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大家さん向けローンが市場攻略

 今日は、米国でDSCR(債務回収比率、返済倍率とも呼ばれる)ローンが増えていることをご紹介します。これは、DSCRローンを出しているドミニオン・ファイナンシャルがスポンサーになっている記事ですので、ドミニオンの宣伝広報と考えてください。

米国の「サラリーマン投資家」

 米国では、私のような小規模の不動産投資家が多いです。と言うより、中流階級が富を築くために最もよく使われるのが小規模不動産投資だと言って、差し支えないでしょう。日本でも、「サラリーマン不動産投資家」が増えていますが、米国ではそれが当たり前ですので、そんな言葉はありません。

 統計的にも、不動産の直接所有が資産を増やす最も有効な方法であるという結果が出ています。一生に自宅を6~7回買い替える米国人は、旧自宅を売らないで、貸して新居を購入することもよくあります。

 このような投資家は、通常LLC(有限責任会社)を作って物件を所有します。何等かの事故で賠償責任を負った場合、個人的にその責任を負わなくても良くするための策です。投資対象となる物件は1~4戸のものが多いです。その一つの理由は、色々な意味で、戸建てと同じ扱いを受けるからです。

https://dominionfinancialservices.com/rental-loans/?inmanarticle

DSCRローンとは?

 ローンは、通常、地銀で調達しますが、パンデミックでDSCRローンの金利も下がり、そのシェアが増えてきました。DSCRとは、debt service coverage ratioの頭文字で、DCR(debt coverage ratio)と呼ばれることも多いです。日本語では、債務回収比率とか、返済倍率と呼ばれ、営業純利益が年間借入返済額(ADS)の何倍あるかを意味します。LTV(借入金割合)同様、貸出限度額の計算に使う指標です。

 例えば、$100万の物件を購入するとしましょう。ドミニオンのLTVは75%ですので、貸出限度額は$75万($100万×75%)です。30年ローンで、金利は現在4.5%だそうですので、毎月の支払いは$3,800.14になります。ドミニオンが要求するDSCRは1.2ですので、$3,800.14×1.2=$4,560.17の営業純利益(NOI)がなければならないことになります。家賃収入から運営費を引いた営業純利益が、例えば$4,200だとすると、$75万のローンは借りられないということになります。

 つまり、キャップレート(NOI÷物件価格)が5.47%($4,560.17×12÷$1,000,000)以上なら75%のLTVでローンが出るということです。NOIの計算方法は、必ずしも統一されているわけではありませんが、表面利回りで7%くらい必要でしょう。ハワイでは難しいでしょう。

 では、いくら借りることができるのでしょうか。営業純利益の$4,200÷1.2=$3,500の支払いであれば大丈夫と言うことですので、逆算すると、$690,764.06借りると、ちょうど毎月の支払いが$3,500になります。実際にはこんな端数を借りることはないと思いますので、$69万借りることができるという計算になります。

 このローンの良いところは、投資家の年収は関係ないということです。節税効果のある不動産投資の申告はかなり複雑で、課税所得は申告書を見ると分かりますが、実際のキャッシュフローを計算するのは大変です。しかし、このローンであれば、実際の営業純利益か、類似物件の家賃査定で予想した営業純利益に基づいてローンの審査をしますので、審査期間が短くて済みます。

 年収は関係ありませんが、信用度は調べます。米国では、信用調査を瞬時に調べることができ、ドミニオンのローンには最低680点必要で、通常の住宅ローンとほぼ同じです。また、通常の住宅ローン同様、リコースローンです。つまり、不履行になった場合は、担保である不動産を差し押さえられるだけでなく、足りない分は個人的に支払い責任を持ちます。

通常の住宅ローン

 通常のローンが投資に向いていない最大の理由はDTI(debt to income)で、負債の支払額が収入全体に占める割合です。例えば、ファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)のDTIは最高50%で、借りようとしているローンの支払いだけでなく、その他既存のローンの支払いも含まれます。さらに、固定資産税、保険、コンドの場合は共益費も含まれます。

 銀行によって審査方法は異なりますが、一例をあげましょう。税引き前の年収$12万の世帯が、旧居を貸し、新居を購入して入居したいとします。月収は$1万です。DTIが50%なら、全債務の毎月の支払いが$5,000以下でなければならないということです。前例と同様、$100万の物件を購入するとしましょう。投資不動産ではありませんので、金利は少々安く、4%だとしましょう。その他の条件を同じにするために、LTVは75%だとしましょう。

 毎月の支払いは$3,580.61です。固定資産税や保険を足して$4,000だとしましょう。住宅ローン以外に債務がなかったとしても、旧居のローンの支払いが$1,000以下でなければなりませんので、新居のローンを借りることは困難です。

 このように、自宅をローンで購入した人が、2戸目を買うとき、二つのローンの支払いが収入全体に占める割合を計算します。しかし、その時点ではまだ家賃収入がありませんので、計算に入れることができません。DSCRローンなら、物件自体に支払い能力があれば、ローンを借りることができるのです。

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大家さん向けローンが市場攻略
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