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【ホノルルの格安物件】その後と、ウィローズの閉店

格安物件、売買契約後のトラブル

 去年10月末に、ホノルルに格安物件を見つけて売買契約を結んだという話をしました。その後あれは一体どうなったんだろうと思っている方もいらっしゃるかもしれません。

【ホノルルの格安物件】発掘とオファー 【ホノルルの格安物件】ホーム・インスペクション(点検)

契約を結んですぐホーム・インスペクションをしてもらったのですが、作り付けの大きな冷蔵庫の冷凍室が壊れていました。これは、新しく取り替えれば1万ドル近くしますが、もう部品は注文してあるということでしたので、修理してもらうもののリストの中に入れてもらいました。

ところがいつまでたっても直りません。と言うわけで、新しいものに取り換える費用として、私のクロージング・コスト(不動産売買契約終了時に払う取得費用)を9千ドル立て替えてくれると言っていたのですが、それも気が変わってしまいました。ちなみに、購入価格を9千ドル下げてもらうことは銀行が許しません。購入価格が決まったうえでローンの額を決めていますので、価格は変えられないそうです。とにかく私はこういうトラブルが嫌いで(好きな人はいないでしょうが)、それなら契約をキャンセルしようかと思いました。

ローンブローカーに説得され

それに待ったをかけたのはローンのブローカーです。ローンのブローカーと言うのは、自分がローンを出すのではなく、私が借りることのできる最高の条件のローンを見つけてきてくれて、銀行からコミッションをもらう人のことです。私がいつも使っている人なのですが、家全体の値段に比べれば、冷蔵庫なんて大した額じゃないだろう、と言って私を説得しました。もちろん、彼がそういうのは自分がコミッションをもらいたいからだと思いますが、私も彼の意見を聞き入れて、9千ドルは払ってもらわなくてもいいという話になりました。

通常、直すと約束したものがクロージング(引き渡し)までに直っていない場合、直すためにかかる見積の額の150%エスクロー(訳すと第三者預託ですが、売主と買主の間に立って、お金や書類の管理をしてくれます)が保管し、修理費用の残りを売り主に返します。修理は、約束した期間内に売主がしなければならず、それを過ぎると全額買主のものになります。ですので、私は修理の見積はいくらかと聞いたのですが、分からないというのです。見積も出ていないということは、最初から直すつもりはなかった可能性が大です。

もう売らないと言い出す売主

もう私は冷蔵庫のことは諦めていましたので、それでもいいと思っていたのですが、何と、もう売らないと言い始めました。知り合いが買ってくれることになったので、もう私には売らないと言うのです。もちろん、売買契約をしていますのでそんなことはできないのですが、売らせるためには調停をしなければなりません。裁判は時間とお金がかかりますので、何か係争があった場合は調停をするということが、標準的な売買契約書に謳われています。

しかし、それでもそんな面倒な争いはしたくありませんでしたので、おとなしく解約しました。正直言って、ここまで問題が続くと、この家を買いたいという気持ちも薄らいでいました。せめてもの救いは、今住んでいるアパートの管理士に出ることを28日前に通知していたのですが(入居者は28日、家主は45日前までに、出ること、あるいは出てもらうことを通知しなければなりません)、年末だったこともあり、その間新しい入居者が決まっておらず、おかげでホームレスにならないで済みました。冷蔵庫などのことでクロージングを3週間ほど延期しましたので、50日近く新しい入居者が見つからなかったわけですが、実質的に稼働率100%と言ってもいいホノルルのアパート市場を考えると、これは本当に助かりました。

再度の物件探し・・・気になる売り物件

と言うわけでまた物件探しが始まったのですが、みなさん、ウィローズと言うレストランをご存知ですか。75年の歴史のあるビュッフェで有名なレストランで、地元の人で知らない人はいません。そのレストランが閉まることになりました。これは、テレビニュースに出るくらい、話題になりました。

出典:http://willowshawaii.com/jp/

ワイキキの北、ハワイ大学の南にあるモイリイリと言うアパートの多い地域なのですが、ウィローズの家主がその周辺に12物件持っており、そのほとんどは隣接しています。レストランとして使われているのは2物件で、残りはその駐車場として使われている土地と、小規模のアパートが4棟あります。

この持ち主が、これらの物件をすべて売りに出しました。しかもそのほとんどが固定資産税の査定額よりも安く出ています。このような事業用不動産はずいぶん高く売りに出されることが多く、結局売れないで終わることも多いのですが、これほど安く出ることは珍しいので、私も早速ブローカーのJLL(ジョーンズラングラサール)に連絡して、私でも買えそうなアパートについて聞いてみました。

土地の最有効利用が出来ていない物件たち

まず、それぞれの物件の収入が書いてあったのですが、その額からして、私は家賃収入ではなく、営業純利益(家賃収入から経費を引いた純収益)ではないかと思い、どちらか聞いたのですが、何と、今自分のコンピューターが壊れていて調べられないという答でしたマザーボードが新しくなった頃を見計らって電話し直したところ、残念ながら家賃収入でした。営業純利益であれば4.5%くらいのキャップレートですので、買うと思いますが、これから経費を引かなければいけないのであれば、低すぎます。

結局どの物件も、土地の最有効利用ができていないと言っていいと思います。アパートは、どの物件も500平米足らずの土地なのですが、建物は2階建てで200平米もありません。駐車場は十分すぎるくらいあるのですが、高さ制限が45メートルもあるアパート地域の割には、効率が良くありません。

レストランがあった物件も、固定資産税の査定額は$13,440,800ですが、$8,196,000で売りに出しているのです。3,229平米の土地に1,544平米のほぼ平屋の建物が散在しています。ハワイのきれいな自然の中にあるレストランではなく、住宅街のど真ん中の塀で囲まれた限られたスペースの中で、ハワイっぽい雰囲気を出すために池や植栽を使っていますので、売上に直接つながらないスペースが多すぎるのでしょう。

そこで、駐車場として使っている更地はどうかと思いました。ところが、駐車場だけは査定額より高く売っていました。それでも、小規模アパートを作れば、売るにしろ運営するにしろ、良い収益があると思います。ただ私には土地は買えてもアパートを建てるだけのお金はありません。と言うわけで私はまた振出しに戻りました。

話題性はある

売主は全部まとめて買ってくれる人を探しているそうです。ある程度オファーが出そろうのを待って、全部買ってくれる人がいればその人に売るし、そうでなければそれぞれの区画を買いたい人に売るそうで、引き渡しは6月ころを予定しているそうです。大規模修繕や開発をするだけのお金のある人は、検討してみるのもいいかもしれません。もしレストランを再開することができたら、ホノルルではちょっとしたニュースになるでしょう。ハワイ大学が近いので、学生向けの賃貸もいいかもしれません。

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