2021年6月23日に、CCIMのチーフ・エコノミストKCコンウェイ氏が、「第二次市場の復活」と題して、CCIM第2区(ハワイ、カリフォルニア、ネバダ、アリゾナ、ニューメキシコ州)の市場を占ってくれました。今日は、その中で、主にハワイ州に関する内容をお伝えします。人口、経済、年金負債、新法、パンデミックの回復状況などを解説します。
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ハワイ市場予想:CCIMチーフ・エコノミストKCコンウェイ
ハワイの人口
ハワイは、最近人口が僅かに減っていることが危惧されていますが、2010~2020の10年間で見ると、全国平均の7.4%とほぼ同じ7.0%の上昇率でした。今年、州の所得税が米国一になったこともあり、安心はできませんが、イリノイの-0.1%、また最近特に人口流出が多いカリフォルニア州ほどではありません。増えているのはユタ州(18.4%)、アイダホ州(17.3%)、テキサス州(15.9%)、ノースダコダ州(15.8%)、ネバダ州(15.0%)などです。
ハワイは金持ち州か貧乏州か
州のGDP、人口増減、雇用などに基づいて、過去10年間の経済成長をランク付けしたところ、ハワイ州は50州中42番目。全般的に見て、富の再配分にお金を使わない州、労働や投資などの生産的活動にかかる税金が少ない州ほど、ランクが高く、上位5州は、ユタ、フロリダ、オクラホマ、ワイオミング、ノース・キャロライナで、下位5州は、ニューヨーク、バーモント、ニュージャージー、イリノイ、ミネソタ州です。
ハワイの年金負債の状況
米国の多くの地方自治体では、公務員の年金負債が問題になっています。これもハワイ州は42番目で、必要な額の55%しかありませんが、ハワイにはハワイ人の教育のために作られたカメハメハ・スクールがあり、米国一リッチな学校と言われているのですが、その資金も入れると安全圏内です。最高はサウスダコタ州の99%、最低はニュージャージー州の36%です。
新法・その他の統計
去年、工業用大麻の栽培、加工、販売が合法化され、農家は、米国農務省から直接許可を受けることができることになりました。州政府を通さないことにより、州は$50万の経費を節約できます。
2020年7月1日から、1万平方フィート(930平米)以上の州の建物は、費用対効果の良い省エネ対策の導入が義務付けられ、建築には、ビルの二酸化炭素排出量を減らすための建材を使い、節水と省エネを図らなければならないことになりました。
州がどれほどビジネス・フレンドリーであるかのランク付けは、ハワイは38番です。高等教育や研究開発では37番、労災の保険料は38番、財政状況は47番で、どれもパッとしません。最悪なのが電気代で最下位。これは島国なので仕方ありませんが、ハワイに製造業がないのは、これも一つの大きな原因です。
ハワイのワクチン接種状況と観光業
ハワイは、観光地であるだけでなく、民主党地盤でコロナに対しては慎重な政策を取りましたので、失業者は10万人、失業率は11.8%まで上昇しましたが、現在は7%まで降下。GDPも、2019年の$972億が、2020年には$899億まで落ちましたが、2021年には下がった分の約半分が回復して、$934億の予想です。観光客が落とすお金も、2019年の$180億から、20年は73%下落して$48億になりましたが、今年は$107億に回復するという予想です。
1月7日の時点で、ハワイは、分配されたワクチンの31%しか接種できていない状況で、50州中42番という成績でしたが、6月21日の時点では86%で、19番まで改善されました。6月末までにワクチン接種率が50%に至らなければ、経済復興は22年にずれ込むと言われていましたが、実際はそれを大きく上回りました。米運輸保安局も、飛行機の一日の乗客が6月までに百万人まで回復しなければ、観光業界は危ないと述べていましたが、既に2百万に達しており、2019年と同レベルです。まだ海外旅行は難しいので、メインランドからハワイに来る人は増えると予想されますが、日本など、海外からの旅行者が戻ってくるのは、まだ先のようです。
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