相続財産には、以下が含まれます。
- 金融財産:現金、預貯金、債券、投資信託、株など。自社株や会員権も含まれます。
- 不動産:居住用や事業用の土地や建物だけでなく、借地権も含まれます。
- 動産:貴金属、骨董品、美術品、車、家財道具など。
- 債権:親族や自社への貸付金も含まれます。
- 事業用資産:自社の金融財産や不動産など以外に、会社の売掛金、未収入金、貸付金、在庫商品なども含まれます。
- その他:著作権、特許権
みなし財産
これら以外に、みなし相続財産と呼ばれるものがあります。主なものは死亡退職金、死亡保険金ですが、被相続人が例えば配偶者のために支払っていた生命保険の権利を引き継ぐ場合も、みなし相続財産になります。
同様に、被相続人が個人年金を受け取っており、その保証期間中に亡くなった場合、残りの期間については遺族が年金を受け取る、あるいは一時金を受け取ることがあります。これもみなし相続財産です。受け取る方法が複数ある場合は一番高い方法で受け取った場合の価額がみなし相続財産になります。
これらの財産は、被相続人の生存中はその財産ではありませんでしたが、被相続人に起因する財産ですので、相続財産とみなされるのです。しかし、被相続人の財産であったものがみなし相続財産とみなされることもあります。一つの例は、被相続人の財産を著しく安価で相続時に譲り受けた場合などです。その財産の評価価値と実際に払った金額の差額は、みなし相続財産とみなされます。相続時に借金を免除してもらった場合も同じです。
また、借入金や未払いの税金などの負の資産、仏壇仏具や墓石などの非課税財産については、「12. 非課税財産と遺産総額から差し引くことが出来るもの」で詳しく説明します。
登記義務
ここでついでに述べておきますが、令和6年4月1日から、相続や遺贈で取得した不動産は登記義務があります。期限は、取得したことを知った日から、あるいは分割協議の結果取得した日から3年以内です。正当な理由なく登記を怠った場合は、10万円以下の罰金です。
大切なことは、当期の義務化は令和6年4月1日からですが、それ以前に取得した不動産も登記義務があります。ただし、その期限は取得から3年後ではなく、この法律が施行された令和6年4月1日から3年後です。
その土地の価値が100万円以下である場合は、登記免許税は免税になります。また、相続人が登記する前に亡くなり、その相続人への登記をする場合も免税されます。
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