ナッシュビルでのリアルコム・コンフェレンス:不動産テックの祭典

不動産テックの祭典

過去最高2,500名が参加して、今年もリアルコムのコンフェレンスがナッシュビルで行われました。一人10万円以上の参加費ですから、大した数です。業者のブースは約200。今回は、初めてIREM(全米不動産管理協会)も正式に参加し、4時間半の、管理士の観点から見た不動産テックのプレゼンをしました。私も、5名の日本人参加者の通訳として金魚の糞のようについて行ったという次第です。

とてつもなく広い会場、ミュージック・シティー・センター

スマート・ハウスのモデルルーム

まず、初日の午前中はコンフェレンスをさぼって、全米一の居住系開発業者レナー社のモデル・スマート・ハウスを見学。アマゾンと提携し、アレクサに話しかけただけで空調、照明、ブラインド、来客対応、BGMなどを操作できます。アレクサと言う名前の人がその家に住んでいたらどうなるのだろうなどと、素人臭い心配をしましたが、正直な印象としては、あっと驚くような機能はなし。アメリカの住宅売買市場は日本の約7倍であるにもかかわらず、新築の数は日本と変わりません。それだけ中古市場が大きいということですが、スマート機能付きの住宅がアメリカで浸透するためには、中古住宅に取り付け可能なものでなければならないでしょう。

48万ドルのスマートハウス

アレクサなんて、スマホがあるから要らないという意見もありますが、果たしてどうでしょうか。例えば、帰宅前に空調などをスマホであらかじめ設定するということはあるでしょう。私の家にあるコーヒーメーカーも、帰宅する前にスマホでコーヒーを作らせることができ、帰ったらすぐに飲むことができます。しかし、照明などは、いちいちスマホをオンにしてから操作するのは大変です。また、スマホは通常一つしかありませんので、自分のそばになければ取りに行かなければなりません。どの部屋にいても「アレクサ、電気つけて!」の一言ですぐに点灯した方が便利でしょう。

ブース型オフィスのトレンド

さて、コンフェレンスですが、かなり専門的な話、抽象的な話、大企業向けの話などが多く、自分が興味のある分科会に多く出た方が役に立つのではないかと言う印象でした。ブースに行って、興味深いものを見つけていろいろ質問をしてみるのも良いでしょう。

私たちが特に興味を持ったのは、最近日本の駅などで見られるようになったブース型時間貸しオフィス。これは、展示されているだけでなく、実際にレンタルして使っている人で賑わっていました。

ゼン オフィス

日本のものと違って、2人、あるいは4人用が多く、サイズは1.1 x 2.2メートルです。ウィーワークや在宅勤務など、オフィスの形が流動的になってきた現在、わざわざ混雑した喫茶店に入ってコーヒーを注文しなくても集中して仕事ができます。人に聞かれることを気にしないで電話したり、商談をしたりすることができるのも便利です。特に土地が狭くて1畳なりとも無駄にできない日本では、流行るかもしれません。

不動産のサイバー・セキュリティー問題

コンフェレンスを通してよく話題になったのがサイバー・セキュリティーです。金融関係を主に狙ってきたハッカーたちは、不動産が穴場だということに気付き始めているそうです。考えてみると、売買では大きなお金が動きますので、当然かもしれません。そんなことは自分に関係ないと思っていらっしゃる方が多いと思いますが、実はハワイはほかの州より犠牲者が多いそうです。

狙われるのは、不動産購入時の送金です。日本からであろうとハワイからであろうと、エスクローの口座にお金を送るわけですが、直前になって、エスクロー会社から、送金に関する情報変更のメールが来ます。でも、それはハッカーなのです。その通りに送金すれば、お金はハッカーに届きます。ハッカーなのか正真正銘のエスクロー会社なのか分からないときは、エスクロー会社か不動産エージェントに電話して確認してください。そのメールに返信して、確認しようとする人もいるそうですが、ハッカーが、「実は私はハッカーです」と言ってくれるわけがありません。なぜハワイが狙われるのかはわかりませんが、不動産売買の知識がなく、言葉の壁のある外国人バイヤーが多いからかもしれません。くれぐれもご注意ください。