ハワイ、特にオアフ島(ホノルル)で「空いている部屋を留学生に貸して、国際交流しながら収入も得たい」と考えたことはありませんか。あるいは、お子さんをハワイのホームステイに送り出そうとしている親御さんもいるかもしれません。
実は、私も以前6LDKの大きな家に住んでいた時は、購入したその日から留学生を受け入れ、14年後に引っ越す直前まで、家族だけで住んだことは一日もないと言うほど、たくさんの方を受け入れて来ました。子供は3人ですので、4LDKで十分だったのですが、ホームステイを頼まれることは分かっていましたので、大きな家にしたのです。
「ホームステイ」という響きは、温かい家庭的な交流を連想させます。しかし、ホノルル市の法律という冷徹なメガネを通すと、それは単なる「違法な短期宿泊ビジネス」に見えてしまう可能性があることをご存知でしょうか。2025年現在、全米でも最も厳しいと言われるホノルルの短期賃貸規制。今回は、ホームステイを取り巻く「法的な落とし穴」と、それでも安全に運営・滞在するための「正攻法」を徹底解説します。
1. 衝撃の事実:「ホームステイ」という法律用語は存在しない
まず、最も重要な誤解を解きましょう。多くの人が「観光客向けの民泊(Airbnbなど)」と「教育目的のホームステイ」は別物だと考えています。しかし、ホノルル市の土地利用条例(LUO)には、「ホームステイ」というカテゴリーは存在しません。
市当局にとって、あなたの家に泊まるのが「ハワイ観光に来たカップル」であろうと、「英語を勉強しに来た大学生」であろうと、30日未満(最新条例では90日未満)でお金を払って泊まるなら、それはすべて「短期賃貸(Short-Term Rental)」とみなされます。つまり、「教育目的だから」という理由で、住宅街での短期受け入れが特別に許可されるわけではないのです。
2. 「30日」と「90日」の狭間で:今のルールはどうなっている?
ホノルルの規制はここ数年、目まぐるしく変わっています。現状を整理すると、以下のようになります。
- 基本ルール(条例上): 住宅地(Residential Zone)での最低賃貸期間は90日です。これより短い期間で貸すことは、原則として違法です。
- 例外(司法判断): 以前から運営していたホストに対しては、裁判所の命令により30日以上の契約であれば取り締まれない状態が続いています。
【結論】
もしあなたが住宅街(ワイキキなどのリゾートエリア以外)に住んでいるなら、「最低でも30日以上の契約書」を結ばない限り、留学生を受け入れることは法的に極めて危険です。1週間や2週間の短期留学受け入れは、残念ながら「違法」となる可能性が高いのが現実です。
3. 税金の落とし穴:「学生なら免税」の真実
ここで話がややこしくなります。「土地の法律(ゾーニング)」と「税金の法律」で、学生の扱いが違うのです。
土地の法律(市)
- 学生だからといって特別扱いはない。
- 短期(30日/90日未満)なら違法。
税金の法律(州)
- ここだけ特例があります!
- ハワイにはホテル税(TAT/OTAT:合計約13.25%)がありますが、「フルタイムの学生(学校からの証明書あり)」を受け入れる場合に限り、このホテル税が免除されます。
注意点:
免除されるのはあくまで「ホテル税」だけです。収入に対する一般消費税(GET:4.5%)は、相手が学生であっても必ず支払う必要があります。「ホームステイの謝礼は経費の足しだから無税」と勘違いしていると、後で痛い目を見ます。
4. これからの「正しいホームステイ」のあり方
では、ホノルルで合法的に、かつ倫理的にホームステイを行うにはどうすればよいのでしょうか?
ホストファミリー向けアドバイス
- 「30日ルール」を死守する: たとえ学生が2週間しか滞在しなくても、契約書上は30日間部屋を確保し、30日分の家賃をもらう形にするのが最も安全な「防衛策」です。
- GETライセンスを取る: 年間の収入が少なくても、ハワイ州への税務登録(GETライセンス)は必須です。
- 人数制限: 留学生を一度に何人も受け入れていませんか。血縁のない他人を6人以上住まわせるのは違法です。また、下宿として受け入れている場合は、3人以上、また6人以上で異なるライセンスや要件があります。それらを満たしていない場合は、原則二人までです。
留学生・エージェント向けアドバイス
- 「短期」ならコンドミニアムか寮へ: 1ヶ月未満の短期プログラムの場合、住宅街のホームステイは違法リスクが高まります。合法なリゾートエリア(ワイキキ等)の物件か、大学の寮などを手配するのが賢明です。
- 契約書を確認する: ホストとのトラブルを避けるため、契約期間と税金の取り扱いが明記されているか確認しましょう。
まとめ:ルールを知って、安心な国際交流を
ホノルルの規制は、「観光公害から住民の生活を守る」ために作られたものです。残念ながら、その網に善意のホームステイも引っかかってしまっています。しかし、「30日以上の長期滞在」を基本とし、「適切な納税」を行えば、今でもホームステイは素晴らしい体験を提供できます。ルールを正しく理解し、グレーゾーンを避けることこそが、持続可能な国際交流への第一歩です。
免責事項:本記事は2025年後半時点の情報に基づいています。ハワイの法規制は頻繁に変更されるため、実際に行動する際は必ず専門家や最新の公式情報を確認してください。
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