Youtubeで不動産コラムをながら聴き

第3四半期オアフ・オフィス市場、稼働率上昇:コンバージョンで在庫減

 コリアーズ・インターナショナル・ハワイの報告によると、第3四半期はリースされたオフィススペースが増え、空室率が減りました。稼働スペースは155,072平方フィート(14,407平米)増えて、空室率は第2四半期の14.18%から12.85%に減り、3四半期ぶりに13%を切りました。

Positive Net Absorption(正の正味吸収)

 「その結果、2022年前半に増えた空室面積のほとんどがこの四半期の正の正味吸収で埋まりました。第3四半期末で、年累計の正味吸収はマイナス1,139平方フィート(106平米)です。」(コリアーズ・インターナショナル・ハワイ)

 正の正味吸収は、リースされた面積が退去した面積より大きい場合に発生し、負(マイナス)の正味吸収はその逆です。報告によると、ほぼすべての副市場、すべてのクラスで、需要が増えています。Central Pacific Plaza, 677 Ala Moana, Waterfront Plaza, Airport Center, Ala Moana Pacific Center, Pan Am Building, Harbor Courtが正の正味吸収の126,000平方フィート(11,706平米)以上を占めています。しかし、オフィスの在庫は減り続けています。

 「10年ほど市場は停滞していましたが、その上にCovid-19のパンデミックが来襲しました。その結果、オフィスのオーナーは、経済的ハードルを乗り越えられず、市場の実績は着実に減退していきました。それを止めるため、多くのオーナーは用途の変更を検討したのです。」(コリアーズ・インターナショナル・ハワイ)

Multi-tenant building(マルチテナントビル)

 2019~2021年は、金利が低く、オフィス市場が下落しましたので、十分な資本を持つテナントが、285,000平方フィート(26,477平米)以上のマルチテナントビルを購入しました。貸しビルを購入して自社で使うことによって、空室の多かったいくつものオフィスビルが在庫から除外され、空室率が下がっています。

Conversion(用途変更)

 そのほかのオフィスオーナーも、物件の再開発を検討しており、2022~2023年に、75万平方フィート(約7万平米)のオフィススペースがコンバートされるかもしれません。

 「2019年から2023年にかけて、オアフのオフィス在庫は、最高1,035,000平方フィート(96,155平米)、総オフィス市場の7.5%が減るかもしれません。オフィスをほかの用途にコンバートすることは、不況市場の良いバッファーになるかもしれません。」(コリアーズ・インターナショナル・ハワイ)

 ダウンタウンのDavies Pacific Centerと810 Richards Streetビル、カカアコの250 Ward Avenueの物件も、コンドにコンバートされるかもしれません。そうなると45万平方フィート(約41,800平米)近くのオフィススペースが消滅するかもしれません。既に1132 Bishop Streetビルは、The Residences at Bishop Placeにコンバートされました。これらのコンバージョンがなければ、オフィスの空室率はもっと高くなっていたでしょう。

 「このトレンドは続くと思います。しかし、オフィスのコンバージョンが続くと、今はオフィススペースが余っていて、(コンドを)新築するより安いですが、オフィスとして運営した方が、収益が高くなるときが来るはずです。」(コリアーズ・インターナショナル・ハワイのアレキザンダー・ピーチ氏、KITV4ニュースのインタビューより)

 コンバージョンは、コンドとは限りません。去年、ブログに書きましたが、ダウンタウン、ビショップ通りのレミングトン大学ビルは、マリオット・ホテルにコンバートされる予定です。ワイキキのはずれにある1833 Kalalauaビルもコンド・ホテルになるかも。なんとWaikiki Galleriaもホテルになるかもしれません。

Future Demand(将来の需要)

 第3四半期のオフィス市場は改善されましたが、コリアーズは、市場の回復はまだまだ不明確で、いろいろな問題ではっきりしないと述べています。

 「人材募集やハイブリッド・テレワークの導入などの問題で、将来のオフィス市場の需要は未だに大きな不明点が残っています。」(コリアーズ・インターナショナル・ハワイ)

このブログを動画でチェック

第3四半期オアフ・オフィス市場、稼働率上昇:コンバージョンで在庫減
元サイトで動画を視聴: YouTube.