一昨晩のテレビニュースによると、アロハスタジアムが大変なことになりそうです。今年の1月にアロハスタジアムが新しくなるというブログを書きましたが、それが怪しくなってきたのです。スタジアム局によると、イゲ知事が、NASED(New Aloha Stadium Entertainment District)、新アロハスタジアム・エンターテイメント地域と見積依頼をキャンセルすると言い始めたのです。
「この2年間、$2,000万費やして計画して、三社のファイナリストも選んだというのに、それをまたゼロからやり直すということになれば、予定が遅れるだけでなく費用もかさみます。」(民主党グレン・ワカイハワイ州上院議員)
テレビ局がイゲ知事の知事室に問い合わせたところ、知事のシンディー・ミラー広報担当官は、こう述べたそうです。
「(イゲ)政権は、現在、今年のアロハスタジアムに関する法の制定に伴い、デューデリを行っているところです。我々は、大学のスポーツ・プログラム、ハワイ大学のファン、ハワイ州のために、実行可能な行動指針を開発することを決意しています。」
答になっていませんが、州立のハワイ大学とどういう関係があるのかと思われる方もいらっしゃるでしょう。アメリカの大学では、アメリカンフットボールが一つの大きな財源になっています。ハワイ大学のフットボールは、2008年にシュガーボール(フットボールのチャンピオンを決めるための試合の一つ)に出て以来、右肩下がりです。その時はその一試合で$440万支払ってもらい、経費その他を差し引いて$220万の純利益がありましたが、現在は経済的に苦しく、特にコロナになってからは大赤字です。
ハワイ大学はアロハスタジアムで試合をしていたのですが、去年の私の誕生日、2021年5月18日に、危険だという理由でスタジアムが使用禁止になりました。そこで、構内のクラレンスT. C.チン運動総合施設に観客席を増設して試合が行われることになったのですが、2021年は、コロナで観客数が制限されていましたので、問題ありませんでした。
米国の大学のスポーツチームには、格付けがあり、ディビジョン1が最高位です。フットボールチームのディビジョン1要件によると、ホームゲームの観客数の過去2年間の平均が、15,000人以上でなければなりません。しかし、構内の施設では全然足りないのです。来年さらに席数を増やして現在の9,300から17,000席にする予定ですが、17,000人しか入れないのであれば、平均で15,000人を達成するのは難しいでしょう。
と言うわけで、アロハスタジアムはハワイ大学にとって欠かせない施設なのです。そこで、今年の7月7日、イゲ知事はNASEDのために$4億の予算を確保したばかりでした。$3.5億は、DBEDT(Department of Business, Economic Development and Tourism)、ビジネス経済開発観光局が負担し、残りは、スタジアム開発特別ファンドから出る予定でした。その時にイゲ知事が何と言ったかと言うと、
「このプロジェクトに適切な資金が確実に投入されるようにしたいのですが、DBEDTとの新しい体制ができました。スタジアム局もDBEDTに移ると思いますので、これが新しいパートナーになって、これから協力してハワイ大学のフットボールをサポートしていくことになります。
ハワイ大学の卒業生として、また誇りあるファンとして、エキサイトしています。議会がスタジアムの費用を全額支援するのはこれが初めてで、レインボー・ウォリアーズ(ハワイ大学チームの愛称で「虹の戦士」の意味)の偉大な素晴らしい拠点を作れることを、非常に喜んでいます。
資金はDBEDTの予算に充てられます。手順を踏んで、大学と協力して、次のステップを考えます。できるだけ早くスタジアムを建設する確約ができることを切望しており、今、初めてその資金が調ったのです。
ところが、今年で任期がもう終わるという時期になって反転するとは、どういうことなのでしょう。スタジアム局は、何もそんなこと聞いてなかったので、皆さん同様驚いているところだそうです。
「彼が何をしようとしているのかはちょっとわかりません。彼はこのプロジェクトをハワイ大学の方にパントしようとしているのかもしれません。ハワイ大学がそれをどのようにレシーブするかは分かりませんが、今はこんなことを急にするべき時ではありません。」(民主党グレン・ワカイハワイ州上院議員)
フットボールのことをよくご存じない方のために解説しましょう。オフェンス(攻撃)が相手チームのディフェンス(守備)に攻撃を止められると、ボールを蹴って相手チームがそれを受け、攻守交替します。蹴ることをパント、受けることをレシーブと呼びます。つまり、イゲ知事は、恩恵を受けるのはハワイ大学だから、大学にもっと資金を捻出させようとしているのかもしれないということです。
NASEDによると、RFP(request for proposal)見積依頼は今月末に送られ、2023年に契約し、来年の末には開発が始まる予定だったそうです。果たしてどうなることやら。
このブログを動画でチェック