割引キャッシュフロー攻略⑩DCF(Discount Cash Flow)

DCF法とは

割引キャッシュフロー(DCF攻略という題でシリーズを続けてきましたが、ここまで来てやっとDCFが出てきました。それは、貨幣の時間的価値と、ディスカウント、つまり割引を勉強してからでないと、理解できない概念だからです。簡単に言うと、DCFとは、投資から受け取る将来すべてのキャッシュフローを現在の価値に割り引いたら、いくらの価値になるかという計算です。そのようにして投資の価値を計算するのがDCF法です。

今までのDCF攻略はこちら

 

では、簡単な例を見てみましょう。今までの計算は、PMT定期的支払)が同じ額でしたが、不動産投資のキャッシュフローは、毎年額が異なります。ですから、今まで使った金融電卓では計算できないのですが、最初は、計算を簡単にするために、金融電卓でできる範囲のものをやってみましょう。いつものローン計算ができる金融電卓のサイトを開いて、実際に入力しながら読んでください。

金融電卓サイト

NOI(PMT)から導く現在価値

1億円の物件を現金で買って、毎年5年間1千万の営業純利益(NOI)があるとします。投資家の期待利回りが10%なら、このNOIの現在価値はいくらですか。この場合は現金で買いますのでNOIがキャッシュフローになります。nが5i10PMT1千万、PV(現在価値)をクリックすると、-37,907,868円と出ます。マイナスで出ますが、それは、出ていくお金だからです。このNOIに投資するとすれば、この値段で買えば10%の期待利回りを達成できるということです。ちなみに、この計算においては、この物件を1億円で購入したことは関係ありません。今のところ、売却手取金を計算に入れないで、NOIのみのPVを計算しただけです。

売却額(FV)から導く現在価値

それでは次に、同じく1億円の物件を現金で買って、5年後に1円で売れるとします。投資家の期待利回りが10%なら、この売却額のみの現在価値はいくらですか。nとiはそのままで、PMT0FV1億と入力し、PVをクリックすると、-62,092,132円になります。これが、5年後の1億円の、期待利回りつまり割引率が10%の場合のPVです。では、これら2つのPVを合わせるといくらになるでしょうか。-37,907,868と-62,092,132を足すと、-1億円になります。毎年のキャッシュフローが1千万円で、5年後に1億円で売れる物件の全キャッシュフローのPVは、割引率が10%なら1億円になる、ということです。

FV、PV、割引率の関係

では、次の例を見てみましょう。1億円の物件を買って、営業純利益はありませんが、5年後に161,051,000円で売れます。投資家の割引率が10%なら、この物件の現在価値はいくらですか。nとiは同じで、FV161,051,000と入力してPVをクリックすると、1億円と出ました。そこで問題です。もし、ある投資家がNOIのない物件を1億円で購入し、5年後に売るとして、期待利回りが10%なら、いくらで売れないと期待利回りを達成できないでしょうか。もうお分かりだと思います。答は161,051,000円です。あるFVをある割引率で割り引いて出たPVを、同じ割引率、つまり期待利回りで複利計算すると、元のFVに戻ります。