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コンド損害保険:バスルーム修復工事に半年!

 去年10月、私が住んでいるマンションのバスルームで、天井から水が漏れてきました。さっそく管理人に連絡して調べてもらったところ、上の階でバスルームの改装工事をしたのですが、何か不具合が生じたらしいということが判明しました。その業者は、すぐに修理をして水漏れを止め、私のユニットのバスルームを見に来て、濡れてしまった天井を一部取り換えると約束しました。

 この水漏れは私たちの責任ではないので、この業者、あるいは業者の保険会社が補償することになります。しかし、自分の保険会社にも連絡したところ、被害がどの程度あったのか、専門の業者に調べてもらうように言われました。天井を取り換えたくらいでは済まないかもしれないというのです。

 どの業者を選ぶかは私たち次第だというので、ネットで調べて口コミの評価の良い業者を選び、調べてもらったところ、濡れたのは天井だけではないということが分かりました。水漏れは、幸いバスタブの上でしたので、漏れた水はタブに流れ、床は濡れませんでしたが、バスタブの周りの壁が濡れており、これは時間が経っても乾かないというのです。壁を取り除いて、新しくする必要があると言われました。

 壁を新しくすると、当然タイルも張り替えなければなりません。バスタブのドアや、タブのすぐ隣にあるトイレも一旦取り外す必要がありました。タイルもドアもトイレも、通常新しいものにしようと思ったら、それ自体よりも、手間賃のほうが高くつきます。そこで、この際それらを全部新しいものに取り換えることにしました。

 もちろん、タイルは既存のタイルをはがして張り替えることなどできません。当然新しいものを使うことになりますが、通常のタイルではなく、1.2 x 2.4メートルの磁器のスラブを4枚使うことにしました。大理石のような感じで、高級感があります。トイレも、米国では珍しいですが、全自動のウォッシュレットにしました。シートが自動的に上がり、使用後自動的に水が流れます。もちろんシャワーキットも全部新しくしました。

 私たちとしては、どのトイレにするか、どの磁器にするかなど、具体的に全部決めてから作業を始めてもらいたかったのです。しかし、業者の方は、早く壁を取り除いて乾かさないと、カビが生えるかもしれないということで、まずその作業をしました。日本人はカビに慣れていますが、米国人はカビには敏感です。だいぶん前のことですが、ヒルトンハワイアンビレッジの通気口にカビが発生し、何億円もかけて除去したことがあるくらいです。

 そこまでは早かったのですが、そこから急に物事が進まなくなりました。元通りに修復するための作業の見積もりが、なかなか進まないのです。それは、マウイ島の火事で、保険会社が非常に忙しかったためです。私たちは、お風呂もトイレも使えないので、早くして欲しいのですが、マウイ島の方はもっと大変だろうと思うと、そう文句を言うこともできません。

 私たちはコンドの13階に住んでいますが、プールサイドの地下1階にトイレがあり、それを使わせてもらうことになりました。そこは、夜は使えないのですが、私たちの鍵(フォブ)だけいつでも使えるようにプログラムしてもらいました。シャワーは、息子たちのアパートや、ジムのシャワーを使いました。

 幸い、私は母の介護でほとんど日本にいましたので、影響はありませんでしたが、問題は元ホームレスのマークさんです。一緒に住んでいる次男はホームレス・シェルターで働いており、精神的にも肉体的にも軽い障害のあるマークさんを引き取って、自分の部屋で面倒を見ているのです。

 ある日、家内が地下のトイレに行くので、一緒に行かないかとマークさんに聞いたところ、彼は必要ないと答えました。ところが、家内が部屋を出てすぐ、気が変わって一人で降りて行ったのですが、迷ってしまって、コンドの庭で用を足しているところを住民に見つけられてしまいました。

 そこで、次男はマークさんと一緒にホテルに住むことにしました。ホテル代は保険が払ってくれます。バケレンやアパートでもよかったのですが、ワイキキなどのリゾート地以外のバケレンは、基本最低30日で、アパートは1年リースというのが多いです。30日もかからないだろうと思って、ホテルにしたのですが、これが大間違いでした。

 結局修復工事が始まったのは年が明けてからでした。業者は、米軍基地の大きな仕事が入り、忙しくなりました。業者による手続きの不備などもあり、工事が終わったのはなんと4月9日でした。ホテルは、途中で補償金額を超えてしまいましたので、次男とマークさんは戻って来ざるを得ませんでした。少なくとも、トイレは早い時期に新しいものを取り付けることができたので、助かりました。

 ハワイのコンドのオーナーは、通常HO6と呼ばれる保険に入ります。今回のように、自分に落ち度がない場合でも、いったん自分の保険会社が支払ってくれて、自分の保険会社がダメ工事をした業者の保険会社に請求してくれます。でも、とにかく仕事が遅いので、ホテルではなく、バケレンか、短期でも貸してくれるアパートを借りたほうがいいと思います。

 しかし、おかげでバスルームがすっかりきれいになりました。余分に支払ったのは新しいトイレやバスタブのドアなどの原材料費のみです。磁器タイルは、通常のタイルとの差額を払っただけで済みました。また、$100余分に払って、壁にニッチをつけてもらいました。シャンプーなどを置く棚のようなものです。大変でしたが、結果的には非常に安くバスルームの改装工事ができたということになります。

 皆さんも、コンドでこのような被害に遭われたときは、参考にしてください。また、今は保険代が急騰しており、米国のインフレも、保険料が大きな部分を占めているそうです。そのため、古いコンドなどには保険を出さない会社が増えていますので、保険会社に対してあまり横柄な態度は取らないほうがいいかもしれません。こちらから頭を下げて保険に入らせてもらう時代が来たようです。

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コンドの損害保険:バスルームの修復工事に半年!
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