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パンデミックで米国の貧困差が拡大〜アメリカの在宅勤務の行方〜

米国の在宅勤務の行方

今日は、5月12-13日に行われたIREM(全米不動産管理協会)協賛、アプフォリオ(不動産管理アプリの会社)のウェイブ・サミットの中から、全米アパート協会のポーラ・ムンガーさんによるプレゼン、在宅勤務の将来をご紹介します。

在宅勤務が全体に占める割合
学歴別業種別の割合
パンデミックによる業種別、学歴別の人口移動
オフィスの利用率
在宅勤務の問題点
それに応える新築アパートのトレン

以上について解説します。

ウェイブ・サミットについては、IREM日本支部会員にも案内があったと思いますが、英語ですので、皆さんが興味を持たれるのではないかと思ったプレゼンを選んでご紹介させていただきます。なお、サミット終了後も、ほぼすべてのプレゼンのビデオを見ることができますので、興味のある方は、案内のあったリンクから入ってください。

 

在宅勤務をしている人の割合

これは、在宅勤務をしている人の割合です。2020年5月から2021年2月の推移を、総数とパーセンテージで表したものですが、去年の5月は約37%だったのが、10月に約21%に減り、12月に約23%まで上がりましたが、それ以降は緩やかな下降傾向にあります。

教育レベル別の在宅勤務をしている人の割合

次は教育レベル別の割合です。左から高校中退(米国では18歳までが義務教育)、高卒、短大卒あるいは大学中退(米国では大学を中退する、あるいは取りたい授業だけ取る人が多い)、大卒、大学院卒です。青が2020年5月で、オレンジが2021年2月ですが、高校中退の人で在宅勤務をしている人はそれぞれ約3~5%にすぎません。肉体労働や対面のサービス業が多いことを意味しています。

それに比べて大学院卒は、去年5月がほぼ70%、今年の2月でもほぼ半分が在宅勤務です。専門職の人は、在宅でできる職種が多いことを意味しています。このクラスの人は、会社から1‐2時間離れた住宅価格の安い市場に移住した人が多く、在宅勤務のできない人は、家賃の高い市場に取り残されているわけです。教育レベルの低い方の感染率が高い理由も、一目瞭然です。

LinkedInで読む流出入都市

リンクトインのアカウントの住所を調べると、誰がどこに引っ越したかが分かります。リンクトインを使っている人は、高学歴の人が多いので、その移動状況が分かるのです。リンクトインのアカウント数が最も増えたのがウィスコンシン州マディソンで、10%でした。マディソンは、ミルウォーキーの近くで、人口が激減しているシカゴから引っ越した人も多いと思います。もちろん、人口が10%増えたということではなく、マディソンでリンクトインを使っている人が10%増えたということです。

逆に流出した都市は、ニューヨークとサンフランシスコがダントツに多く、それぞれ27%と24%です。それだけ、今まで大都市に集中していた高学歴の人が、地方に流れていることを意味しています。流出した10都市の住宅中央値は$493,150、中央値の家を購入するのに必要な年収は$88,366ですが、流入した15都市の住宅中央値は$288,200、その購入に必要な年収は$51,642です。

業種別の在宅勤務の割合

これは、在宅のパーセンテージを業種別に見たものです。21年2月の時点で高い順に並べると、トップ5は、金融と保険、専門技術職、情報、教育、行政で、ボトム5を低い順に並べると、ゴミ収集管理、小売り、建築、輸送・倉庫、宿泊飲食です。マッキンジー・グローバル学会によると、2030年には、高所得の雇用が660万増え、中所得の雇用は190万減り、低所得は90万増えるそうです。ますます貧富の二極化が進むことが予想されます。

教育の在宅が高いことに驚かれる方が多いのではないかと思いますが、米国では公立学校教師の組合が強く、私立学校の多くは教室で授業をしていますが、公立ではオンラインを使うところがまだ多いのです。私の息子は公立高校教師ですが、サマースクールの授業もオンラインの予定だそうです。孫も公立の小学校の1年生ですが、年少ほど教室の授業が必要だとされているにもかかわらず、未だに授業は週二日で、後はオンラインです。おかげで、私は孫の家庭教師をすることになり、孫の学習態度よりも、私の教育態度の方が問題だということが判明しましたが、随分仲良しになりました。

オフィスの利用率

次は、21年3月のオフィスの利用率です。稼働率ではなく、在宅勤務をしないでオフィスに来ている人の割合を、主な市場別に表したものです。35%以上で、突出して高いのがヒューストン、ダラス、オースティンです。すべてテキサス州ですが、他の6市場は、約26%のロサンジェルスに続いて、ワシントン、シカゴ、サンノゼ、ニューヨークで、最も低いサンフランシスコは約14%です。これは、南部に感染者が少ないというより、政治的な違いを反映していると思います。また、利用率がこれほど低いということは、オフィスビルで働くホワイトカラーの労働者に在宅勤務が多いということを意味していると思われます。

在宅勤務の問題点とは

次は在宅勤務の問題点です。これは、ベージュが2020年の4月、青が2020年の9月で、9月の数値の高い順に並べてあります。勤務時間通りに仕事をすることが困難であると答えた人が40-50%で、結局夜も仕事をしなければならなくなることが多いようです。仕事のための部屋がないが2番目で、36-39%、3番目が隣人で25-29%。これらも、マンションから郊外の戸建てに引っ越す人が増えた理由です。4番目が慣れていない、5番目はインターネットが不十分だという点です。

パンデミック後に引っ越した人が、引っ越し先の家を選んだ理由

 次は、パンデミック後に引っ越した賃借人が、引越先のアパートや借家を選んだ理由です。1番が築面積で54%、次が家賃で52%、続いてフリーレントが41%、庭の広さが37%、友人や家族が近くに住んでいるが37%です。ルームメイトと一緒に住みたくないが33%ですが、日本と違って、米国では経済的理由でルームメイトと住むということがよくあります。次に、職場や学校の近くに住む必要がなくなったが23%、コロナから身を守るが22%、家賃が払えなくなったが18%、解雇が14%でした。

これらの統計に沿って、現在計画中の集合住宅の14%はユニットの面積を広くし、書斎があるものも増えています。また、パンデミック以前、バルコニーのある集合住宅は約半分でしたが、これも増えています。

今日は、アプフォリオのウェイブ・サミットの中から、全米アパート協会のポーラ・ムンガーさんによるプレゼン、在宅勤務の将来をご紹介しました。

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アメリカの在宅勤務の行方〜IREM協賛アプフォリオのウェイブ・サミットより〜
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