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IREMパシフィック・コンフェレンス:外国人向け住宅・投資ローン

 コロナでしばらく開催できなかったIREM(全米不動産管理協会)パシフィック・コンフェレンスが3月23~24日にホノルルで開催されました。このコンフェレンスは、環太平洋地域のIREM支部の交流を図るもので、第1回大会は沖縄で開かれました。今回は、ハワイ支部のゴルフトーナメントの日程に合わせて開かれ、日本から14人、韓国から3人出席しました。残念ながら、中国は、法律が変わって外国の団体に対する規制が厳しくなり、支部を閉鎖せざるを得ませんでした。

 開催前日、ちょっとしたハプニングがありました。日本人参加者が8名、カポレイ・ゴルフ・クラブでプレーしたのですが、すぐ後ろのグループの様子が変です。ずいぶんたくさんの人がいるのですが、プレーをしているのは二人だけ。こちらが次のホールに行っても、なかなか打って来ません。 弊社の河野社長が手招きして打って来いとシグナルしても、ずっと待っています。
 口笛を吹いて注意をひいたところ、何人かがカートに乗ってやってきて、何か怒っている様子。このグループには英語のできる人がいなかったので、何を言っているのかわからなかったのですが、プレジデントがどうのこうのと言ってたそうです。どこかの大会社の社長さんかなんかがゴルフしているのかと思ってよく見ると、何とオバマ元大統領ではありませんか。オバマ大統領かと聞くと、知らないと答えたそうです。後でゴルフ場の従業員に聞いても、知らないの一点張り。

外国人向けローン

 セミナーには色々なトピックがありましたが、その中でたぶん皆さんにとって最も役に立つと思われるものをご紹介します。日本人がハワイで物件を購入する場合のローンです。テラトリアル・セービングス銀行がこのコンフェレンスのスポンサーになってくださり、会場も銀行の会議室を使わせていただきました。この銀行は、外国人向けのローンを出していますので、ご紹介します。
 テラトリアルは、ほとんどの物件のローンを出していますが、例外がいくつかあります。借地権物件、他島物件、コンドテルは出せません。借地権物件とは借地の上に建てた物件です。他島物件とは、オアフ島以外の物件です。コンドテルとは、トランプタワーなどの区分所有のホテルです。これらの物件に関しては、申し込みだけテラトリアルでして、実際のローンは他の金融機関に外注します。
 テラトリアルが出すローンは30年で、貸出限度額は購入価格か鑑定価値どちらか低い方の60%までです。個人でも法人でも構いません。他行にローンを外注する場合は、30年か15年の固定金利、あるいは最初の3年、5年、7年、10年が固定で、その後変動型になる30年ローンがあります。貸出限度額は購入価格か鑑定価値どちらか低い方の50~70%です。


個人で申し込む場合に必要な書類
1) 直近2年源泉徴収票
2) 直近1ヶ月給与明細書
3) 直近2年個人確定申告書(第一表、不動産青色申告書、不動産リスト)
4) 直近2年法人確定申告書(別表1、4、決算報告書・自営業の方)
5) 月次損益計算書、貸借対照表(自営業の方)
6) 所有不動産に対するローン返済スケジュール表
7) 不動産ローンの返済記録12ヵ月分(預金通帳のコピー 表紙及び該当ページ)
8) 所有不動産の固定資産税納付書もしくは請求書
9) 所有不動産の火災地震保険証
10) 所有不動産の管理費(マンションの場合)
11) 頭金、諸経費、支払い余力を示す財産証明(直近2ヶ月預金通帳のコピーもしくは明細書)
12) 預金通帳や明細書に給与以外の高額入金がある場合:その入金に対する追跡書類(出金記録)
13) 手付金の出金記録(エスクロー会社に送るデポジットが出金されている記録)
14) 不動産ローン以外の借入金残高および12ヵ月分支払い記録
15) ポスポートコピー
16) 母方旧姓:セキュリティー質問
17) その他

法人で申し込む場合に必要な書類
1) 個人でローンを申し込むときの必要書類全て
2) 定款、履歴事項全部証明書、物件購入及び不動産ローンに関する決議書(代表者の指名) 日本語及び英訳
3) ハワイ州商業消費者局(DCCA)に法人登記,
4) 連邦雇用主番号(Federal Employer Identification Number)
5) DCCA発行の存続証明書(Certificate of Good Standing)


注意事項

  1. 売買契約に進む前に全てのローン審査必要書類を準備しておきましょう。外国人がローンをもらう場合は、通常より少し時間がかかります。売主はできるだけ早く売りたいので、契約をしてからもたもたすることがないように、ちゃんと準備しておきましょう。
    法的連絡人の指名(Legal Representative) 2名 ハワイ在住18歳以上成人・2名ともアメリカ市民もしくは1名はアメリカ市民、もう1名は永住権保持者でも可。これは、もし将来不履行になって銀行が差し押さえをしなければならなくなった場合など、外国に住んでいる所有者と連絡を取るのが困難であることが多いからです。連帯保証人ではありませんので一切の債務はありません。債務者と連絡が取れなくなった場合に連絡を取る努力をしていただく事、それでも連絡が取れなければ代理人として法的な書類の受け取りを代行します。通常地元不動産エージェントやブローカー、公認会計士やご友人にお願することが多いです。
  2. 目的に合わせたローンプログラムの選択 
  3. 金利の選択時期の確認。ローンが下りるまで2カ月ほどかかりますが、金利は頻繁に変わります。どの時点で金利を確定するかを決めてください。
  4. 証明できない現金は頭金、経費、支払い余力として使用不可 (マネーロンダリング、テロ対策)。出所のわからない現金を頭金として使うことはできません。
  5. 妻名義の財産を夫名義の投資用物件購入に使用できません (共同名義にする必要があります)。

Frequently Asked Questions
Q: 台所のない物件のローンは組めますか?
     A: 組めません。 ローンの承認対象はフルキッチンが付いている物件に限ります。フルキッチンとは、冷蔵、冷凍が2室に分かれている冷蔵庫、4つ以上のストーヴトップとオーブンがあるレンジ、普通サイズの流し台があることが条件です。
Q: 借地に建てた物件のローンは組めますか?
     A: 提携銀行を経由して組めます。 ただし借地権年数によりローンの返済期間が設定されますので年数が短ければ毎月の支払額が高額になる可能性があります。 通常借地権年数から5年を引いた年数がローンの最長返済期間になります。
Q: 高齢でも30年ローンは組めますか?
     A: 組めます。 ローンを借りる方の年齢、性別は一切不問です。90代で30年ローンを借りた方もいらっしゃるとのことです。
Q: 退職しているので収入が年金や個不動産収入などで定職はありませんがローンは組めますか?
     A: 組めます。 もちろん収入によってローンの限度額はかわります。
Q: 新聞やウェブサイトに載っている金利と実際にもらえる金利が違いますがどうしてですか?
     A: 公示されている金利は基本的な政府保証ローンの条件に合う金        利ですが、お客様に提示される金利は個々のローンの条件によって変わります。公示されているものが間違いというわけではありませんが、実際に提供できる金利は諸条件により異なります。
Q:   法人名義でローンは組めますか?
     A: 組めます。 会社設立概要書、定款(Articles of Incorporation)、履歴全部証明書、住宅購入に関する決議書(Corporate Resolution), 直近2期分の確定申告書〔別表1、4)、直近2期分決算報告書が必要です。それに加え、ハワイで法人登録後、Federal Tax ID numberとCertificate of Good Standingをご提出ください。但し、基本的にローンは個人保証が必要ですから法人の主な株主、代表者の個人の収入及び財産証明も提出していただくことになります。書類が多くなる為その確認の時間が必要となり通常の個人のローンの承認期間より日数が掛かる旨ご了承ください。 
Q: 登記まで何日掛かりますか?
     A: 通常60日ぐらいかかります。日本で書類にサインをして公証を受ける場合、公証の予約や国際郵便に時間が掛かりますので65日みていただくのが良いでしょう。 お客様がすばやく対応してくださると時間短縮がより可能になります。
Q: 日本から頭金を送金しますが贈与税などの課税はどうなりますか?
     A: 申し訳ありませんが税金に関するご質問にはお答えすることが出来ません。 会計士や税理士など専門家にお尋ねください。
Q: 円建てローンはありますか?
     A: 通常アメリカの銀行では扱っておりません。
Q: 早期返済、繰り上げ返済のペナルティはありますか?
     A: 一切ペナルティはありません。 

 家探しを始める前に、ローンが出るかどうか、また貸出限度学を確認してください。その上で、購入できる範囲内の物件を探すようにしましょう。コンフェレンスのスポンサーになってくださったテラトリアル銀行に感謝します。テラトリアル銀行は、日本語だけでなく、多くの外国語のできるスタッフがそろっていますので、通常なら何千ドルもかけて翻訳しなければならない提出書類を、翻訳する必要がありません。
 なお、金利はセミナーが開かれた3月23日の時点で住宅ローンが5.5%、投資ローンが5.75%です。これは、地元の人が借りる場合に比べて0.25%高いだけです。住民が借りてもこれ以上の金利を払わなければならない銀行もありますので、非常に良い条件ではないかと思います。

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