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モノ言うコンド理事に報復:$60万で示談

 2カ月前、「ハワイのコンド所有者には不利な条件が山積み」というブログで、高級コンドであるホクアの訴訟について述べました。その結果が出ましたので、ご報告します。私は以前、訴訟の通訳をすることがよくありましたので、ある程度は知識があります。ほとんどの訴訟は示談で終わりますが、これも例外ではありませんでした。ギリギリまで待って、被告が折れたようです。

 まず、訴訟の内容をおさらいしましょう。ホクアは、カカアコの高級コンドラッシュの先駆けでした。理事の多くがホクアの開発に関与した人たちで、親密な関係にありました。このような高級コンドでは、開発関係者がその一室を購入するということはよくあります。最近完売したと思いますが、アラモアナショッピングセンターの向かいのルネッサンスは、関係者がペントハウスをすべて購入しました。それはいいのですが、開発関係者が理事の大半を占めと、問題が起こりやすいかもしれません。

 組合理事のブラウン氏は、他の理事たちの利益相反に抗議しました。その一人、ギルド氏の叔母が経営するインテリア・デザインの会社に、入札はしませんでしたが、理事会が承認して$8,500の仕事を依頼しました。後で実際は$22,500以上の支払いをしていたことが発覚したのです。理事会はそのことをブラウン氏に秘密にしていたのですが、ばれてしまい、追及した彼は理事の役職から降ろされてしまいました。

 2017年に、理事会がモノ言うオーナーや理事に報復することを禁止する法律ができ、それに基づいて、ブラウン氏は理事たちを訴えました。今回初めてその法律が適用されるかもしれないと期待されていたのです。市民団体コクア・カウンセル会長ライラ・モーウァー氏は、今回その判例が出て、報復があったと証明するためにどのような証拠が必要であるかを裁判所が明らかにすることを期待していたが、示談になり判決が出なかったので残念だと述べています。

 示談の額は公表されていませんでしたが、$60万だったことが報道されました。4人の理事が個人的に支払うのではなく、組合の重役責任保険から支払われることになると思われます。しかし、これによってホクアの理事会の重役責任補償の保険料が上がることは必至で、それを支払うのは個々のオーナーということになります。

 ホクアは、私が会員であるIREM(全米不動産管理協会)のAMO(認定不動産管理会社)であるハワイアナ管理会社が管理しています。ハワイアナのデュエイン・コミネ管理士も被告人の一人です。彼は、ARM(認定居住系管理士)の称号を受けていますので、IREMの倫理委員会にかけられるかもしれません。

 ただし、示談には、通常非を認めないという条件が付いていることが多く、コミネ氏は、何らかの非があったということはたぶん、少なくとも認めてはいないと思います。また、訴訟をするときは、できるだけ被告人を増やし、より多くの被告人から賠償金を取れるようにするということが多いのです。コミネ氏は、それに巻き込まれただけかもしれません。また、ハワイアナ管理会社が賠償金の一部を負担したかどうかは報道されていません。

 皆さんも、コンド購入時には、係争中であるかどうか、また過去の訴訟履歴を調べてください。また、別荘として購入する場合、理事は地元の人が多いので、居住していないオーナーにとっては不利な規則を設けることもあります。組合規則をちゃんと読むことをお勧めします。

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