預金の金利
自分の物件を売って、かなりの現金が入ってきた私は、それを使って次の物件を買うつもりで、そのお金を当座預金に入れていました。米国では、ほとんどの人が小切手を使いますので、皆さん当座預金の口座を持っており、私もかなりの残金を維持することによって多くの特典を得ることのできる当座預金を使っていましたので、普通預金の口座はありませんでした。ある程度お金が溜まったら、投資信託などに移していたのです。
ところが、家を売ってできたお金は額が大きいので、当座預金に入れておくはもったいないということで、次の物件を買うまで、そのお金を入れておく口座が必要になりました。投資ファンドに全部入れてもよかったのですが、いつ次の物件を買うか分からないし、今の株式市場は乱高下が激しく、必要な時に必要な額があるかどうかわかりませんので、おとなしく普通預金に入れることにしました。
そこで金利を調べてみたところ、私の銀行の普通預金は通常0.02%ですが、金額が大きいので0.14%になります。日本よりは良いですが、何かもっといい口座はないか、探してみました。すると、何とアメリカン・エクスプレスの普通預金が、金額に関係なく2.1%だということを発見したのです。インターネット・バンクだと、これに近い金利の銀行がいくつもありました。
普通預金など、今まで全く興味がなくて、何も知らなかったのですが、改めて日米の差を思い知らされました。2%のために米国に普通預金をしようという方はいらっしゃらないでしょうが、米国の方が圧倒的によい投資は、そのほかにもたくさんあります。その代表的な例が、生命保険なのです。
日本と外国の生命保険
実は、日本では、外国の生命保険商品を宣伝したり、営業したりすることは、法律で禁止されています。そんなことをしたら、日本の生命保険会社がつぶれてしまうからです。以下の表を見ると、一目瞭然です。これは、最も健康な非喫煙者がそれぞれの国で生命保険に入った場合、1ドルにつきいくらくらいの保険金がもらえるかを示したものです。なお、バミューダやケイマンなどのオフショア商品は、日本と米国のほぼ中間です。
年齢(男) |
日本 |
米国 |
倍率 |
年齢(女) |
日本 |
米国 |
倍率 |
30 |
3.11 |
10.21 |
3.28 |
30 |
3.45 |
12.84 |
3.72 |
40 |
2.63 |
7.05 |
2.68 |
40 |
2.95 |
8.60 |
2.92 |
50 |
2.18 |
4.77 |
2.19 |
50 |
2.50 |
5.55 |
2.22 |
60 |
1.76 |
3.03 |
1.72 |
60 |
2.06 |
3.61 |
1.75 |
70 |
1.41 |
1.89 |
1.34 |
70 |
1.62 |
2.17 |
1.34 |
米国の保険会社、例えばプルーデンシャルは、このような良い利回りの生命保険を日本で売る代わりに、日本の商品に準じたものを売っていますので、大変に儲かっているわけです。プルーデンシャルの場合、海外売り上げの約半分は日本だそうです。というわけですので、日本で購入された保険を解約してでも、米国で入った方が得だと思います。
米国の生命保険に入るには?
米国の生命保険を購入するためには、いくつかのハードルがあります。まず、日本で営業できませんので、アメリカに行く必要があります。そこで説明を受けて、できればその時に健康診断もしてもらうといいと思います。日本の医療機関でしてもらうことはできません。私も、米国の保険に入る日本人の健康診断の通訳をしたことが何度もあります。また、納税者番号が必要になり、通常これは個人で取ることはできませんので、米国に有限責任会社を作ることが必要です。
これらのことをすべてやってくれる会社がありますので、自分でいろいろ手配しなければならないということはありません。日本の長者番付に載っているような人は、ほぼ全員米国その他の生命保険に入っているそうです。ご本人の年齢にもよりますが、有限会社を作る費用などもありますので、少なくとも保険金1億円くらいでなければ、メリットはないかもしれません。なお、このようなブログを書くこと自体が違法ではないかとご心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、特定の保険会社の商品について触れない限り、日本と米国の保険の違いについて一般論を述べることは違法ではありませんので、ご心配なく。
4月16-18日に、生命保険だけでなく、クロスボーダーのファイナンシャルプランに関する総合的なセミナーがホノルルで開催されます。ご興味のある方は、直接ご連絡ください。生命保険ご加入を検討中の方は、少なくとも1日余分に残って、健康診断をすることをお勧めします。
HI Ohana Forum 2019 J 190121