ホノルル・ボード・オブ・リアルターズ 2021年6月オアフ島住宅市場統計
今日は、2021年6月のホノルル・ボード・オブ・リアルターズの住宅市場統計を、グラフや表を見ながら解説します。取引戸数、中央値、成約までにかかる日数、新規売り出し物件数、在庫、売出価格と実際の売却額の比率、人気地域などについて説明し、私個人の予想を簡単に述べたいと思います。
コンドの取引数が回復
売買取引数は、前年度の6月と比べて、戸建ては49.3%増、コンドはなんと134%増えました。去年の6月と言えば、パンデミックで春にいったん取引が激減し、回復し始めた時期ですので、去年と比べてもあまり意味がないかもしれませんが、以下のグラフを見てもわかるように、特にコンドは2004~2005年の記録的な時期とほぼ同レベルです。
1987年からの取引数の推移(緑が戸建て、黄色がコンド)
戸建ての中央値は、先月の記録を更新し、$979,000、コンドは$460,000で、2019年7月の最高記録$461,500に迫る勢いです。
1987年からの中央値の推移
成約までにかかる日数は、戸建てが8日でタイ記録、コンドは11日で、新記録です。
過去2年間の成約までの日数の推移
新規売り出し物件は、戸建てが前年比で23.0%、コンドが31.1%増えましたが、去年はパンデミックで減りましたので、2019年レベルに戻っただけです。
過去2年間の新規売り出し物件の推移
在庫は、戸建てが1.2か月分、コンドは2.1か月分しかありません。バランスの取れた市場は、5~6か月と言われています。戸建ての場合、売りに出た物件が1カ月ほぼ全部売れるという計算になります。モノの値段というのは、需給のバランスで決まりますので、現在の急騰は、この数値が一番の要因だと思います。こんなに急に上がると、バブルがはじけて下がるのではという不安がありますが、ハワイに限らず、米国は慢性的な住宅不足です。
過去2年間の在庫の推移
戸建ての57.7%は売出価格より高く売れており、コンドは32.9%です。これは、価格帯の中央が多く、戸建ての場合は売出価格より高く売れた物件の57%が$60万~100万、コンドは67%が$40万~70万でした。
売出価格の何%で売れたかの過去2年間の推移
戸建てがよく売れているのはホノルル市内(空港からワイキキまで)とダイヤモンドヘッド地域(ダイヤモンドヘッドからハワイカイの手前まで)あたりで、年累計でそれぞれ84.4%と76.2%増えました。コンドも、市内が79.4%増えています。
この1年の推移をみると、パンデミックのせいでコンドの人気が落ちましたが、ホノルルは先日第5段階(最後の段階で、それが終われば通常に戻る)に入り、過去2-3か月、やっとコンドの値段が上がり始めました。戸建ては上がりすぎて多くの住民の手に届かなくなっており、これからはコンドが上がるのではないかというのが私の予想です。
戸建て中央値・97.9万ドルはこんな物件
ところで、中央値とは、売れたすべての物件を高い順に並べてちょうど真ん中に来る物件の価格です。6月は451戸売れたわけですので、ちょうど真ん中とは、226番目の物件で、その物件の値段が$97.9万だったわけです。オアフ島の中央値の家がどのような物件か知りたいというリクエストがありましたので、その物件のリンクを張っておきます。
https://propertysearch.hicentral.com/HBR/ForSale/?/202109076
$84.9万で売りに出した物件ですが、10日後に$97.9万で売れました。カネオヘのずっと北の方にあるカアアヴァという田舎です。3LDKで、家自体は107平米で小さいですが、36平米のラナイ(ベランダ)があり、敷地は965平米です。築50年近い物件ですが、写真で見る限り、状態は良好で、ハワイらしいすごく素敵な家ですね。もちろん、もっと市内に近い場所であれば、同じ$97.9万でも、状態や近隣がそれほど好ましくないものが多くなります。
コンドの中央値・46万ドルの物件まとめ
コンドの方は、中央値の$46万で売れた物件が23戸もありましたので、それらすべてをまとめたリンクを張っておきます。ワイキキの51平米の1LDKから、パールリッジの103平米の3LDKまで、色々です。
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