Youtubeで不動産コラムをながら聴き

米国に不動産を持つ方法

アメリカで不動産を買うための手順をご紹介します。


Step0.物件を探す

ハワイ・全米で不動産が欲しいと思った時は、日本と同じでまず物件の検索から始めます。英語に自信が無い方は、「不動産検索用語集」を見ながら検索してみて下さい。

米国不動産のWeb検索方法 不動産検索用語集

Step1.不動産エージェントを探す

アメリカで物件を探す場合、まずエージェントを決める必要があります。エージェントとは、買主のかわりに買主の希望に沿った物件を探し、売主側との交渉もしてくれる人を指します。
アメリカの不動産取引は、基本的に買い手と売り手にそれぞれエージェントがつくため、買い手のエージェントは買い手になるべく有利な契約になるように尽力してくれます。
そのため、「エージェントが管理している土地を買わされるのではないか?」などの利益相反の恐れはありません。
エージェントを選ぶ際は、「この人になら任せられる」と思えるような人間性と能力を持つエージェントを選ぶことをお薦めします。また、複数のエージェントに物件探しを依頼するのはやめましょう。これは顰蹙を買いますので、信頼できる人を一人選んでください。

Webでエージェントを探す方法はこちら
信頼できるエージェントの探し方

米国のエージェントに支払うコミッションについてはこちら
ハワイの売買仲介手数料の仕組み

Step2.ローンの担当者を探し購入予算を決める

エージェントが決まって一番初めにすることは予算の設定です。予算が決まらないとエージェントが物件を探し始めることも出来ません。予算は物件の購入方法によっても変わってきます。
アメリカでローンを組んで購入する場合は物件を探す前にローンオフィサーの審査を受けることになります。購入の申し込みをする際に売主側から、ローンの仮審査が通っていることを証明する書類の提示を求められることがあるからです。なお、仮審査が通っていても、必ずローンがもらえるわけではありませんので、ご注意ください。

Step3.エージェントとの打ち合わせ

予算が決まった後は、エージェントとどのような物件を探すのか具体的な条件を決めていきます。その際、購入額のみでなく、将来に売却しなければならなくなった場合なども考慮して物件を選択する必要があります。

Step4.物件の視察

エージェントと共に物件の視察を行います。主にチェックするポイントとしては、周辺環境の治安や利便性、騒音など、現地に行かないと確認出来ないことをあらかじめリストにしておくのも良いでしょう。部屋を見る際は、コンディションはもちろん、景色もチェックしておくべきです。

Step5.購入の検討

アメリカでは、購入条件をまとめ“Purchase Contract”と呼ばれる購入契約書を作成し、売主に提出します。これをアメリカでは「オファーを入れる」と呼びます。
日本で言うところの購入申込書にあたりますが、売主が申し込みを承諾した場合に契約書となる書類であるため、申し込みは慎重に行う必要があります。中間金の入金前までは、契約をキャンセルすることは難しくなく、初回金もほぼ間違いなく戻ってきます。
購入条件としては、主に手付け金の額、購入希望価格、支払方法などを売主は注意してチェックします。特に手付金に関しては、いくらという規定はありませんが、手付金の額は、買主がどれだけ真剣に購入を考えているかの指標としている場合が多いため、あまりにも少ない額だと購入を拒否されてしまうこともあります。

Step6.購入申し込み(購入条件)売主との交渉

購入の申し込みをした後、買主の出した条件に対して売主からの返答がきます。
返答の種類は

  • ACCEPT(承諾)
  • REJECT(拒否)
  • COUNTER OFFER(売主が買主に対して条件を提示すること)

の三種類です。
COUNTER OFFERが合った場合、買主側と売主側との間で交渉が行われます。

Step7.売買契約成立の後、エスクローの開設、第1次預託金の入金

買い手と売り手が双方合意した段階で、契約は成立となります。
ここで、エスクローという、州から認可を受けた第三者金融機関にて口座を開き、その口座に最初の手付金を入金します。日本でいう第三者預託に近いものになります。
エスクローは中立的な立場であり、不動産取引を公平にする事を業務としています。よって買い手と売り手の間で直接的に金銭の授受は行われず、必ずエスクローを通じて行うことになります。最終的に契約が締結されない限り、売り手に手付金などは行かないため、正当な理由で入金後に契約が破棄になった場合も手付金が返金されない恐れもありません。
正当な理由にはいろいろありますが、一番多いのはローンがもらえない場合です。誓約した売買契約の約2割はいろいろな理由で解約されます。どのような理由であれば解約できるかは、エージェントに確認してください。

Step8.物件調査等の後、第2次預託金の入金(以下の8と9は順不同)

エスクローの入金後、物件調査期間内に専門業者による物件の調査が行われます。この調査の対象は物理的なものです。調査にかかる費用は通常買い手が負担します。調査後に買い手は調査報告を受け、その内容に不満な場合、契約をキャンセルすることができます。その際、手付金などは返金されます。
検査内容を買い手が受け入れる場合、買い手は中間金をエスクローに入金しますが、中間金はない場合もあります。なお、この中間金の入金後は、契約のキャンセルをすることが難しくなるため、検査内容を受け入れるかどうかの判断は慎重に行ってください。

Step9.クリーニング、最終点検

中間金の入金後は、ローンが下りないなどの理由以外に、一般的に契約がキャンセルになることは考えられず、売り手は物件を売却するためクリーニングを行い(クリーニング費用は売主負担)、その後買主による最後の点検(ファイナルウォークスルー)が行われます。

Step10.残金の入金および譲渡書類のサイン

買い手および売り手が契約書に記載されている条件の全てが満たされている事を確認した後、買い手は残金(ローンの場合は残りの頭金)をエスクローに入金します。
その後、買い手と売り手は譲渡書類および名義変更のための必要種類にサインをします。これらの手続きはすべて登記日の48時間前に行われる必要があります。

Step11.名義変更の登記

エスクロー会社が全ての入金および必要書類の確認をした後、登記所に登記を依頼します。登記完了後、エスクロー会社から通知が届くと、その日をもって買い手が物件のオーナとなります。最後に物件の鍵を受け取り、購入手続きはすべて完了となります。

Point
アメリカの不動産を購入する第一歩は、信頼できるエージェントを見つけることです。
ある程度の物件情報の収集は日本でも出来ますが、詳しい情報はライセンスを持っているエージェントでなければ手に入りません。
アメリカの場合、日本と違って取引の責任のほとんどはエージェントが負います。不動産会社を選ぶより、信頼できる個人(エージェント)を見つけることが大切です。