イースター:復活祭

タイでのボランティア活動

 私は、ボランティアですが、ハワイで牧師をしていますので、クリスマスとイースターくらいは牧師らしいブログを書きたいと思います。イースターというのはキリストの復活を記念する日で、聖書の時代の陰暦に基づいていますので、日付は毎年変わります。日曜日であることは変わらないのですが、今年はかなり遅くて、421日です。「イースターとは」という話をしても、そんなことはウィキペディアででも調べればわかりますので、私のボランティア活動を少しご紹介したいと思います。

 明るくなった少女との再会

私は、毎年、家族や教会その他のメンバーでタイにボランティア旅行に行っています。年末に行くことが多いのですが、去年の年末は忙しかったので、他のメンバーはその時期に行き、私と家内だけは3月に行きました。私たちがサポートしている養護施設の女の子が高校を卒業して施設を出るので、その卒業式に合わせて行くことにしたのです。養護施設は二つあり、一つは女の子専用(セーフハウス:人身売買の犠牲者になる可能性が高い子のための施設)で、こちらには男性は泊まれませんので、私たちはいつものように男女兼用の施設に泊めてもらいました。

日曜日の朝、礼拝に出るために教会に行ったところ、一人の小学生の女の子が、顔を合わせるたびに大きな声でハローと挨拶してくれます。タイの子供たちは、恥ずかしがり屋の子が多く、大声で、しかも英語で挨拶してくれる子など、今まで会ったことがありません。どこの子だろうと思っていたのですが、その後セーフハウスに行ったところ、何と彼女がそこにいたのです。

セーフハウスはあまり大きくはなく、12人の女の子が住んでいます。ほぼ毎年行っていますので、もちろん全員の顔は覚えているのですが、この子だけはあまりにも印象が変わっていたので、思い出せなかったのです。私が前回行ったのは1年半前ですが、そのとき、この子とこの子のお姉さんは、施設に入ったばかりでした。お父さんが亡くなり、お母さん一人で育てられないので、最初はバンコクの施設に入っていたそうですが、この田舎のメーソットの施設に移ってきたばかりでした。当時は、とても暗い雰囲気で、ぬいぐるみをめちゃくちゃにしてしまうようなこともあったそうですが、この1年半でこんなに明るくなって、驚きです。

  

何度も大声で挨拶してくれたCちゃん

仲の良いモン族の兄妹

もう一つ印象に残ったのは、男女兼用の養護施設の兄妹です。二人は少数山岳民族のモン族の出身で、モン族では、一人の男性が4人の女性と結婚することができるそうです。この二人は、ご両親とも亡くなっていたのですが、別のお母さんに育てられていました。妹が小学校に入るときに、この施設に入ったのです。この子たちも、私が前回行ったときに入ったばかりだったのですが、当時、妹はとてもやんちゃで、私はよく鬼ごっこの鬼役をさせられました。

しかし、今回は、二人とも随分おとなしくなっていました。少しお兄ちゃん、お姉ちゃんになって、人見知りするようになったのでしょう。お兄ちゃんは、元々体格が良かったのですが、ますます頼もしくなって、何も言われなくても自主的に進んでやる良い子に育っていました。男女兼用の施設は、食事などは一緒にしますが、寝るのは別棟で、男の子用の建物の前には、直径10メートル以上もある池があります。ある日、彼はその中に入って行って、岸にうっそうと生えていた草木をなたで切り倒し、上級生に助けてもらって岸の上に引き上げていました。特にそうする必要はないのですが、随分きれいになりました。


後ろ側がお兄ちゃん。その後ろはすでに引き上げた雑草の山。

ある日、ちょっと印象的なシーンを目撃しました。この二人は、いつも長く並べたテーブルの中ほどに向かい合って座って、食事をしています。テーブルの上に置いたお兄ちゃんの手に、妹の手がゆっくりと伸びていきます。手をつなごうとしているのです。私たちに見られていると気付いた彼女は、さっと手を引いてしまいました。

S君は、この養護施設を卒業し、大学を出ました。タイは徴兵制で、もうすぐ6か月の兵役があるのですが、それまでこの施設に住みながら、子供たちの世話を助けています。タイ人には珍しく色白で、とてもハムサムです。その彼が気を利かせて、妹の手を取り、お兄ちゃんと手をつながせました。照れる二人。微笑ましい兄弟です。

左が妹さん。来学期から3年生。他に小学生がいないので、ちょっと寂しいかも。

施設は定期的な寄付を求めています

今年は、高校を卒業して施設を出る子が3人もいます。また、中学を卒業する子も多く、そのほとんどがそれを機会に里に戻ることになりました。二つの養護施設にいる28人中9人が施設を出ることになったのです。家庭の受け入れ態勢が整ったということですので、決して悪いことではありませんが、ちゃんと高校に行くのだろうかという心配はあります。

それに伴い、来年度(8月)から何名新しく受け入れるかを決めなければなりません。以前は、家族親戚と直接話し合って決めていたのですが、軍が政権を取ってから養護施設の規制が厳しくなり、最近は、政府に人数を伝えるだけで、誰が入るかは政府が決めるようになったそうです。しかし、寄付で成り立っていますので、予算を建てて、何名受け入れるか決めるのは困難です。特に男女兼用の施設は寄付が不安定で、年末に息子たちが行った時も、今回も、差し当たって必要な寄付をしましたが、定期的にこの養護施設をサポートしたい方がいらっしゃったら、ご連絡ください。現在16名住んでいますが、全経費が月6万バーツ、約21万円必要です。建物は大きいので、寄付さえあれば、人数を増やすことは可能です。