相続税を一度に支払えない場合は、最高20年まで延納が認められる場合がありますが、利子税がかかります。延納の手続きは、申告期限までにしなければなりません。納付税額は10万円以上で、一度に支払うことが困難な場合に限られます。担保も必要となりますが、納付税額が100万円以下で、延納期間が3年以下であれば、必要ありません。
それでも支払えないときは、物納が認められることもあります。延納から物納への変更は、申告期限から10年以内でなければなりませんが、期限後申告、修正申告、更正決定などの場合の期限は異なります。
物納は、いろいろある資産の中から自分にとって都合の良いものを選んで納めることはできません。以下は、物納できる資産の順位です。
第一順位:国債、地方債、不動産、船舶、上場株式など。しかし、不動産や上場株式でも、物納劣後財産とみなされるものは最後になります。物納劣後財産とは、不動産であれば違法建築の建物やその敷地、上場株式であれば事業休止中の会社のものなどで、劣後とみなされない資産を先に物納しなければなりません。
第二順位:非上場株式。これも第一順位同様、物納劣後財産は最後になります。
第三順位:動産
不動産を物納する場合、その価値は原則として相続税の評価額です。不動産の物納申告書には、登記事項証明書、測量図、境界確認書などの添付が必要です。
物納財産は、相続によって取得した資産で、日本国内にあるものに限られます。相続する前から自分が所有していたものは認められませんので、ご注意ください。
譲渡制限のある株式は、管理又は処分するのに不適切な財産とみなされ、物納できません。
相続人が居住用あるいは事業用に使っている土地でも、一定の条件を満たしていれば、物納が認められます。
物納も譲渡の一種ですが、国に譲渡するわけですので、譲渡税はかかりません。
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