コロナ時代の投資

ハワイの不動産への影響

コロナがハワイの不動産にどのような影響を与えているかについては、まだ十分なデータがありません。3月に取引が終了した物件は、ほぼすべてが1-2月に契約したものですので、解約が通常より多かったかもしれませんが、まだ大きな影響は表に出ていないと思います。私自身のクライアントも、今が買い時とは分かっていても、まず自分の物件を売ってからでないと買えないので、状況を見守っているという状態です。

値段を下げた物件が、特に収益物件に多いような気がしますが、これも統計はありません。連邦準備銀行が金利を下げましたので、ローンの金利も下がると期待していましたが、実はちょっと上がっています。これは、ローンの借り換えが殺到して需要が増えたことが一つの理由ですが、サブプライム危機のように、銀行が金融を引き締めているという見方もあります。

私自身の投資の状況

去年、短期滞在物件の購入を皆さんにお勧めしましたが、実は、私自身は購入を断念していました。日本人投資家からお金を集めて、米国でシンジケートを始めようという話がCCIM日本支部メンバーの間で持ち上がり、そのために資金を取っておくことにしたのです。あの時に短期賃貸の物件を買っていたら、今頃はちょっと大変なことになっていたかもしれません。

シンジケートは、いい物件を見つけてから日本でお金を募ったのでは、間に合いません。しかし、物件を指定しないでお金を募っても、なかなか集まらないのです。そこで、私がまとまった金額をアメリカのシンジケートに「保証」しようということになりました。つまり、一定の金額は投資するという約束をして、それだけの金額が集まらなければ、足りない分を私が出すというわけです。それで、短期賃貸物件購入に使おうと思っていたお金を、普通預金(と言っても米国のネット銀行なら2%近くの金利)に預けてしまったのです。

優秀なマネー・マネージャーにコンタクト

ところが、コロナで株が大暴落し、私はハワイのあるマネー・マネージャーに連絡しました。彼は、ハーバード大学出で、世界でも有数のキャピタル・グループに入社して日本で十数年過ごし、5千億円以上のファンドを管理して、自分自身70億円ほどの資産を築いて退職し、ハワイに戻ってきたという優秀な人で、キャピタルでトップの成績だった年もあります。

ハワイでは、当時史上最高の取引額だったといわれる大邸宅に住み、日本人の奥さんと楽しい余生を暮らそうと思っていたらしいのですが、自分の持ち株を管理するために、毎朝早く起きて、ニューヨークの株式市場を見ていました。そのうち、家族や友人の株も管理するようになり、こんなことをするくらいなら、いっそのこと会社を始めた方がましだと考えて、ファイナンシャル・アドバイザーの会社を始めたのです。大々的にやっているわけでなく、オフィスもありません。

彼のファンドは、証券取引委員会の要件に従って、去年の監査が終わったところなのですが、20191231の時点における過去3年間の成長率は、彼の手数料を引いた後で、21.1%だそうです。彼が投資する会社は、主にS&P500すが、その過去3年間の成績は、年間15.3%です。去年だけで見ると36.2%S&P50031.5%でした。今年の下落幅は、約8%です。

これはあっと驚くような数字ではありませんが、ファンド・マネージャーがインデックスを下回ることは多いのです。彼の投資はいたって保守的で、製造業、エネルギー、銀行、エアライン、自動車、アマゾン以外の小売業には投資しません。20年先に栄えているような会社でないと、投資しないというのです。安定して成長する会社の方が、結局は得だという考えです。

株価が回復すれば・・・

以前、ギャンブルのブログにも書きましたが、株は、50%下がってから50%上がっても、あるいはその逆でも、元には戻らず、75%にしかなりません。コロナで約3分の1落ちましたが、50%上がらなければ元には戻らないという計算です。しかし、今から株に投資する人にとっては、回復すればの話ですが、それだけリターンが良いということになります。

ギャンブルで負ける三つの理由

株投資をするべき時だと考えている人が大勢いる

現状では、シンジケートの話もすぐには進まないと思い、39に彼と連絡を取ろうとしたのですが、結局、取れて会うことができたのは16日でした。シンジケートに使う予定のお金の大半を彼に任せることにしたのはいいのですが、一つ困ったことがありました。

彼は、ブローカー会社に株の売買を指示しているのですが、顧客のお金はそのブローカーの口座に入れます。私はその口座を開かなければいけないのですが、なかなか開くことができませんでした。口座を開きたいという申し込みが殺到しているというのです。今こそ株に投資するべき時だと考えているのは、私だけではないのです。株価は暴落しましたが、買う人がいるから値が付くわけで、パニック状態で売る人もいれば、今こそ買い時だと判断する人もいます。当たり前のことですが、前者の方が多いので、株価が落ちたのです。後者がいなければ、株式市場は破綻してしまい、世の中はますます混乱します。

株は敏感ですが、不動産は、流動性が低いせいもあり、周期は遅れます。観光に頼っているハワイは、不動産市場にも影響が出始めていますが、株ほどではありません。というわけで、不動産は後回しにして、今は株に投資することにしたのですが、結局口座が開いたのは、41日でした。

市場最高のIPOの予測

彼が教えてくれた不動産に関係のある株の話を一つ。ファニー・メイ(FNMA連邦全国抵当権協会)は、現在政府が破産管財人で、非常に投機的な株ですが、トランプが再選されて、管財下から外されると、急騰する可能性があるというです。彼も、管理しているお金の1~2%を、FNMAに投資しているそうです。政府が持っている1800億ドルの優先株がなくなると、市場最高の200億ドル程度のIPOがあり、その分価値は薄まりますが、それでも株価は一挙に10倍近く上がるだろうというのです。ビル・アックマンなどの著名なヘッジファンドのマネージャーも、同様の意見だそうです。

このファンド・マネージャー、興味のある方にはご紹介します。日本では、外国に投資してもらいたくない人たちが、為替リスクがあるなどと言っていますが、騙されてはいけません。リスクは分散して緩和するものです。国家の累積赤字が世界一の日本円だけで投資する方が、よほど危険ではないでしょうか。