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レッドフィンCEOがインマンのコンフェレンスでエージェント募集?-インマン・コネクト・ラスベガス-

今日は、2021年11月にラスベガスで開催されたインマン主催コンフェレンスでの、レッドフィンCEOグレン・ケルマン氏のスピーチをご紹介します。レッドフィンの雇用条件が如何に良いかを強調し、参加者をリクルートしようとしているのではないかとも思えるスピーチでしたが、レッドフィンが平均的エージェントの倍以上の給料を払える仕組みを解説します。

米国の不動産仲介エージェントの年間の取引数は?

彼が最初に紹介したのが、エージェントへのアンケートです。レッドフィンで働いているエージェントではなく、60の市場で働いている400人のエージェントが対象です。今年のアンケートは、割と新しいエージェントが多かったそうです。コロナで職を失った人の中に、急騰した不動産仲介市場に参入した人が多かったのではないかと言うことでした。それでも、アンケート回答者の約半分は10年以上のベテランです。

 取引数 0~6件 7~12件 13~21件 22件以上
2019年 39% 26% 22% 13%
2021年 40% 24% 18% 19%

まずは、エージェントの年間取引件数です。2021年はまだ終わっていませんので、2021年8月までの1年間の数値です。0~6件が39%から40%に増えていますが、これは、今年新米のエージェントが増えたからでしょう。7~21件が48%から42%に減っているのに対し、22件以上は13%から19%に上がっています。ケルマン氏によると、これはチームを組むエージェントが増えているからだと言うことです。

米国では、エージェントのほとんどが自営業ですので、1件の取引もなかった人の収入は0です。逆に、年間何十件もの取引をするエージェントが、すべて一人でするのは大変です。仲介業者は、ある程度の事務的な処理をしてくれますが、それでは足りないので、チームを組んで仕事をするのです。22件以上の取引をするエージェントの割合が増えているのは、そのせいだろうということです。

米国の不動産仲介エージェントの年間収入は?

50%が$50k以下の収入(左から0, ~$25k, ~$50k, ~$100k, ~$200k, ~$500k, $500k~)

これは、エージェントの収入です。経費も出ないという人が5%、$25,000以下と$25,000~$50,000がそれぞれ22~23%ほどで、約半分が、$50,000以下です。エージェントの38%は副業があります。というより、不動産が副業と言う人も多いでしょう。仕事と生活のバランスが取れているかと言う質問には、73%がはいと答えていますが、ケルマン氏は、仕事があまり忙しくないからだろうと述べています。

ケルマン氏は、非常にフレンドリーな方ですので、嫌味には聞こえませんが、レッドフィンのエージェントは非常に忙しいと述べています。そのため、内覧、契約書作成などの業務を分業化して、取引の多いエージェントが忙しくなり過ぎないようにしているとのことです。

米国の不動産仲介エージェントは所属している会社に何を求めるのか

不動産エージェントの仕事のどこが好きかと言う質問に対しては、起業家的独立性と答えた人が最も多く、88%でした。何が嫌いかの答は、収入の不安定さが一番で30%、2番目がクライアントを探すことの困難さで29%でした。

経験3年以下のエージェントに、所属している不動産業者に何を期待するかと聞いたところ、最も多かったのが、住宅の評価、売り方、オファーの書き方、点検の仕方などのトレーニングで、70%でした。これは当然でしょう。興味深いのが次の二つで、顧客の見つけ方や関係の築き方のトレーニングが64%、顧客を紹介して欲しいが63%でした。何が興味深いかと言うと、実際にそれをしてもらっていると答えたエージェントが他より少なく、前者が39%、後者は20%しかいないのです。私も、自分が属する仲介業者から顧客を紹介してもらったことはありません。

4年以上の経験のあるエージェントに聞いたところ、コミッションが少し減ってもいいから、テクノロジー、トレーニング、マーケティングにお金を使ってほしいというエージェントと、その逆を望むエージェントが50%ずつで、ちょうど半分に分かれました。

米国で急成長している新しい不動産フランチャイズ:eXp、コンパス、レッドフィン

後者の代表的な例がeXpで、ハワイにもあり、私も勧誘されたことがありました。物理的なオフィスがなく、全てバーチャルです。新米のエージェントは、職場に行ってベテランの話を聞くこともありませんし、トレーニングを受けることは困難です。しかし、eXpにとっては、ベテランに入ってもらって、新米をトレーニングする必要がなく、オフィスの経費も掛かりませんので、より多額のコミッションをエージェントに払うことができます。バーチャルオフィスと言うテクノロジーにお金を使っているとは言えますが、トレーニングやマーケティングにはお金をかけず、その代わりコミッションの取分を上げています。

前者の代表的な例がレッドフィンです。実は、今までの話は全てお膳立てなのです。レッドフィンは、もともと不動産ポータルサイトでしたが、それを利用して仲介を始めました。ポータルサイトですので、もちろんテクノロジーに多額の資本を使っていますが、サイトからお客さんの問い合わせが来るので、エージェントは顧客を自分で探す必要がありません。つまり、仲介業者がエージェントに客を紹介しているのです。

レッドフィンのエージェントが多くの収入を得る仕組み

レッドフィンの新入りエージェントと2年後の給料の額と内訳
黄:株、赤:自分の顧客、紫:オンライン客、青:イベントその他のボーナス、灰:基本給

そのため、新入社員でも、1年目の給料は$60,000です。給料と書きましたが、レッドフィンは雇用制です。2年後には$194,000にもなるということです。しかし、これが2年後の平均給与なのかどうか、明確な説明はありませんでした。日本円だと、2千万以上です。

日本で普及しはじめた不動産エージェント制 アメリカでは逆に雇用制に?

その内訳ですが、紫がオンラインの顧客で、初年度も2年後もそれほど変わりません。赤は自分の顧客からの収入です。会社に勤めていながら自分の客と言うのはどういうことかと思うかもしれませんが、ケルマン氏によると、レッドフィンのエージェントは、1年に150人ほどのオンライン顧客に接します。その全てが成約するわけではありませんが、成約しなかった顧客は、オンラインでの問い合わせがまた来るのを待つ必要はありません。エージェントがどんどん営業をすればよいのです。もちろん、成約した顧客やその人の紹介による顧客もいるでしょう。こうして、赤の部分が通常の仲介業者で働くよりも早く増えていきます。ある程度増えると独立するエージェントもいるそうですが、それで困ることはない様子でした。

これで、今までの話が全てつながったのが分かるでしょうか。多くの仕事をするには、一人ではできないのでチームを作るエージェントが多いとのことでしたが、レッドフィンは会社全体がチームです。レッドフィンでは、自分の顧客を持ち、起業家的独立性を保ちながら、オンライン顧客を紹介してもらって、収入を安定させることができます。コミッションを下げてもテクノロジーに投資して欲しいというエージェントには、ぴったりの会社なのです。

レッドフィンが仲介手数料を値引き出来る理由

コミッションに関して言うと、売り側のコミッションは通常3%ですが、レッドフィンは1%です。そんなに低くて良い給料がもらえるはずがないと思う人もいるでしょうが、営業はサイトがやってくれるので、取引件数は通常のエージェントより数段多いのです。レッドフィンは住宅ローンや保険も出しているので、その収益もあります。

レッドフィンはiバイヤーもやっていますが、会社としては、iバイヤーのシェアは伸びないだろうと考えています。iバイヤーは、転売ですので、通常なら一度で済む売買が、2度必要になるというのが理由です。他社のiバイヤーは、内覧をする場合、スマホを使って、買主がエージェントなしで見に来ることができるようにしています。iバイヤーは、2度しなければならない売買のコストを下げるために、買主がエージェントを雇わないようになることを願っているのです。

また、現在、司法省が全米不動産協会を独占禁止法違反で訴えています。詳しい説明はしませんが、売主が、売りと買いのすべてのコミッションを払っていることが、一つの問題になっています。この裁判の結果、買主が自分のエージェントにコミッションを払うことになれば、コミッションが下がるばかりか、エージェントを雇わない人も増えると言われています。現に、iバイヤーの買い側のコミッションは、2017年は平均3%でしたが、21年は2.4%に減っています。しかし、レッドフィンのモデルなら、コミッションが減っても大丈夫なのです。

カスタマー・ファースト:全米不動産協会(NAR)が独占禁止法で訴えられる

不動産ポータルサイトが仲介業者になることの強み

レッドフィンのように、不動産ポータルサイトから始まった仲介業者のもう一つの強みは、在宅勤務によって遠くに引っ越す人が増えたことです。1年間に、今まで住んだことのない場所に引っ越す人の割合は、2010年は4%でしたが、2020年は8%でした。同じ市場の中で引っ越す場合は、すでに知っているエージェントがいる場合が多いですが、知らない市場に引っ越す場合は、不動産ポータルサイトで家を探すだけでなく、エージェントも探すことになりますので、レッドフィンには有利だということです。

レッドフィンは、それほど急激に成長している会社ではありませんが、色々あるモデルの中でも、競争優位があると思われます。iバイヤーやパワーバイヤーを兼ね備えてもいますが、iバイヤーのモデルに賭けているわけではありません。

多くの新モデルが、既存の仲介業者のエージェントを敵に回したくないと考え、彼らと協力したのに対し、レッドフィンは、エージェントを雇って、彼らが本当に望んでいるものを提供している、と言えるかもしれません。考えてみると、ほとんどの業種において、被雇用者は正規雇用を望みます。従来のエージェントの中に、レッドフィンなどの新モデルを恐れる人がいますが、歓迎するべきなのかもしれません。

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