現地オープンハウスの動画をチェック!

仲介業に参入した住宅金融業者のコミッションが0? ーインマンー

 

先日、「不動産IT企業が住宅ローンに参入も、逆に住宅ローン業の仲介参入で激震」というブログを書いたばかりですが、今日はその続きと言ってもいいでしょう。前回のブログでは、キャッシュオファーのモデルは、買替にしか使えないと書いたばかりなのですが、今日は、インマンの複数の記事から、それを覆す新モデルについて解説します。

不動産IT企業が住宅ローンに参入も、逆に住宅ローン業の仲介参入で激震-インマン-

旧宅の担保なしにローンを確約してくれる新サービス

一生に6-7回家を買い替えるアメリカ人には、旧居を売ってからでないと新居が買えないというジレンマがありました。それを解決したのがつなぎ融資ですが、旧居の担保がないと成り立たないモデルです。この問題を少し緩和したモデルが、不動産会社がマイホームを代わりに買ってくれて、一定期間、新居を賃貸してから購入するというモデルです。この場合、不動産会社は、仮に賃借人が購入できなくても、賃貸を続ければよいだけです。

しかし、このようなモデルは、不動産会社が先に購入したものを顧客がまた購入しますので、譲渡税も2度払わなければなりません。額は州によって異なりますので、高い州ではこれがネックになりますが、この問題を根本的に解決するモデルができました。始めたのは、先日のブログでも紹介したベター・モーゲージとノックです。まず、以前にもブログを書いたノックの方からご紹介しましょう。

ノックのホーム・スワップサービスで買いと売りのコミッションをゲット:iBuyerの裏を突いた戦略

大野純司の大予言:つなぎローンのノックは仲介を始める!?

 

物件の審査なしにローンを確約してくれるサービス

ノックのGOローンは、鑑定を補償し、キャッシュオファーを確実にする

 通常、マイホームを探す前に、どの程度のローンを借りることができるか、住宅金融業者に相談します。金融業者は、顧客が提供する情報に基づいて限度額を提起しますが、実際に審査するわけではありませんので、これはローンを出すという保証ではありません。しかし、物件購入のオファーを出すにはこれが不可欠です。今のような売り手市場では、それがない人には内覧もさせないということもあります。

オファーが受け入れられて約一か月後に実際のローンが出るわけですが、この審査を先にやってしまえば、買主は売主に対して、「ローンがもらえれば」という条件付きのオファーを出す必要がなくなり、有利です。今ほどの売り手市場ではなくても、キャッシュオファーならローンが借りられなくて解約になる心配がないので、通常のオファーよりも選ばれる可能性が高く、少々安くても成約することがあります。もちろん、金融業者は、借主の審査はできますが、物件の審査は売買契約が成立してからでないとできません。しかし、もし問題があれば解約すればよいだけですので、それは従来の契約と同じです。

鑑定評価が低くローン額が減った場合は、手数料が無料になることも

物件の問題で多いのが、鑑定評価が契約額より低いという問題です。従来ですと、買主の頭金を増やす、売主と価格を交渉する、それでもだめなら解約と言うことになりますが、ノックは、鑑定価値が低くてローンの額が減った場合、クロージング(不動産取引終了時の清算)で、本来買主が払わなければならない手数料その他を、最高100%まで払ってくれます。所有者でないノックが購入価格の一部を払うことは法律上できませんので、手数料を払うことによって、増えた頭金を相殺するわけです。

例えば、$50万の家を購入するとして、頭金20%のローンだとしましょう。ローンは$40万のはずですが、鑑定価格が低く、その80%が$38万にしかならなかったとします。となると、買主は$10万ではなく、$12万の頭金を払わなければなりません。仮にクロージングの清算で買主が$1万払わなければならなかった場合、それを全部ノックが出してくれるので、余分に払った頭金の半分は戻ってくるということになります。

ノックのこのローンの手数料は、$1,450です。ノックは、仲介には参入しておらず、ノックのシステムを教える短いセミナーに参加したエージェントがしています。もともと買替のつなぎローンの会社ですので、売りと買いの両方のコミッションがもらえるという謳い文句で、消費者だけでなく、エージェントも味方にしているわけです。

住宅金融業界の巨獣、ベター・モーゲージのビジネスモデル

 ベターは、先日のブログでもお伝えしたように、かなり大きな会社で、従業員8,100人、そのうちIT開発従事者が600人もおり、今年の7月にキャッシュオファー・プログラムを試験的に始めたのですが、8月には8州32市場に増え、今も増え続けています。また、今年は、仲介業に参入したばかりでなく、権原保険会社も始めました。権原保険は、日本にはない仕組みですが、物件に売主以外の所有者や抵当債権者がいないことを保証するものです。

ノックと違い、鑑定評価が契約額より低い場合は、契約通りの額のローンを出すことを保証してくれます。現在のように、不動産の急騰によって、鑑定価値が市場価値に追いつかない場合は、安心できるサービスです。

ベター不動産で仲介をすることの大きなメリット

 ベター不動産のエージェントを使って新居を購入し、ベターモーゲージからローンを借りる場合は、ベターが受け取る通常2.5~3%のコミッションから、買主が1%もらえます。日本では買主の仲介業者のコミッションは買主が払いますが、米国ではすべて売主が払うことがほとんどです。それに加えて、売買契約終了時に発生する種々の手数料を$2,000出してくれます。ただし、ベターのエージェントを雇いながら、他の金融業者からローンをもらう場合は、2.5%の手数料がかかります。これはかなり大きいので、連邦住宅局や退役軍人省が出している、頭金が低い、あるいは頭金なしのローンをもらうのでない限りほとんどないでしょう。

また、買替をする顧客は、旧居売却のコミッションが無料です。実は、ベター不動産を通して売却する場合、全米で広く使われている全米不動産協会のMLS(マルチブル・リスティング・サービス)を使わず、自社のポータルで宣伝するのです。ですから、買主のエージェントもベターの社員ですので、コミッションを払わなくても買ってくれないということはありません。

また、買主もベターのローンを使う可能性が大ですので、それで利益を確保できます。ベターは、2020年に$242億のローンを出しましたが、今年は、半年でそれを超え、$288億でした。23年には$1,830億になると予想しており、そうなると市場シェアは5.6%です。そのスケール効果を利用した、自社で完結するモデルなのです。

コミッション(不動産売買仲介手数料)0円の仕組み

ベターのローン総額、履歴と予想

 コミッションがタダなんていう会社で働くエージェントがいるのかと思うかもしれませんが、ご心配なく。7月の時点でエージェント数は150人、毎月50~100人増やして、今のところ500人にする予定だそうです。成績によって決まるボーナスはありますが、基本的に給料制で、基本給は$7.5~10万。ちなみに、2020年の米国のエージェントの収入中央値は$43,330です。それに比べるとずいぶん高給ですが、雇っているのはベテランだけではないそうです。モデルは異なりますが、エージェントを、同じように自営業者としてではなく、社員として雇用しているレッドフィンの初任給も、ベターと同じレベルです。

どうしてそんなことができるのでしょうか。ベター不動産の顧客の9割は、ベター・モーゲージから来ます。先述したように、どのくらいのローンがもらえるのか調べて欲しいという顧客で、毎月、エージェント一人当たり30~45人の顧客が来るそうです。これらの顧客は、マイホーム購入を真剣に考えている人たちですので、実際に購入する割合は高く、エージェント一人当たり月3.5人が実際に購入します。従来のエージェントのように営業に時間をかける必要がないので、雇う人数も少なくて済み、高い給料を払えるのです。

ベターの躍進が不動産仲介業に与える影響は大きい

 実際の取引額は、2019年が$1,210億、20年は$6,910億、今年の予想は$2.4兆、来年は$6.1兆、23年は$17兆です。フランチャイズではありませんので、ケラーウィリアムズやコールドウェルバンカーなどには全くかないませんが、独立仲介業者としては最大級になるという予想です。

ベター不動産取引総額

 住宅金融に参入した仲介業者や、金融業者とパートナー契約をしている仲介業者の場合、自社のローンを借りてくれるバイヤーの割合は2割程度ですが、ベターは7割に近いそうです。連邦住宅局や退役軍人省が出しているローンは現在取り扱ってないのですが、それを始めると100%に近くなるという予想です。

前回のブログでも、住宅金融業者が仲介に参入する方が、その逆よりもうまく行くだろうし、コミッションを下げることもできるだろうと述べましたが、ゼロとは驚き。$50万の家を売って$3万節約できるとすれば、利用しない手はありません。ちなみに、ベターは、もうすぐSPAC(特別買収目的会社)を使って上場するそうです。

この記事を動画でチェック!

 最近まで、キャッシュオファーのモデルは、買替にしか使えませんでしたが、今日は、それを覆す新モデルについて解説しました。この動画が良かったと思ったらグッドボタンを押して頂ければ励みになります。このチャンネルではハワイの物件情報や、アメリカ・ハワイの不動産マーケットの情報をお届けしています。アメリカの不動産に興味のある方、ハワイで不動産を持ちたい方は是非チャンネル登録をお願いします。

仲介業に参入した住宅金融業者のコミッションが0?
元サイトで動画を視聴: YouTube.