3か月前、オアフ工業系の空室率が1%を切るだろうと言うブログを書きましたが、果たしてその通りになりました。コリアーズ・インターナショナル・ハワイの報告によると、2022年第4四半期の空室率は0.81%で、過去最低です。
第4四半期の正味吸収は239,502平方フィート(22,250平米)で、年累計では324,007平方フィート(30,101平米)です。現在空き物件は57件しかありません。カリヒ(ダウンタウンと空港の間)の吸収が最も多く、第4四半期だけで103,160平方フィート(9,584平米)でした。
空室が減るにつれ、家賃は第3四半期の平方フィート当たり月$1.27から$1.48に上がり、16.5%の急騰です。これほど家賃が上がれば開発が進むのではないかと思うでしょうが、現在売りに出ている工業用地はたったの4件で、大規模な開発はできません。また、仮に再開発に適した工業系物件が多いカリヒ地域に売り物件が出たとしても、市街地に近いため、土地が高いのです。平方フィート当たり$90~200もしたのでは、家賃が$1.50取れても採算が合いません。
この好況は、言うまでもなくeコマースと、それに伴う物流専門会社や運輸会社の需要が原因で、パンデミック後も衰えることはないでしょう。コリアーズは、23年の空室率は0.7~1.5%と予想しています。噂されている不況の影響はないと言う予測です。連邦政府はインフラ整備の予算を組んだばかりで、州政府も設備投資を進めるとみられますので、不況になっても、長くは続かないだろうとの予想です。
2022年は、268,815平方フィート(24,974平米)の吸収があり、第4四半期の空室率は、5.54%まで下がって、パンデミック前のレベルを下回りました。報告によると、2022年の吸収の大半がウィンドワードモールのターゲットと、パールシティー・ショッピングセンターのHマートの開店で、この二つだけで165,000平方フィート(15,329平米)です。需要が増えたおかげで、2年続けて家賃も上がり、$4.43で、過去2年間で6.2%の上昇です。
しかし、コリアーズによると、最も驚くべきことは売り上げの上昇で、2022年7月の時点で、年累計は前年比17.3%の上昇でした。インフレが7%としても、売り上げはパンデミック前のレベルをはるかに上回っています。
将来の懸念は、インフレによる買い物習慣の変化と、予測されている不況です。オンライン購入は、パンデミック中より減ったものの、インフレの影響で、店舗より安い商品をオンラインで探すようになるのではないかと懸念されます。もし不況になれば、空室率は上がると予想されます。
オアフのオフィス市場はここ数年コロナの影響で波乱含みでしたが、何とか持ちこたえているようです。報告によると、2022年第4四半期の吸収はマイナス1,537平方フィート(143平米)で、空室率は12.85%から12.9%に上がりました。年累計では、1年前の空室率は12.71%で、1,461平方フィート(136平米)の負の吸収でした。2019年末の空室率は9.93%で、オフィス市場は過去3年間で占有面積が24万平方フィート(22,300平米)以上減りました。
オフィスから居住系やホテルなどへのコンバージョンも市場に大きな影響を与えました。現在再開発中の1132ビショップは、Aクラスの高層オフィスビルを居住系賃貸物件にすると、2019年に発表されました。それによってビルのオフィス面積196,378平方フィート(18,244平米)が消滅し、テナントは他のビルに移転しました。コンバージョンによる供給の減少で、パンデミックのショックを和らげることができたわけです。
23年は、不況になると予想されており、その分需要が減って稼働面積が減ると思われます。しかし、他にも750,064平方フィート(69,683平米)のコンバージョンが予定されており、23年の空室率増加を防ぐことになります。
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