今日は、2021年12月のホノルル・ボード・オブ・リアルターズの住宅市場統計を、グラフや表を見ながら解説します。取引戸数、中央値、在庫、売出価格と実際の売却額の比率、人気エリアなどについて説明し、ちょうど中央値で売れた家とコンドをご紹介します。
2021年12月のホノルルの住宅市場は？
12月の戸建ての中央値は、8月の新記録$1,050,000と並び、タイ記録でした。去年の同時期に比べて20.7%の上昇率です。年累計では$99万で、19.3％増でした。1年で約2割上がったことになります。そればかりか、戸建ては在庫が0.8か月分しかありません。つまり、今のペースで売れて、新規売出物件がゼロなら、現在売出中の物件が24日で売り切れるということです。これは新記録です。
コンドの中央値は＄485,000で、前年比で6.6%増、年累計は$475,000で、前年と比べて9.2％増でした。コンドの取引数は、年間7,203件で、20年に比べて53.1%も増えています。だったらもっと価格が上がっても良さそうなものだと思われるかもしれませんが、これには理由があります。
2020年は、密になりやすく、コロナでアメニティーが使えなくなったコンド取引が、19年の5,408戸から、4,706戸に減りました。21年は、コロナへの恐れが治まり、戸建てが上がり過ぎて買えなくなった人が、金利が上がる前に買い漁ったと思われます。売りに出たコンドも15%増え、在庫も1.6か月分ありますので、戸建てほど需要過多ではないようです。
コロナ禍で高騰する住宅価格
1987年以降の戸建て（緑）とコンド（黄）の中央値の推移
戸建もコンドも、高級物件が良く売れています。$100~150万の戸建て物件は84.5%、$150~200万は95.6%、$200万以上の物件は何と145.5%も取引が増えています。同様に、コンドも$60~100万の物件が114.6%、$100万以上は162.0%増です。
戸建が最もよく売れている地域はメトロ（市街地）で、54.6%増。次がダイヤモンドヘッド地域で35.4％増です。逆に、ノースショアは3.8％減です。コンドもメトロが良く売れ、81.1％増。次はエヴァ平野で33.4％増。パールシティーがそれに続いて30.7％増です。売出価格以上で売れたコンドは、戸建ての60.8%に比べて、36.8%しかありませんが、マカキロは75%、エヴァ平野は71.8%もありました。この地域のコンドは安いので、確実に買いたいというバイヤーが高めのオファーをしているものと思われます。
実際の物件をみてみよう！
それではいつものようにちょうど中央値で売れた物件をご紹介しましょう。今月の戸建ては、中央値の105万ドルで売れた物件が10戸あります。売出価格より$10万以上高く売れたものもあれば、安く売れたものもあります。売出価格は当てにならないということですが、逆に考えると、いくらで売りに出しても、結局は市場価格で売れるということでもあります。
米国は、情報が豊富ですので、安く売りに出しても、真の価値を買主やそのエージェントが知っています。売出価格よりも高いオファーがありますので、こっそり格安物件が買えるということは、ほとんどありません。しかし、何も知らない日本人が高値で買わされることはありますので、ご注意ください。
コンドは、中央値の$48.5万で売れた物件が8戸ありましたが、そのうち2戸はタウンハウスです。戸建てと違って、どの物件も売出価格の上下$1万以内で売れています。コンドは、同じコンドの最近の売買事例を見ることによって、戸建よりも正確に評価することができるからです。
この記事を動画でチェック！
今日は、2021年12月のホノルル・ボード・オブ・リアルターズの住宅市場統計を解説しました。またこの動画が良かったと思ったらグッドボタンを押して頂ければ励みになります。このチャンネルではハワイの物件情報や、アメリカ・ハワイの不動産マーケットの情報をお届けしています。アメリカの不動産に興味のある方、ハワイで不動産を持ちたい方は是非チャンネル登録をお願いします。
