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某有名ホテル・チェーンがホテルを建てさせるために地主をどう説得するか

 全国チェーンの有名な某ホテル会社。これも非常にたちが悪い。土地活用を考えている全国のオーナーに営業をかけてサブリース契約を結び、ホテル経営を代行するというものだ。しかも、建ててくれるのは有名な建設会社。建築が不況だったころに、このチェーンのホテルをいくつも手掛けたのだ。

 彼らも事業計画書として利回りを出してくれるが、弊社が確認したケースでは11%という高利回りだった。しかし注意して内容を見ると、計算方式が間違っていたり、諸費用を含めていなかったりと、ずさんな数字だった。また、11%というのは建築費の11%だが、土地の価値も入れて計算して初めて、その不動産の収益率が出る。弊社が計算し直すと、2%くらいまで落ち込んだ。

 首都圏の幹線道路の飲食店やドラッグストアなら、土地賃貸するだけで2%くらいの収益がある。地方なら5%も可能だが、建築コストを地主に出させるために、11%もの収入があると嘘をついているのだ。もはやこれは犯罪に近い。

 老人介護施設も同じような手口が多い。ホテルと違って、場所は一等地でなくてもよい。土地の使い道がなくて困っている地主を見つけて、建築費に対して7%くらいの収益率だと言って営業しているが、実際は1%くらいだ。

 つまり、提案書では、収入を建築費で割っている。しかし、実際の分子は収入から運営費を引いた純利益だから、より小さな額になる。逆に分母は建築費だけではなく、土地代金も含まれていなければならないでの、より大きな数になる。より小さな数をより大きな数で割るので、実際の収益率はずっと減るのだ。

 そればかりではない。これらは、以前ブログに書いた某アパートメーカーの契約と同じく、修繕などオーナーが納得しない場合は契約を破棄できるということになっている。弊社が数字で示して「なるほどそうだったか!」と目覚める人もいるが、中にはその事実を受け入れ難いのか、逆に疑ってかかる人もいる。

 騙される理由の一つは、相手が親切で優しそうだったので、その人の印象で信用してしまうということ。以前ブログに書いたアパートメーカーのケースにしても、某ホテルのケースにしても、どうして契約書や計画書をしっかり確認しなかったのかと聞くと、「いや、とても親身で誠実そうな人だったので騙すはずがないと思った」とか「しょっちゅう顔を出してくれて熱心な人だから信用した」というのだ。

 残念ながら、弊社の河野社長は声も体も大きいし一見高圧的に見える。いや、見れば見るほど高圧的だ。こういう話になると、つい熱が入ってしまうのが逆効果になるようだ。彼のような人間よりも、一見ソフトな彼らの方を信用するのは無理もないだろう。

 しかし昔から人を騙す奴ほど猫を被っているものだ。しかもテレビで宣伝している一流企業の営業マンなら、説得力もある。しかし、渡る世間は鬼ばかり。何か対策を打たなければ騙されると思った方が良い。

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某有名ホテル・チェーンがホテルを建てさせるために地主をどう説得するか
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