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2025年、オアフ島の住宅市場が語る「2つの物語」:年末データから見えた4つの意外な真実

 オアフ島の不動産市場は、常に複雑で多面的であり、その動向を正確に読み解くことは容易ではありません。しかし、ホノルル不動産協会(Honolulu Board of REALTORS®)が発表した2025年の年末データは、市場が一つの方向に進んでいるのではなく、非常に興味深く、そして相反するトレンドを示していることを明らかにしました。

 この記事では、買い手と売り手の双方が2026年を見据える上で知っておくべき、最も驚くべき4つの重要なポイントを掘り下げて解説します。これらのデータは、一見安定しているように見える市場の裏で、何が本当に起きているのかを浮き彫りにします。

1. 2つの市場の出現:戸建てとコンドミニアムで明暗が分かれる

 2025年における最も顕著なトレンドは、戸建て住宅とコンドミニアムの市場がそれぞれ異なる道を歩み始めたことです。年間データを見ると、この2つのセグメント間には明確な乖離が見られます。

 2025年通年の主要な統計データは、この対照的な状況を物語っています。

  • 販売価格中央値: 戸建て住宅の価格は年間で3.5%上昇し、1,139,000に達しました。一方、コンドミニアムの価格は1.5%下落し、507,250となりました。
  • 販売戸数: 戸建て住宅の販売戸数は3.5%増加しましたが、コンドミニアムの販売戸数は1.1%減少しました。
  • 在庫物件数: 12月末時点で、戸建て住宅の在庫は前年比で5.9%減少しましたが、コンドミニアムの在庫は12.3%と大幅に増加しました。

 このデータが示すのは、典型的な需要と供給のシナリオです。戸建て市場では、供給の少なさが価格を下支えしています。一方で、コンドミニアム市場では在庫の増加が売り手にとってより競争の激しい環境を生み出し、買い手にとってはより多くの選択肢を提供していることを意味します。これは、パンデミック以降も続くリモートワークの普及により、より広い居住空間を求める需要が戸建て市場を支えている一方で、コンドミニアム市場では投資家心理の冷え込みや新築物件の供給増が影響している可能性を示唆しています。

2. 「忍耐」が新たなキーワードに:売り手にも買い手にも変化の兆し

 2025年の市場は、そのペースが著しく鈍化し、売り手と買い手の双方にとって力学が変化しました。物件が市場に出てから成約するまでの期間が長くなっており、この傾向はデータにもはっきりと表れています。市場のペースダウンを証明する2025年通年の「市場投入日数(DOM)」の中央値は以下の通りです。

  • 戸建て住宅: 市場投入日数の中央値は23日となり、前年比で21.1%増加しました。
  • コンドミニアム: さらに劇的に増加し、中央値は44日(前年比46.7%増)となりました。

 この変化を裏付けるもう一つの証拠が、「売出価格に対する成約価格の割合」です。

  • 2025年通年で、戸建て住宅の売り手は当初の提示価格の中央値で98.3%を受け取り、前年の99.0%から低下しました。
  • コンドミニアムの売り手は96.6%を受け取り、前年の98.0%から低下しました。

 これらの数値は、熾烈な入札合戦(ビディング・ウォー)が沈静化したことを示唆しており、買い手が近年よりもわずかに交渉力を持つようになったことを意味します。売り手は価格設定においてより現実的になる必要があり、買い手は性急な判断を避け、交渉の余地を探る時間的余裕が生まれたと言えるでしょう。

3. 年間トレンドとは裏腹に、12月は力強いフィニッシュ

 年間合計の販売戸数がわずか0.6%増とほぼ横ばいであったことを考えると、2025年12月の市場の力強さは特に際立っています。年末の最終月は、驚くほど力強い結果で年を締めくくりました。2025年12月単月の前年同月比での販売戸数は以下の通りです。

  • 戸建て住宅: 販売戸数は270戸となり、2024年12月と比較して18.4%急増しました。
  • コンドミニアム: こちらも360戸が販売され、11.5%の健全な増加を見せました。

 この年末の力強いパフォーマンスは、新年を迎えるにあたって市場の勢いや買い手の信頼感に変化が生じる可能性を示唆しているかもしれません。ホノルル不動産協会のレポートは、この状況を次のように要約しています。「オアフ島の住宅市場は、安定した住宅ローン金利の動き、変化する価格の手頃感、そしてコンドミニアム市場の状況の変化に形作られ、安定の兆しを見せながら2025年を終えました。」

4. 驚きの急騰:高級戸建て市場が活況を呈す

 市場全体が複雑な動きを見せる中で、一部のセグメントでは予想外の活況が生まれています。特に注目すべきは、最高価格帯の戸建て住宅市場です。

2025年12月のデータに焦点を当てると、この傾向は明らかです。

  • 価格が「$3,000,000以上」の戸建て住宅の販売戸数は、前年同月比で実に180%も増加しました(2024年12月の5戸から2025年12月には14戸へ)。

 他の価格帯ではまちまちな結果が見られたものの、この超高級市場は年末にかけて目覚ましい力強さを示しました。これは、富裕層の買い手が年の瀬にも非常に活発であったことを示唆しています。この価格帯の買い手は、金利変動の影響を受けにくい現金購入者や海外投資家が多く、市場の不確実性の中でも資産価値の高い不動産への投資意欲が依然として旺盛であることを物語っています。

まとめ

 2025年のオアフ島不動産市場は、単一の単純な物語ではなく、対照とニュアンスに満ちた一年でした。戸建て住宅とコンドミニアム市場の明確な分離、市場ペースの鈍化、そして力強い年末のフィニッシュといった重要なポイントは、市場の多面性を浮き彫りにしています。

 2026年を迎えるにあたり、重要な問いが残ります。これらの相反するトレンドは今後も続くのでしょうか、それとも一方の市場がもう一方を同じ方向に引き寄せ始めるのでしょうか。その答えは、今後数ヶ月の動向が示してくれることでしょう。

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オアフ島住宅市場:2つの物語
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