Management Organization)認定不動産管理会社のマーケティングに関するプレゼン、と言うよりほとんどQ&Aでした。AMOは、優秀だと認められる不動産管理会社に送られる栄誉ある称号です。認定をうけ、この称号を付与されているのは、世界中で520社、うち日本では10社のみで、認定のために設けられた高い基準が、不動産オーナー、投資家など、クライアントからの高い信頼へと繋がっています。

 米国では、投資家がAMOに管理してもらうことを投資条件にする、あるいはAMOが管理することによってローンや保険の条件がよくなることもあると言うほど、知名度のある称号です。残念ながら日本ではまだまだ知られていません。それをどのようにマーケティングするかと言うのは、簡単なことではありませんが、まずはAMOの会社にとって価値あるものにしていくことが大切だと言う結論でした。

 不動産管理会社は、不動産を管理しなければならないだけでなく、会社自体の管理もしなければなりません。人材不足、IT化、事業継承など、各社が様々な問題を抱えています。まずは、それらの問題解決につながるベストプラクティスを提供することが、AMOと言う称号の価値の向上に繋がると言うことです。

来年ハワイでパシフィック・コンフェレンス

 最後に、韓国とハワイ支部の方たちと話し合い、数年前沖縄で開催したようなパシフィック・コンフェレンスを再開しようと言うことになりました。残念ながら、中国は政府の厳しい規制により、外国団体の支部は消滅です。まだ決定ではありませんが、ホノルルで開催する予定です。2023年3月23日が物件ツアーとセミナー、24日はハワイ支部のゴルフトーナメントに参加させてもらうことになりそうです。

 日本支部も韓国支部も、お金がなくて開催は困難とのことでした。ところが、米国の支部は会費以外の収入が多いのです。ゴルフはハワイ支部会員の間でも大人気で、いつも売り切れるそうです。それは、不動産管理会社にサービスを提供している会社がスポンサーになり、ほとんどのホールで食べ物やドリンクを提供してくれるからです。この参加費がハワイ支部一番の資金源だそうです。日本支部もゴルフ大会はやっていますが、見習うべき…?

23年のサミットはトロント

 サミットは、毎年、40名以上の会員が参加し、観光もかねて皆さん楽しんでおられます。来年はトロントで開かれ、日程は10月10~13日です。2020年、カナダのシェリル・グレイさんが海外初の会長になり、サミットもトロントで開かれる予定だったのですが、コロナでバーチャル開催となりました。来年はそのリベンジ開催です。皆さんも今からカレンダーに予定を入れておいてください。会員でなくても参加できますのでご興味のある方はIREMジャパンか私にご連絡ください。

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3年ぶりのIREM(全米不動産管理協会)グローバル・サミット
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