2020年9月10月〜12月のワイキキ(メイン通り)のテナント空き状況は?
ビール・コーポレーションがワイキキのカラカウア通り沿いの小売りとレストランのスペースの統計を取っていますが、2020年第4四半期の結果が発表されましたので、表にしてご紹介します。
総面積 | 154,623平米 | 総店舗数 | 668 |
空室面積 | 31,306平米 | 空室数 | 93 |
貸出面積 | 37,005平米 | 貸出数 | 125 |
空室率 | 20% | 空室率 | 14% |
貸出率 | 24% | 貸出率 | 19% |
右の欄の左の欄の違いは、右は店舗数で計算していますが、左は面積で計算していますので、左の方が正確です。店舗数で計算したほうが、空室率が低くなっているということは、面積の広い店舗で空いているところが多いということです。通常空室率は面積で計算します。
一部または全部を「又貸ししたいスペース」が増える
第3四半期の面積による空室率は19%で、貸出率は17%でした。空室率は1%しか増えていませんが、貸出率が7%も増えています。貸出率とは、私が勝手につけた訳語で、英語ではavailability rateと言い、商業系の統計で使われる言葉ですが、もっといい言葉があればご教授ください。これは、借りることができるスペースが全体に占める割合です。空室以外に借りることができるスペースなんてあるのかと思われる方も多いと思いますが、テナントが借りているスペースの一部あるいは全部を又貸ししたい場合などは、既に稼働していても、借りることができるわけです。
この貸出率が空室率よりも高いということは、リースを解約したくでもできない多くのテナントが、又貸し先のテナントを探しているということを意味しています。逆に第3四半期は貸出率が空室より低かったわけですが、それは、多分、多くのホテルが営業を停止し、その1階にある小売りスペースが、空いてはいるけれど貸せない状態にあったためではないかと思われます。つまり、19%の空室には、営業停止中のホテル内にあって、空室でも貸せないものがあったので、貸せる店舗スペースは17%しかなかったのでしょう。
メインランドからの観光客が増えている
この大きな変化は、2020年10月15日がきっかけになりました。ハワイ州が、PCR検査で陰性の人はハワイに来ても自己隔離をする必要がないという規則を施行したのです。これによって日本から来た観光客はほとんどいませんが、メインランドからは観光客が少しずつ戻ってきました。それが理由で営業を再開したホテルが増え、貸出率が上がったのです。
ハワイの観光客が増える可能性は?
最近、ロイヤル・ハワイアン・ショッピング・センターのオメガとフォレバー21などが閉店しましたが、ハワイの観光客は、いつ本格的に戻ってくるのでしょうか。ビールによると、いくつかの楽観的観測があります。その一つは、パンデミックが終息したらまた旅行をしたいと思っているアメリカ人は多いが、海外旅行はまだ控える人が多いだろうということです。となると、メインランドから来る観光客は増えるでしょう。逆に、海外からのお客さんは減るかもしれませんが、ワクチン接種が他の国より進んでいる米国に来ることは、アメリカ人が海外旅行を控えるほどではないかもしれません。
もう一つハワイの観光客が増える理由は、大都市への観光が減り、屋外レジャーが楽しめる観光地の人気が上がるだろうという予測です。ハワイと言えばマリンスポーツやゴルフ。博物館、コンサート、スポーツイベントなどの多い大都市に比べると、コロナの心配がなく、特に米国内では、ハワイほど安全な州はほかにありません。
また、去年ハワイに旅行するつもりで購入した飛行機の切符が使えなくなった人は、払い戻しはしてもらえなかったと思いますが、切符の有効期間が伸びました。その有効期限が終わるまでに使ってしまいたいという人は多いでしょう。そうでなくても、飛行機代は安く、ハワイアン航空は今年、フロリダ州オーランド、テキサス州オースチン、カリフォルニア州オンタリオ(LA郊外)への直行便を運航する予定です。
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