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米国の不動産売買仲介コミッション制度ーインマンー

米国の不動産エージェントのほとんどは自営業ですが、エージェントを雇用するIT不動産企業が増え始めています。この最近の動向については、何度もブログを書きましたが、従来の自営業のエージェントについては、詳しくブログを書いたことがありませんでした。今日は、米国の自営業のエージェントとコミッションの分け方について解説します。

実際のコミッションの分け方:あなたの理解は間違っているかも
インマン

米国不動産仲介 エージェントとブローカーの違い

その前に、まず、エージェントとブローカーの違いを説明します。不動産仲介の仕事をするためには、まずエージェントのライセンスを取ります。州によって違いはあるかと思いますが、何年かの経験を積むと、ブローカー(仲介業者)のライセンスを取る資格ができます。ブローカーになると、一人で仲介をすることができ、その場合は自営業です。また、仲介会社を立ち上げて、エージェントを雇うこともできます。

エージェントは、ブローカーの監督下で働かなければなりません。ブローカーののれんを借りて自営業者として働こうと、ブローカーの社員として雇ってもらおうと、エージェントであることに変わりはありません。

日本の宅建業免許は、そう簡単に取れる免許ではありませんし、米国のブローカーのライセンスに近いと思います。日本では、宅建士取得者一人につき5人の社員を雇うことができ、宅建士を持っていなくても不動産業に就くことができます。米国では、簡単ではありますが、エージェントのライセンスを取らないと、不動産の仕事をすることはできません。

自営業で働く場合のコミッション制度

自営業で働く場合は、コミッションをもらいます。コミッションの制度にはいろいろありますが、大きく分けて4書類あります。以下はその解説ですが、かなり簡素化していますので、正確ではないことをご了承ください。なお、以下の計算に出てくる経費には、売り物件の写真やビデオ作成料など、直接費はエージェントが払うことが多いので、エージェントの実際の収入は、さらに低くなります。

1.フルサービス

これはもっとも多いタイプです。平均的なエージェントのコミッション総額が$100,000とすると、エージェントがもらえる額はその70%くらいが普通です。エージェントが属しているブローカーがフランチャイズである場合は、6~8%のフランチャイズ料を払います。この比較では、最後の所属・取引手数料モデル以外、すべてフランチャイズに属しており、フランチャイズ料は6%と言う前提で計算します。以下が、エージェントが実際にもらえる額の計算です。

ブローカーの取分          $30,000(コミッション総額の30%)
フランチャイズ料          $6,000(コミッション総額の6%)
過失怠慢保険                 $600(過失や怠慢で発生した損害賠償の保険)
計                                   $36,600

純収入:$100,000-$36,600=$63,400(実質コミッション63.4%)

 

2.デスクフィー

このタイプは、コミッションは95~100%くれますが、数多くのフィーを引かれます。以下は、コミッションの総収入が年$100,000で、その100%もらえる場合のフィーの一例です。

事務手数料                     $12,000
事務室レンタル              $8,400
電話代                            $1,200
フランチャイズ料          $6,000(フランチャイズに加盟している場合のみ)
印刷物宣伝費                 $2,400(地元新聞など)
サインや旗                     $1,500
DM                                $1,200(はがき100枚/月)
ホームページ                 $1,188
顧客管理                        $1,200
コピー、印刷                 $600
過失怠慢保険                 $600
計                                   $36,288

純収入:$100,000-$36,288=$63,712(実質コミッション63.7%)

 

3.キャップ(上限)

これは、フィーが特定の額に達するまでは、もらえるコミッションの割合が低いが、それを超えると、その後は95~100%もらえるというモデルです。例えば、年間総コミッション収入が$100,000のエージェントの場合、フィーが$23,000になるまではもらえるコミッションが70~80%で、その後は100%もらえます。そのほかのフィーも計算に入れると、以下のようになります。

キャップ                        $23,000
フランチャイズ料          $6,000
印刷物宣伝費                 $2,400(地元新聞など)
サインや旗                     $1,500
DM                                $1,200(はがき100枚/月)
ホームページ                 $1,188
顧客管理                        $1,200
コピー、印刷                 $600
過失怠慢保険                 $600
計                                   $37,688

純収入:$100,000-$37,688=$62,312(実質コミッション62.3%)

 

4.所属・取引手数料

このモデルには、バーチャル仲介業者ののれんを借りるだけで、全くサービスのないものから、フルサービスのものまで、色々あります。他のモデルがすべてフルサービスですので、このモデルも、フルサービスを例に挙げて比較したいと思います。このモデルは、取引1件当たりの手数料が決まっています。取引件数が10件、住宅売買価格の平均値が$333,333、コミッションが3%と想定すると、コミッションの総額が、$100,000になります($333,333×10×3%=$100,000)。フィーは、以下のようになります。

所属料                            $900
取引料                            $3,950(1件当たり$395)
印刷物宣伝費                 $2,400(地元新聞など)
サインや旗                     $1,500
DM                                $1,200(はがき100枚/月)
過失怠慢保険                 $600
計                                   $10,550

純収入:$100,000-$10,550=$89,450(実質コミッション89.5%)

このモデルは、ホームページ、顧客管理、コピー、印刷などのサービスはありません。他のモデルと同じ金額をそれらに使うとすれば、さらに$2,988かかりますので、$89,450-$2,988=$86,462になりますが、それでも他のモデルよりは取分が大きくなります。

しかし、このようなモデルはブローカーとの関係が薄く、トレーニングなどはないことが多いです。ブローカー・ライセンスを取って、一人で仲介業をしているのと、同じような感じですので、ある程度の経験がないと難しいでしょう。

エージェントはどのコミッション精度を選ぶのか?

結論として、これらを比べると、総コミッションが$100,000の場合、所属・取引手数料モデル以外は大した違いはないように見えます。

しかし、コミッション収入の多いエージェントにとっては、ブローカーの取分が決まっているデスクフィーやキャップの方が得になります。例えば、キャップの$23,000は、コミッションが$100,000のエージェントにとっては23%ですが、$300,000の場合は7.67%に過ぎません。とは言え、フルサービスモデルでも、$300,000ものコミッション収入があるエージェントであれば、取分が80~90%に増えますので、そう大きな違いはありません。

逆に、コミッション収入が少ないエージェントは、フルサービスの方が得です。収入の少ないエージェントの取分は、通常50%ですので、デスクフィーやキャップの方がいいと思う人が多いのですが、そんなことはありません。固定費が高いので、最悪赤字と言うこともあり得ます。

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米国の仲介コミッション制度
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