「家のビデオを撮ってアップロードするだけで、勝手に改装案を作ってくれたらいいのに」
これは、もうSFの世界の話ではありません。2025年現在、米国市場ではこの夢のようなワークフローを実現するAIエージェントが次々と登場しています。しかし、気になるのは「で、それっていくらかかるの?」という点でしょう。今回は、単なる画像生成にとどまらず、「動画」を理解し、「間取り」を測り、「コスト」まで弾き出す、驚くべき米国の最新AIツールたちを、リアルな料金プランと共にご紹介します。
1. 「施工まで丸投げ」したいなら:Skipp
もしあなたが、「提案だけでなく、実際に工事まで完結させたい」と考えているなら、Skipp は最強のエージェントです。
- 何ができる?
専用アプリで家の中をスキャン(動画撮影に近い体験)するだけで、LiDARセンサーとAIが壁の寸法から配管の位置までを正確に把握します。LiDARセンサーとは、レーザー光を対象物に照射し、その反射光を解析して距離や形状を三次元的に計測するセンサーです。その後、AIが数千ものデザインルールに基づき、最適なキッチンやバスルームのレイアウトを自動生成し、SKU(在庫管理単位)レベルの正確な見積もりまで提示してくれます。
- 気になるコストは?
- 住宅所有者: 基本的にアプリ利用料はかかりませんが、リノベーションプロジェクトの総工費(キッチンで $35,000〜)に含まれる形でサービスが提供されます。
- プロ向け: 工務店などがシステムとして導入する場合、Enterpriseプランは月額 $1,799.99(約27万円)と高額ですが、設計スタッフを一人雇うよりは安価です。
2. 「いくらかかるか知りたい」なら:Handoff
「デザインより先に、現実的な予算感が知りたい」という場合は、見積もり特化型AIの Handoff が最適です。
- 何ができる?
現場を歩きながら撮影した動画ファイル(MP4やMOV)をそのままアップロードするだけで、AIエージェントが映像内の天井高、窓の数、素材などを解析し、自動的に工事の「見積もり」と「作業範囲記述書(SOW)」を作成します。
- 気になるコストは?
- 月額プラン: $149/月(約2.2万円)
- 年払い: $119/月(年間約$1,428) 6
- 少し高く感じるかもしれませんが、数日かかる見積もり作業が数秒で終わるため、プロにとっては「爆安」の投資です。7日間の無料トライアルもありますので、個人の方はこれを利用するといいでしょう。
3. 「見た目を激変させたい」なら:REimagineHome & Renovate AI
「難しい図面はいいから、とにかくおしゃれな改装イメージが見たい」という場合は、視覚重視の生成AIツールが活躍します。
- REimagineHome
- 何ができる? 写真をアップロードし、「スカンジナビアン風にして」と伝えるだけで、AIが家具や内装を総入れ替えします。
- コスト:
- Essential: $14/月(30枚生成まで)
- Optimal: $29/月(200枚生成)
- Renovate AI
- 何ができる? スマホアプリで完結。「スナップ・スタイル・トランスフォーム」の3ステップで、手持ちの部屋の写真が瞬時に生まれ変わります 9。
- コスト:
- 年額プラン: $49.99/年(約7,500円) 10
- 週額課金($9.99)もありますが割高なので、リノベ期間中だけ使うなら年額プラン一択です。
4. 「図面が欲しい」なら:CubiCasa
「リノベ業者に渡すための、正確な今の図面がない!」という問題を解決するのが CubiCasa です。
- 何ができる?
アプリを起動して家の中を歩き回る(動画を撮る)だけで、翌日には正確な寸法入りの2D平面図が届きます。米国では、売買で間取りを作ってくれることがほとんどありませんので、改装だけでなく、家を売りに出すときにも使えるアプリです。
- コスト:
- Liteプラン: 米国内ならなんと 無料(単純な2D図面)
- Plusプラン: $15/件(家具配置や固定設備込み)
- CADデータ(設計ソフト用)が必要な場合は追加で $35 かかりますが、それでも測量士を呼ぶより圧倒的に安上がりです。
5. 「相談相手が欲しい」なら:GeminiかChatGPTなど
特定のアプリを使わずに、汎用AIに相談するのも一つの手です。
- 何ができる?
長回しのルームツアー動画をアップロードして、「この部屋の動線が悪いんだけど、どう改善したらいい?」と聞けば、論理的なアドバイスを返してくれます。
💰 結論:全部でいくらかかる?(おすすめテックスタック)
では、ユーザーのタイプ別に「最強のAIリノベセット」を組んだ場合の合計コストを試算してみましょう。
パターンA:賢いDIY施主セット(3ヶ月プロジェクト)
自宅のリノベを自分で計画し、業者に的確な指示を出したい人向け。
- デザイン: Renovate AI (年額) = $49.99
- 図面作成: CubiCasa Plus + CAD = $50.00 (1回分)
- 合計: 約 $100(約15,500円)
たった1.5万円ちょっとで、プロ並みの図面と無数のデザイン案ができるAIアシスタントが手に入ります。数百万円のリノベ工事で失敗しないための「保険」と考えれば、破格の安さです。
パターンB:プロの工務店セット(年間運用)
業務効率化を目指す一人親方や小規模事業者向け。
- 見積もり: Handoff AI (年払い) = $1,428
- パース作成: REimagineHome Optimal (年払い) = $348
- 記録・図面: CubiCasa & Polycam (従量/年額) = $1,500 (想定)
- 合計: 約 $3,300/年(月額換算 約$275)
月4万円のコストで、見積もり作成やパース制作といった「事務作業」をAIに丸投げできます。これで空いた時間を現場や営業に使えば、投資対効果(ROI)は計り知れません。
まとめ
「AIエージェント」と聞くと高価なシステムを想像するかもしれませんが、実は個人なら数万円、プロでも月数万円で、最先端の「動画からリノベ提案」技術を利用できる時代になっています。まずは、スマホ一つで始められる Renovate AI や CubiCasa から試してみてはいかがでしょうか?
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