正味遺産額から基礎控除を引いて、残った額に相続税がかかります。正味遺産額とは、
遺産総額-(被相続人の債務、葬式費用、非課税財産)=正味遺産額
遺産総額には、生命保険金や死亡退職金などのみなし財産も含まれます。死亡前7年以内に贈与した資産も遺産総額に含まれます。これに関しては、令和5年までと6年以降の取り扱い方が異なりますので、13. 相続時開始前7年以内の贈与額組戻しをお読みください。
相続時精算課税制度を利用した場合は、年数に関係なく、最初に利用した年以降のすべての贈与額を遺産総額に含めますが、贈与があった年は、110万円の控除もあります。詳しくは、22. 相続時精算課税をお読みください。また、住宅取得資金非課税処置(詳しくは19. 住宅取得資金贈与)や配偶者への居住用不動産贈与の2000万円までの控除(詳しくは23. 居住用財産贈与の配偶者控除)の制度を利用して贈与された財産は、加算されません。
控除額には、法定相続人の人数に関係なく控除される定額控除額と、人数に応じて増える比例控除額があります。定額控除額は3000万円で、比例控除額は、法定相続人一人につき600万円です。法定相続人が配偶者と二人の子供であれば、基礎控除額は、
3000万円+(600万円×3)=4800万円
この場合、正味遺産額が4800万円以下であれば、相続税はかかりません。
民法上、養子の数に制限はありませんが、基礎控除額の計算に入れるのは、実子がいる場合は養子一人まで、いない場合は二人までです。また、孫が養子になって相続し、相続税がかかる場合、20%加算されますが、子供が亡くなっていて孫が代襲相続をする場合は加算されません。20%余分に払ってでも孫に遺贈するメリットは、相続が1回で住み、場合によってはその方が相続税が安いからです。
20%の加算は、1親等以外の血縁者以外が相続する場合に適用されます。兄弟は2親等ですので、法定相続者である場合でも加算されます。孫は2親等ですが、上記の通り、代襲相続の場合は、子の代わりに相続しますので、加算されません。
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