2019年のホノルルの不動産市況
年末年始で、12月のレポートは少し遅れて発表されました。今回からフォーマットを少し変えて、いつものホノルル・ボード・オブ・リアルターズ会長の短いコメントだけでなく、正式なレポートを要約して皆さんにご報告させていただきます。
2019年の12月と18年の12月の比較に関しては、ほぼ全部割愛したいと思います。1カ月の数値の比較は、何か特別な理由がない限り、あまり意味はないと思います。特に地域別に比べる場合、サンプルが少なすぎて、統計としての価値があまりありません。今回は、年末のレポートですので、2019年全体を見てみたいと思います。
オアフ島2019年居住系再販統計
戸建再販
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売買戸数 |
前年比 |
中央値 |
前年比 |
2019 |
3,750 |
3.9% |
$789,000 |
-0.1% |
2018 |
3,609 |
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$425,000 |
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コンド再販
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売買戸数 |
前年比 |
中央値 |
前年比 |
2019 |
5,408 |
-4.8% |
$425,000 |
1.2% |
2018 |
5,679 |
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$420,000 |
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2019年は、前年より遅いペースで始まりましたが、戸建ては、7月から連続して売買戸数が増え、年間で3.9%増でした。コンドは、4.8%減です。合わせて9,158戸で、18年に比べて1.4%減です。
2018年との比較
18年の年末は金利が5%に近づいていましたが、今年は4%以下で終わりました。売りに出た戸建ては年間3.8%増、コンドは4.5%増でしたので、在庫は、戸建ては減り気味、コンドは増えています。中央値は19年7月に戸建てもコンドも過去最高値を更新しましたが、年間を通してみると、ほぼ横ばい。戸建ての中央値は、2012年から毎年上がってきましたが、2019年は、残念ながら0.1%の下落で、$789,000です。コンドも2012年から上昇を続けており、19年も1.2%上がって$425,000です。
「2019年は、2018年に比べて市場が安定し、売り物件が増え、成約までの日数が僅かに長くなり、中央値はほぼ横ばいでした。これらの状況と、低金利や好景気が、市況を健全なものにしており、買主は購買力がありますので、売主は物件の買主が見つかる可能性が高いということです。」(2020年ホノルル・ボード・オブ・リアルターズ会長、トリシア・ネコタ氏)
オアフ島東部とホノルル市内の売買が増加
地域別に見ますと、オアフ島東部とホノルル市内の売買が増え、カパフル~ダイヤモンドヘッド、マキキ~モイリイリ、アイナ・ハイナ~クリオウオウ、ワイアライ~カハラで売りに出た物件は、前年比で20.6%増、売れた物件は21.7%増でした。「これらの地域の物件の多くは200万ドルを超えますが、$600,000~$999,999の価格帯で売りに出た物件が36.1%増え、実際に売れた物件は41.9%も増えました」(ネコタ氏)。実際、戸建ての中央値が100万ドルを超える地域は、売買が盛んであるにもかかわらず、中央値が下落しています。買主に購買力があるとネコタ氏は述べていますが、高くはありません。
コンドに関しては、ダウンタウンの売買が17%増、中央値は11%増です。島全体で見ますと、ワンルームと1ベッドルームの売買が9.7%も減っています。ネコタさんの見解では、「2019年に、コンドの売買件数が4.8%減ったにもかかわらず、中央値と平均値が僅かながら上がったのは、売れた物件の中で大きめのコンドが占める割合が増えたので、価格帯が上がったのでしょう。」