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ハワイの不動産投資でレバレッジをかける方法:地元投資家と同じ条件で

 ハワイの不動産投資のレバレッジとは

レバレッジとは、お金を借りて投資をすることです。日本人投資家が、ハワイで不動産投資をする場合、ハワイの銀行からローンを借りることは不可能ではありませんが、できたとしても、LTVや金利などの条件が悪くなります。しかし、地元の投資家と同じ条件でレバレッジをかける方法があるのです。それは、借地に建てた物件を購入することです。借地に建てた物件なら外国人でもローンを借りることができる、ということではありません。お金を借りて投資する代わりに土地を借りて投資ができる、ということです。騙されたと思わないで、ちょっと一緒に考えて見てください。日本の不動産投資と、ちょっと似ていることが分かると思います。

投資が終わったら価値がゼロになる投資

日本の不動産は、購入しても価値が下がるものが多くあります。そんなものをなぜ買うかと思う人もいらっしゃるでしょうが、毎年のキャッシュフローが高ければ、売るときに損をしても問題はありません。仮に、価値が下がって、売却益でローン残高を支払ったら、何も残らないとしましょう。それでも、保有期間中に十分なキャッシュフローがあれば、投資として成り立つのです。

売却手取り金がない投資、つまり、そもそも投資が終わったら、価値がゼロになる投資と言うのは、いくらでもあります。その代表的なものがローンで、ローンは銀行から見ると投資です。ローンの最後の支払いが終わると、残高はなくなりますので、将来価値はゼロです。それでもローン期間中のキャッシュフローが十分にあれば、投資として成り立ち、ローンの場合、投資の内部収益率は金利です。

ハワイの借地物件

簡単な例を見てみましょう。仮にCCR(キャッシュ・オン・キャッシュ収益率)が20%で、10年後の売却手取り金がゼロと予想される不動産に投資したとすると、内部収益率は15.1%す。金利が低く、LTVが高く、ローン期間が長ければ、決してあり得ないシナリオではありません。

では、ハワイの借地物件を見てみましょう。多くの方は、借地に建てられたコンドを思い浮かべるでしょうが、今日は、倉庫などの工業系物件を見てみましょう。というのは、倉庫は借地に建てることが多いからです。借地に建てたものは、借地権が切れると、そのまま地主に返すか、更地にして返さなければなりませんが、倉庫なら、元々建築費用も安いので、築何十年も経っていれば、どうせ大した価値はないというわけです。

それでは一つの例を挙げてみましょう。元CCIMハワイ支部長が仲介している物件ですが、約27,700平米の敷地で、12,286平米の倉庫と、2809平米のオフィスのスペースがあり、駐車場は424台分あります。場所は空港とダウンタウンのほぼ中間で、倉庫としては絶好の場所。売値は300万ドルで、キャップレートは、何と19.5%です。この数字を見たときは、借地権がもう数年しか残ってないのだろうと思ったのですが、何とまだ23年も残っています。

借地というレバレッジをかける

現金で購入し、10年後に半額で売れたとすると、IRR17.3%です。23年後だともう売ることはできませんが、10年後なら、まだ価値は残っています。IRRがこれほど高くなるのは、借地というレバレッジをかけているからです。このレバレッジがなければ、こんな大きな物件をたったの300ドルで買えるわけはないのです。実際、この物件は2003年に5千万ドルで取引されており、仮に今の価値がまだ5千万ドルだとしても(そんなことはあり得ませんが)、94%のレバレッジをかけていることになります。

現在の借地料は資料に書いてありませんが、166.4万ドル程度ではないかと思われます。NOI(営業純利益)は、58.5万ドルですが、土地を借りたのではなく、ローンを借りたとして、この借地料がローンの支払いだと考えると、NOI224.9ドルで、ADS166.4万ドル、債務回収比率は1.35ということになります。

借地料の上昇で急降下するキャップレート

ここまで見ると、まるで絵に描いたような投資ですが、借地料は段階的に上がります。少なくとも、向こう数年は、年間5%以上の上昇率です。向こう5年間、借地料が予定通り上がり、他のすべての数が変わらなかったとすれば、58.5万ドルのNOI15.2万ドルに減り、キャップは5%に急降下。実際には家賃も上がると思いますので、どうなるか分かりませんが、変動金利で金利が上がるのと似た影響があるのです。

期待を膨らませておいて、風船を割ったような感じがするかもしれませんが、世の中、そう甘い話はありません。立地条件もいいので、もちろん家賃収入は上がるでしょうが、大きなテナントが一つ出て行き、空室をすぐに埋めることができなければ、大変なことになりかねません。現金で購入しても、借地で高いレバレッジをかけているからです。ハイリスク、ハイリターンをご希望の方は、ご検討ください。