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ハワイで違法建築を合法にする手続きをして$20万儲けた件

 2024年5月28日火曜日、ハワイ州の住宅難を緩和するためのいくつかの新法が承認されました。アパート・ゾーニングの密度、つまり容積率を上げ、オフィスビルからマンションや分譲マンションへのコンバージョンに関しても、今までの規制を緩和します。

 最も注目されたのは、戸建てにADU(Accessory Dwelling Unit)を2戸まで認めることを、各郡に義務化させるというものです。現在は1戸までしか認められていません。ADUとは、付帯住居という意味です。離れの場合もあれば、建て増しする、あるいは既存の戸建てを二つに分けて、母屋とADUにすることもあります。

 通常、このようなゾーニング(建築規制)に関する条例は、郡で決めるのですが、新法では、州が郡に対して、ADUを2戸まで認めなければならないと命じたわけです。郡の条例は、急に変えることはできませんので、ハワイの各郡がこの新法に沿って条例を改正するには、数年かかると思われます。細かいことは、その時に郡が決めることになります。

 いつもブログで述べることですが、米国の住宅街が整然としているのは、何平方フィート当たり1戸という厳しい規制があるからです。マイホームのオーナーは、ADUが乱立して景観が損なわれること、交通量や路上駐車が増えることなどを嫌います。また、ADUは多くの場合他人に貸しますので、家を買えない人、つまり比較的収入の低い人が近隣に増え、街が騒々しくなったり、犯罪が増えたりすることを恐れます。

 何十年も前のことですが、私は、ヘルピング・ハンズ・ハワイという非営利団体で働いていたことがあり、その所長が、現連邦上院議員のブライアン・シャッツ氏でした。彼は、法案の署名イベントで、近隣にもっと多くの住宅が建つようになるので、そのつもりでいるようにと、心の準備を州民に促しました。たとえそれが美しくないとしても、「住宅はどこかに建てなければならない。近所の美観よりも重要なことがある。」と述べています。

 景観だけでなく、家の値段が上がるという反対意見もあります。建て増ししたら、家の価値が上がるのは当然です。しかし、改装によって元の家を母屋とADUに分ける場合でも、今まで1戸だったのが2戸になるわけですので、家の価値が上がって、ますます買えなくなるというのです。

 これを実際にやったルーク・エブスリン議員は、こう反論しています。彼は、一部を賃貸していた違法建築の家を購入し、その違法の部分を合法のADUとして許可してもらう手続きをしたのです。「合法のユニットにすることによって、私の家はたぶん$20万くらい価値が上がったと思います。でも、1戸当たりの値段は大幅に減りました。…$60万の戸建てが2戸で$90万になったのです。」

 $60万が$90万になったのであれば、上がったのは$20万ではなく、$30万だと思うのですが、その辺は追及しないことにしましょう。既に、ADUは1戸までは認められていますので、この新法の施行を待つまでもなく、彼は違法の部分を合法にする手続きをし、それだけで価値が$20-30万上がったのです。本当にそこまでは上がったかどうかは分かりませんが、例を一つ挙げましょう。

 例えば、戸建てのガレージを許可なしに改装して、賃貸していたとします。その家を売ろうとしても、元ガレージのユニットは許可がないので、銀行はそれがないものとして鑑定するでしょう。その査定額より高く売ることは可能ですが、住宅ローンの貸出限度額は、売値に基づいて計算するのではありません。鑑定価格に基づいて計算しますで、購入価格に占めるローンの割合が減り、その分、頭金が増えます。

 例えば、ちゃんと許可を取って改装していれば$120万の価値があるとします。改装した部分がないものとして鑑定して、$100万だったとしましょう。頭金20%のローンだとすると、ローンが$80万で頭金が$20万です。その物件が$110万で売れたとすると、買主は$30万の頭金を払わなければならなくなるのです。

 仮に買主が十分な頭金を持っていたとしても、許可されている場合と同じ値段で売れるということは通常ないと思います。また、銀行が鑑定をしてくれないことさえありますし、度が過ぎる違法建築だと、誰も買ってくれないこともあります。「違法」と言っても、あるべきでないオーブンがある、というだけの場合もあれば、あるべきでない建物が建っている場合もあり、その程度はいろいろです。

これは、オープンハウスのビデオでよく話す内容ですが、ここでもう一度ご説明しましょう。

 ハワイには、住宅難のせいか、二世代住宅として使える戸建てがたくさんあります。これは1戸とみなされ、台所は一つしかなく、キッチネットを別に設けて、二世代が暮らせるようになっています。

 キッチネットとは、フルキッチンと比べてオーブンなどがない小さなものです。よくあるパターンは、1階と2階を分けて使うというもので、外の階段から直接2階に出入りできるようになっていますが、屋内にも階段があり、つながっていなければなりません。

 これ自体、違法ではないのですが、キッチネットをフルキッチンにしてしまうことが多く、それは違法です。特に他人に貸す場合は、フルキッチンでないと借りてくれないので、そうするのです。フルキッチンにするのは簡単で、見つかる可能性も低いので、違法な状態で貸している人が多いのです。建てる時から、簡単にフルキッチンにできる状態にして建ててあることも多いです。

 たぶん、エブスリン議員は、そのような物件を購入し、正式にADUとして認めてもらったのだと思います。違法に貸しても見つかることはほとんどないし、ADUとして認めてもらう申請をしても、必ず認められるわけではありません。建築許可を取らずに行った改装などの場合、最悪、ADUとして認められないだけでなく、元に戻さなければならなくなることもあり得ますので、手続きをする人が少ないのです。

 エブスリン議員のこのコメントは、州が積極的にADUを認める姿勢であることを示しているのではないかと思われます。キッチネットは複数あっても構いませんので、一つの家を三つ以上に分けて貸していることもあります。そのような家を購入し、ADUを一つ、あるいは二つ認めてもらえれば、家の価値は上がり、合法的にフルキッチンを付けて、それらのADUを賃貸できることになります。

 今回の州の新法に基づいて、各郡でADUに関する新しい条例ができるはずです。現在のところ、敷地が5000平方フィート(465平米)未満であれば400平方フィート(37平米)以下の1LDK、5000平方フィート以上であれば、800平方フィート(74平米)以下の2LDKを建てられます。

 しかし、既存の規制は新条例で改正されるかもしれません。購入を検討している家の一部をADUにすることが可能かどうか、ADUを建て増しすることができるかどうかは、必ずエージェントに聞いてください。

 ハワイにお住みでない方が、母屋とADUを別々の人に貸すことは難しいかもしれません。母屋に親族や指定代理人が住んで、ADUを貸すことは、今のところ可能です。また、団地の規則がADUを許可していない場合や、下水処理のキャパなど、インフラが十分でない場合は、許可が出ませんので、ご注意ください。

 私は、2~4戸一物件が、戸建てを2~4戸別々に買うよりは値段が安く、家賃収入が多いので、そのような物件をよくオープンハウスで紹介しています。しかし、法律的には1戸だが、一部を貸している物件を購入し、合法的に2-3戸の物件にする方が、エブスリン議員のように、家の価値自体を短期間で上げることができるかもしれません。

 これからは、そのような物件もオープンハウスで紹介しましょうかね。それが目的で購入する場合は、短期ですので、ハワイに住んでいない日本人が購入しても、オーナー不在で賃貸する場合の規制はそれほど問題にはならないでしょう。

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違法建築を合法にする手続きをして$20万儲けた件:ハワイ州ADU2戸まで許可
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