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ハワイ住宅売買〜オファーから契約まで〜:ペナルティ無しで解約可

今日は、ハワイの戸建てやコンドの売買契約を、どのような理由があれば解約できるかを解説します。まず、オファーからどのように契約に至るかを説明し、その後の解約事由となるローン、点検、開示、シロアリ、測量、組合書類、事前権限報告書、電気製品や家具、リースなどについて説明します。

ハワイで不動産を買う第一歩

 ハワイで不動産にオファーを出すときは、契約書を使います。こういう契約をして欲しいということを全部書いて、売り主に渡すわけです。契約書は、ハワイ州の統一されたものです。本文はすでに印刷してあり、数字や言葉を書き入れなければならない空欄や、該当するものに印をつけてある箇所だけ見れば、どういう内容かわかります。

売主は、それにサインすることによって、オファーを受け入れます。気に入らない点があれば、オファーを拒否することもできますし、それを書き換えてカウンターオファー(反対申込)を出すこともできます。その場合、買主は、それでよければサインしますし、気に入らなければ、拒否するか、カウンターオファーのカウンターオファーを出します。最終的に両者がサインすれば、それがそのまま売買契約書になり、成約するわけです。

ですので、ハワイでは、契約がスタート地点だと考えてください。特定の物件に興味を持つ買主が、不動産エージェントから「では契約しませんか」と言われて、ずいぶん気の早いエージェントだと思うことがあるかもしれませんが、契約しませんかというのは、オファーを出しませんかというのと同じことです。

しかし、そう簡単に契約して、後で気が変わったらどうしようと思われる方は多いでしょう。そこで、今日は、どのような理由があれば解約できるかを、解説します。

契約を解約出来る理由

①ローン

解約の理由の中で多いのが、ローンが出なかったということです。日本に住んでおられる方は現金で購入なさる方が多いと思いますが、ローンを借りて購入なさる場合は、ローンが出ることを契約の条件にしておけば、それで大丈夫です。しかし、例えば3%の金利のローンがもらえると思っていたのに、実際にもらえたのは4%の場合、3%以下のローンがもらえることを条件にしていないと、解約はできませんので、ご注意ください。

②家の点検

これは、通常買主がプロのホームインスペクター(家屋調査士)を雇って行います。費用は住宅の大きさ次第ですが、数百ドルです。これは、通常契約してすぐにやります。契約書の文言では、買主は、どんな理由であろうと、拒否して解約することができます。何か問題があれば、仮に売主が現状で売るということを条件にしていたとしても、修理を要請することはできます。してくれない場合は、クロージング(契約完了)の決算で、修理にかかる費用を差し引いてもらうよう要請するか、解約することができます。

③売主の開示

これは、5ページもある文書で、百ほどの質問があり、売主は、それらの質問に対し、イエス、ノー、知る限りノー、非適用という四つの答から選ばなければなりません。非適用というのは、例えば、戸建ての売買なのに、質問がコンドにしか当てはまらない内容である場合などです。解約は、この書類を受け取ってから何日以内にしなければいけないかが、契約に書いてあります。

この開示は、後で追加されることがありますし、売主からの開示がなくても、買主が、物件の価値に影響を与える問題を発見した場合は、解約できます。

④シロアリ調査

買主が業者が選び、費用は売主が出します。生きたシロアリが見つかった場合は、売主が駆除します。シロアリによる被害が大きい場合、それが物件の価値に影響を与えるほどであれば、解約できますが、売主がそう認めない場合は、問題になりえます。

⑤測量

費用を払うのは売主で、不法拡張・侵入(エンクローチメント)があると、解約の理由になります。一番多いのは塀ですが、15センチまでは問題になりません。それ以上の場合は、売主に侵入しているものを取り払ってもらうか、侵入先の土地のオーナーから合意書をもらいますが、それができない場合は、解約することができます。ちなみに、ハワイの戸建ての過半数は、何らかの不法拡張がありますので、見つかっても、驚かないでください。

⑥組合の書類

コンドや、戸建てでも組合がある団地にある場合は、その組合の書類を売主が費用を出して、買主に送ります。これには、建築申告書(デクラレーション)、内規、ハウスルール(規則)、財務報告書、保険、最近の理事会議事録、プロジェクト(コンド)・インフォメーション・フォーム(管理士が書くもので、訴訟や特別徴収があるかなど)などが含まれます。これを読んで、何か問題があれば、解約できます。

考えられる解約事由としては、訴訟係争中であること、賃貸する場合の最低リース期間が長いこと、大規模修繕のために通常の共益費以外に特別徴収(アセスメント)する予定があること、ペット・ポリシー、自分のユニット内での禁煙など、様々です。また、これらの文書は、日本人オーナーが多いコンドでは、翻訳されている場合もありますが、基本的に全部英語ですし、理解できなければ、専門家に読んでもらうことをお勧めします。

⑦プレリミナリー・タイトル・レポート(事前権限報告書)

これは、売主が実際にその物件のオーナーなのか、抵当や先取特権はないかなどを調べた報告書です。売主がローンを借りていることは問題ないですが、例えば、増築工事をしたときに業者に工事費を全額払っておらず、建築工事の先取特権があるかもしれません。このような場合は、通常、売主の売却手取り金から支払われますので、問題ありませんが、解約することもできます。

⑧電気製品や家具

珍しいですが、どの電気製品や家具をつけて売るかも、解約の理由になることがあります。通常、取り付けてあるものは家の一部とみなされ、それ以外にも、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機などは、付けたまま売ります。しかし、バケーション・レンタルをしている物件などは、家具付きで売ることが多いです。何をつけて売るかのリストを見て、それが気に入らなければ、解約できます。

⑨リース

賃貸されている物件は、リース契約書を見て、気に入らないことがあれば、解約できます。また、バケーション・レンタルをしている物件は、購入後の予約を見て、解約できますが、どちらもまれです。

正当な理由があれば解約可能だが、注意が必要

 ずいぶんたくさんあり、圧倒されたかもしれませんが、それだけ、解約事由は多いということです。要は、正当な理由があれば、解約することができますので、心配する必要はありません。ほとんどの項目は、契約してから早い時点で起きます。なお、このリストを見るときに、一定の条件がそろわないと解約できないものと(売主が正当な要請に応えない場合など)、一方的にできるものがありますので、ご注意ください。

正当でない理由で解約する場合は、手付金が戻ってこない可能性があります。手付金は、エスクロー(第三者預託)が預かっていますので、売主だけの一方的な言い分でそれを売主に支払うことはありません。手付金の額は決まっていませんが、購入価格の1%くらいです。あまりに少ないと、真剣なオファーではないと思われるかもしれませんし、最近は売り手市場ですので、手付金が少ないオファーは不利になります。

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ペナルティーなしで解約可:ハワイ住宅売買オファーから契約まで
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