5月に、ホノルルのバケーション・レンタルの規制法案がどうなったかに関する途中経過を報告しました。
ホノルルのバケーション・レンタルが規制される?:その後どうなったか
思っていたよりも早く、6月17日に議案が市議会で可決され、25日に市長も署名して法律になりましたので、今回はこの新しい法律に関してご説明したいと思います。今日まで待ったのは、7月12日に不動産業者向けの説明会が開かれましたので、それに参加して正しい情報を得てから、正確な情報をお伝えしたかったからです。
とは言うものの、600人の不動産エージェントを集めた3時間にもわたる説明会の中で出た質問の半分くらいは、「分からない」という答が返ってきました。法律とはそんなものなのでしょう。市議会議員は不動産の専門家ではありませんので、全てのことを考慮して法律を作ることは無理です。いろいろな具体的質問に関して、それはまだこれから決めて行かなければならないとしか答えられない場面が、よくありました。もちろんこの短い記事で、3時間かけて説明してもらったことを全て書くことはできませんので、細かい具体的なことは不動産エージェントや管理士に頼んで、調べてもらわなければならないことが多いと思います。
B&B
まず、バケーション・レンタルを2つに分けます。オーナーあるいはその代理人がその家に住んでいて、ベッドルームを貸す場合は、B&Bと呼ばれます。ベッドルームは二つまでで、オーナーは、個人でなければならず、法人は認められません。B&Bの許可証をオアフ島全体で約1,700発行するという計画ですが、B&Bを運営する家は、ほかのB&Bから300m以上離れていなければなりません。コンドは一つのビルに何十、何百ものユニットがあるわけですが、このルールによるとその中で1戸しか許可が下りないということになります。これをどうするかは、まだ決まっていません。1,700以上の申し込みがある場合は、抽選です。現在、許可なしにバケーション・レンタルをしている物件は8,000~10,000あると言われていますので、そのすべてがB&Bではありませんが、多分抽選になるでしょう。
B&Bは、ゾーニング(土地利用規制)がリゾートになっている場所では基本的に許されます。Special district(特別地域)と呼ばれる地域がいくつかありますが、特にワイキキは非常に複雑で、ゾーニングを見ただけではわかりませんので、自分の持っている物件でB&Bができるかどうかを知りたい人は、Department of Planning and Permittingに直接聞くようにと言われました。リゾート地域以外のコンドホテル(例えばアラモアナ・ホテル)も同じです。連絡先は、info@honoluludpp.orgです。もう一つ例外的な地域があるのですが、それはノース・ショアです。ノース・ショアは、sustainable communities(持続可能コミュニティー)と呼ばれ、B&Bの許可は出ません。
施行する上で必要なウェブシステムの構築など、準備に時間がかかりますので、実際に許可をもらって、晴れて合法的にB&Bを営業できるようになるのは、2020年10月からです。しかし、違反に対する罰金は今年の8月から科せられます。既に入っている予約も、キャンセルしないで泊めてあげれば、処罰の対象となります。
TVU(transient vacation unit)
次に、オーナーかその代理が住んでいない物件をバケーション・レンタルとして貸す場合は、TVU(transient vacation unit)と呼ばれ、1986年に一時的に発行されたTVUの許可証をもらっていない物件は、すべて違法です。これは、バケーション・レンタルを目的に物件を購入したハワイ州外の投資家にとっては、大きな痛手です。4年償却できる木造物件を購入し、バケーション・レンタルとして使ってきた日本人は多いのではないかと想像しますが、長期(30日以上)で貸すか、売却を考えなければならないでしょう。
もともと違法だったバケーション・レンタル
ところで、バケーション・レンタルは、今回の法律で違法になったわけではありません。もともと違法だったのですが、この法律は、今まで罰金などがちゃんと決められてなかったので、それを制定し、その代わりに少数のB&Bを認めようというものです。ですから、購入時にバケーション・レンタルとして使えますとエージェントに言われて買った場合、あるいはエージェントがバケーション・レンタルの管理をしている場合、そのエージェントは法律を破っている、あるいは破るように勧めたわけですので、信用しない方が良いと思います。
カカアコはハワイ州管轄
もう一つ細かい話ですが、あてはまる人が結構多いかもしれませんので、書いておきたいことがあります。最近多くのコンドが開発されたカカアコ地域は、カカアコ・コミュニティー開発地域と呼ばれ、ここは州の管轄です。ですので、州の法律が適用されます。ホノルル市では、30日以上貸せばバケーション・レンタル(短期賃貸)とはみなされませんが、州法では180日です。バケーション・レンタルができなくなれば、長期休暇を楽しむ人のために30日毎に貸すのも一つの解決方法ですが、それは、カカアコでは認められないということです。
不明な点はお問い合わせを
これだけの説明では、分からないことがたくさんあると思いますので、質問のある方はご連絡ください。市の代表者が答えられないくらいですので、私も答えられない可能性が大です。その場合は、Department of Planning and Permittingに問い合わせてみます。