現地オープンハウスの動画をチェック!

土地賃貸借を金融ツールとして使ってレバレッジをかける方法 ーIREMニュースレター

土地賃貸借を金融ツールとして使ってレバレッジをかける手法が、NY以外の市場でも始まっているという内容のコマーシャル・オブザーバー(Commercial Observer)の記事が、私が属しているIREM(全米不動産管理協会)のニュースレターに取り上げられていましたので、今日は、その内容をご紹介します。土地賃貸借を金融ツールとして使ってレバレッジをかけるとは、一体何のことかと思われる方もいらっしゃると思いますが、私が以前ハワイの土地賃貸借に関して書いたブログも、参考にしてください。

ハワイの不動産投資でレバレッジをかける方法:地元投資家と同じ条件で

米国の借地借家権とは

借地に建物を建てるというのは、日本では珍しいことではありませんが、米国にはあまりありません。日本と違うのは、米国には定期借家権しかなく(多分ほとんどの国がそうだと思いますが)、NYの借家権は通常99年で、その後は、建物を地主に返さなければなりません。また、日本と違って借地権価格もなく、地主が圧倒的に有利です。

ニューヨークのように土地の高い市場では、土地を購入して開発する資金繰りが大変ですので、リースすることがよくあります。ハワイも、同じような理由で、倉庫や、ワイキキの商業系物件などによく見られ、以前は借地のコンドもかなりありました。

借地のリスクは大きい

全国的に広がらない理由は、リース料が将来どれだけ上がるか分からないという問題です。記事の例によると、パークアヴェニューのオフィスビル、レバーハウスは、$620万の年間リース料が2024年には$2,000万に上がるという予想で、ビルを所有していたFRFホールディングスは、売らざるを得ませんでした。もちろん、そんな高額のリース料を払わなければならない物件ですので、喜んで高く買いますという投資家はいないでしょう。同じRFRが所有しているクライスラービルは、2018年に借地料が$750万から$3,250万に上がり、28年には$4,100万に上がる予定です。

同じことがハワイでもよくあり、こんなコンドを見つけたのですが、なぜこんなに安いんですかと質問されることがあります。最も多い理由は、リースの残余期間が短いことですが、リース料が高くて払えず、買い手がいないという場合もあります。

不動産金融業者iStarの「セーフホールド」の仕組み

そこで、不動産金融業者のiStarが、2017年にセーフホールドというリート(不動産投資信託)を始め、標準化されたリースを構築して、他の市場にも広め始めたのです。セーフホールドという名前は、安全に保有するという意味で、会社の意図をよく表しています。こうして、開発するためにお金を借りるだけでなく、土地も借りることが有利な条件でできるようになりました。

開発は不動産投資の中でもリスクの高いもので、それなりのリターンがなければ着手しませんが、借地は、99年間空室になる心配はないし、夜逃げされれば建物を頂戴すればよいだけなので、リスクが低く、リターンも低くて済むはずです。ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンです。ローンのように差し押さえたり競売にかけたりする必要もありません。論理的に見ても、開発業者は、かなり安く借地できて当然です。NYのような市場ではほかに土地がないので地主が有利ですが、他の市場なら、もっと公平な土地賃貸借ができるはずだという理屈で始まった新ビジネスモデルなのです。

残念ながら、記事には標準化されたリースというものが実際にどのようなものであるか、具体的に書いてありませんでしたが、インデックスとの連動や、歩合など、いくらでも方法はあるでしょう。ハワイには、コンド購入時に何十年ものリース料を一括で払うという物件もあります。もちろん、土地を購入するよりは安くなり、将来リース料が上がる心配はありません。

通常のリース以外にも、一つの例として、土地をリースして、建築工事ができる状態になった時点でiStarが購入することを確約した事例が載っていましたが、これは、所謂ランド・パッケージングのようなものだと思われます。ランド・パッケージングと言うのは、建築許可の手続きなど、工事を始めるための準備です。それだけを専門にする業者もいますが、購入した後で、手続きができなかったということになると困りますし、デユーデリの期間では足りませんので、購入前にリースをすることがあります。

ローンのレバレッジを効かせることが困難な市場での借地のレバレッジ

今まで、借地にアパートを建てるということはあまりありませんでしたが、キャップレートが約4%に下がり、良い市場では3.5%もありません。このような市場で、レバレッジを効かせるのは困難ですが、ローンだろうが借地だろうが、「借りる」ことには変わりありませんので、これもレバレッジを効かせる一つの方法です。通常60~65%の開発ローンのLTVを、借地によって80%くらいまで上げることができます。完成した借地物件を購入する場合は、さらに高くすることができるでしょう。詳しくは、上記のブログに実例があります。

ハワイは、借地に建てたコンドが多かったのですが、多くの区分所有者を、リース料の値上げやリース期限切れから守るために、法律が変わって、区分所有者が借地を購入できるようになりました。その後その法律が覆り、地主が土地を売却する義務はなくなったのですが、時すでに遅く、ほとんどのコンドは土地付きになっており、新築も、借地の怖さを知った庶民が買わなくなりましたので、通常土地付きです。逆に、日本のように建物の耐用年数が短く、老人が増え、分譲マンションの終活が問題になっているような国では、借地に建てていた方が良かったのかもしれません。

この記事を動画でチェック!

 今日は、土地賃貸借を金融ツールとして使ってレバレッジをかける手法が、NY以外の市場でも始まっていることについて解説しました。またこの動画が良かったと思ったら、グッドボタンを押して頂ければ励みになります。このチャンネルではハワイの物件情報や、アメリカ・ハワイの不動産マーケットの情報をお届けしています。アメリカの不動産に興味のある方、ハワイで不動産を持ちたい方は是非チャンネル登録をお願いします。

金融ツールとしての土地賃貸借がNY市場外にも広がる:IREMニュースレター
元サイトで動画を視聴: YouTube.