ハワイの住宅の24%は州外のバイヤーが購入
ハワイ州ビジネス・経済開発・観光課の主席エコノミスト、ユージーン・ティアン氏によると、ハワイの住宅の24%は州外のバイヤーが買っているそうです。20%はハワイ州以外の米国人、4%が外国人だそうですが、ハワイ州で法人を設立して購入する場合については触れていません。投資目的で購入される人の多くは、責任を有限にするために法人を作ることが多く、ハワイで法人を作った場合は、州外のバイヤーとはみなしていないのではないかと思います。
リゾート地としての魅力だけではないハワイ州
内訳ですが、オアフ島では15%、ハワイ島、マウイ島、カウアイ島では40%だそうです。オアフ島が低いのは、人口が多く、地元の人による購入の割合が高いということでしょう。州外のバイヤーは、別荘として買う人が多いわけですが、これは、ハワイが如何にリゾートとして魅力があるかというだけの話ではありません。そこは主席エコノミスト、見るところが違います。彼によると、ハワイ州の固定資産税が米国で一番低いということも、一つの理由だろうということです。
そこでレポートにあった50州の固定資産税の比較サイトを見たところ、ハワイ州は物件価値の0.27%、最も高いニュージャージー州は何と2.44%です。ちなみに州税がなく、景気が良くて日本人が多く投資しているテキサス州は1.83%で、7番目に高く、州税ゼロのしわ寄せが固定資産税に出ているようです。ハワイ同様、別荘の多いフロリダ州は、26番目で0.98%です。
固定資産税額算出の考え方
なお、固定資産税は、通常査定額を基に計算されますが、これらの数値は買値をもとに計算されています。ハワイの場合、査定額と市場価値はそれほどかけ離れていませんが、それは場所によって異なりますので、実際の買値を使わないと比較できません。また、マイホームの控除などもありますので、実際の固定資産税は、査定額×0.27%という計算ではできません。
ちなみに、ハワイの場合、賃貸しなくても、別荘はマイホームではありませんので、控除はありません。税率はマイホームだと0.35%ですが、住まない場合は、査定額の百万ドルまでが0.45%、それ以上が1.05%です。また、ホテルやリゾートは1.39%とさらに高くなり、去年、法改正があった短期バケーション・レンタルもこの部類です。しかし、住居として使う場合は、下げてもらうことができます。マイホームとして使わない場合に固定資産税が上がるというのは、ほかの州でも同じだと思います。
固定資産税は毎年必ず出ていく固定費です。これらのパーセンテージは、物件価値全体に占める割合ですので、キャップレート(営業純利益÷物件価値)がその分減るということです。つまり、固定資産税の査定額と市場価値がほぼ同じですので、仮に固定資産税が1%上がれば、キャップレートは1%下がるということです。もともとキャップレートの低いハワイでは、固定資産税がほかの州並みに上がれば、不動産投資が成り立たなくなるので、これ以上は上げられないのかもしれません。
*こちらのサイトを参考にしました
参考
WalletHub州別固定資産税率